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かぶれ(接触性皮膚炎)の原因となる物質

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かぶれの原因となる物質物質から調べる

 

何にかぶれたのかを知りたい。そのために、かぶれ(接触性皮膚炎)の原因になりやすい物質を一覧にしました。パッチテストの結果に書かれていた成分名から調べることも、かぶれた場所から原因をさかのぼることもできます。当院ではパッチテストと皮膚プリックテストを行っています。

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かぶれ(接触性皮膚炎)の原因となる物質

かぶれとは、触れたものが原因で起こる皮膚炎です

かぶれとは、皮膚に触れたものが原因で起こる皮膚炎のことです。医学的には接触皮膚炎、接触性皮膚炎と呼びます。英語ではcontact dermatitisといいます。接触皮膚炎とは何かをひとことでいえば、触れたものによる皮膚の炎症です。赤み、ぶつぶつ、水ぶくれ、じゅくじゅく、かゆいという症状が、触れた場所に一致して出るのが特徴です。

肌のかぶれ、皮膚のかぶれ、肌かぶれ、薬品負けなど、呼びかたはさまざまですが、いずれも同じものを指しています。かぶれる原因になるものは身のまわりに数えきれないほどあり、かぶれやすい部位、かぶれやすい場面にもある程度の傾向があります。

かぶれには大きく2つのしくみがあります。誰にでも起こる刺激性接触皮膚炎と、その物質にアレルギーを持つ人だけに起こるアレルギー性接触皮膚炎です。同じ製品でも、しくみが違えば対処も変わります。

このページは、かぶれの原因になりやすい物質を集めた一覧です。パッチテストの結果票に書かれていた成分名から調べる、あるいはかぶれた場所から原因をさかのぼる、という2つの入り口を用意しました。化粧品によるかぶれ、医薬品によるかぶれ、家庭用品によるかぶれは、それぞれ専用のページで詳しく説明しています。

アレルギー性接触皮膚炎と刺激性接触皮膚炎のちがい

かぶれの原因を考えるとき、最初に分けておきたいのがこの2つです。見分けかたの目安は、誰にでも起こるか、量に比例するか、初めて触れたときにも起こるか、の3点です。

刺激性接触皮膚炎は、洗剤やアルコール、酸やアルカリのように、皮膚のバリアを直接いためる物質で起こります。量が多いほど、触れる時間が長いほど強く出ます。初めて使ったその日でも起こります。手荒れの多くはこちらです。汗に含まれる塩分や尿素も皮膚を刺激するため、汗をかいたあとに赤くなったりかゆくなったりするのもこの型です。海やプールのあと、汗をかいたまま放置したあとに出る塩かぶれと呼ばれる症状も、多くはこれにあたります。

アレルギー性接触皮膚炎は、その物質に対する免疫のしくみができあがった人だけに起こります。ごく少量でも起こり、量にあまり比例しません。そして、これまで何年も平気だったものに突然かぶれるようになるのが、この型の大きな特徴です。急にかぶれるようになった理由が思いあたらない、というご相談は少なくありませんが、それはこのしくみによるものです。

もう一つ、触れて数分から数十分で赤くみみず腫れが出る接触じんま疹という反応もあります。天然ゴムのラテックス、食品、動物の毛などで起こり、まれに全身の症状につながります。

  刺激性接触皮膚炎 アレルギー性接触皮膚炎
誰にでも起こるか 起こる。体質に関係しない その物質にアレルギーのある人だけ
量との関係 量が多い、時間が長いほど強い ごく少量でも起こる
初めて触れたとき 初回から起こる 起こらない。くり返し触れるうちに成立する
出るまでの時間 数分から数時間 触れてから半日から2日後が多い
出る範囲 触れた範囲にほぼ一致する 触れた範囲を超えて広がることがある
代表的なもの 洗剤、消毒用アルコール(2-プロパノール)、酸、アルカリ、おむつ、汗 金属、ゴムの加硫促進剤、香料、防腐剤、毛染め、外用薬

実際には両方が混ざっていることもよくあります。たとえば水仕事で荒れた手には、ゴム手袋の加硫促進剤によるアレルギー性のかぶれが重なることがあります。どちらのしくみかを決めるのが、パッチテストの役割です。

かぶれた場所から原因をさかのぼる

かぶれの原因を探すとき、いちばん手がかりになるのは症状が出た場所です。触れたものの形どおりに症状が出ていれば、そこに答えがあります。腕時計のバンドの形、ベルトのバックルの形、湿布の四角い形、といった具合です。

症状が出るまでに半日から2日かかるため、直前ではなく1日前や2日前に何に触れたかを思い出していただくことが大切です。

かぶれた場所 疑われる原因
耳たぶ、首、指、手首 ピアス、ネックレス、指輪、腕時計に含まれるニッケル、コバルト、金。真鍮や18金でもニッケルを含むことがあります
へそのまわり、腰 ベルトのバックル、ジーンズの金属ボタンのニッケル
足の甲、足の指、かかと サンダルや靴のゴム部分の加硫促進剤、接着剤のp-tert-ブチルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂、革のなめしに使われるクロム
手のひら、手の甲、手首から前腕 ゴム手袋の加硫促進剤(チウラムミックス、カルバミックス、メルカプトミックス)。洗剤による刺激も重なります
まぶた、目のまわり マスカラやアイシャドウのロジン、ビューラーのニッケルと黒色ゴム、点眼薬の防腐剤、手についた物質を無意識にさわることによるもの
唇、口のまわり 口紅やリップクリームのラノリンアルコール、香料、ペルーバルサム、歯磨き粉の香料
デオドラント製品や香水の香料、防腐剤
頭皮、生え際、耳のうしろ、まぶた 白髪染めやヘアカラーのパラフェニレンジアミン、シャンプーの防腐剤
下着やブラジャーの当たる部分 ゴム部分の加硫促進剤、黒い衣類の染料、金具のニッケル。ポリエステルなどの化学繊維では、繊維そのものより染料や加工剤、蒸れによる刺激が原因のことが多くみられます
こめかみ、鼻すじ 眼鏡のフレームの金属や樹脂、パッド
湿布やテープを貼った形どおり 粘着剤のロジン、薬剤そのもの、テープの基材
顔と首の露出部だけ、左右にほぼ対称 空気中を漂う物質によるもの、または日光と合わさって起こる光接触皮膚炎

場所からの推測はあくまで手がかりです。同じ場所に出るかぶれでも原因は一つとは限らず、確かめる方法はパッチテストになります。

日光と合わさって起こるかぶれ(光接触皮膚炎)

物質そのものでは何も起きないのに、その物質がついた皮膚に日光が当たったときだけかぶれる。これを光接触皮膚炎と呼びます。日焼け止め、香料、一部の外用薬や貼り薬、植物の成分などで起こります。

代表的なのがケトプロフェンを含む貼り薬です。貼っていた場所が、はがしたあと日光に当たって強く赤くなり、水ぶくれになることがあります。貼っていた期間だけでなく、はがしたあとも数週間は同じ場所に日光が当たらないようにする必要があります。

顔や首、手の甲、腕の外側といった日光の当たる場所だけに、左右ほぼ対称に症状が出るのが特徴です。衣服におおわれた部分や、あごの下、耳のうしろなど日陰になる部分は症状が軽いことが手がかりになります。

なお当院では紫外線を用いた光線治療(紫外線療法)は行っていません。光接触皮膚炎の治療は、原因物質と日光を避けることと、外用薬による治療が中心になります。

金属によるかぶれ(ニッケル・コバルト・クロム・金)

金属アレルギーは、かぶれの原因としてもっとも多いものの一つです。汗に溶け出した金属イオンが皮膚に入ることで起こるため、汗をかく季節や、汗をかく部位で症状が強くなります。なかでもニッケルアレルギーがもっとも多く、コバルトアレルギー、クロムアレルギーがこれに続きます。

硫酸ニッケルは、パッチテストで陽性になる方がもっとも多い物質です。アクセサリーだけでなく、眼鏡のフレーム、ベルトのバックル、ジーンズの金属ボタン、ビューラー、硬貨、歯科金属など、身のまわりのあらゆる金属に含まれます。真鍮は銅と亜鉛の合金ですが、ニッケルを含む製品があります。18金でも少量のニッケルを含むことがあります。

金チオ硫酸ナトリウムは、パッチテストで金に対するアレルギーを調べるための試薬です。金はアレルギーを起こしにくい金属と考えられてきましたが、ピアスをきっかけに反応が成立することが知られています。金が何に含まれるかというと、ネックレス、イヤリング、ピアス、指輪、ブレスレット、時計、金縁の眼鏡といった装身具のほか、金歯、金箔、金糸、電子部品などです。

重クロム酸カリウムは、クロムに対するアレルギーを調べる試薬です。クロムメッキ製品のほか、革のなめしに使われるため、革靴、ベルト、革手袋、革のソファでかぶれることがあります。セメントにも含まれ、建設や左官の仕事で手のかぶれを起こします。

塩化コバルトは、メッキ製品、セメント、粘土、陶磁器、青色や緑色の顔料、絵の具、クレヨン、白髪染め、歯科金属、ビタミンB12製剤などに含まれます。ニッケルとコバルトは一緒に陽性になることがよくあります。

塩化第二水銀で問題になるのは、歯科用アマルガムです。アマルガムは水銀を主成分とする合金で、1990年ごろまで歯科治療に広く使われていました。少しずつ溶け出すことで全身性の金属アレルギーの原因になることがあります。

物質名 主に含まれるもの
硫酸ニッケル ピアス、ネックレス、指輪、ブレスレット、腕時計、眼鏡のフレーム、ベルトのバックル、ジーンズの金属ボタン、ビューラー、硬貨、ステンレス製品、歯科金属、真鍮、陶磁器、磁石、塗料、エナメル
金チオ硫酸ナトリウム 金製のピアス、イヤリング、ネックレス、指輪、ブレスレット、時計、金縁の眼鏡、金歯、金箔、金糸、金貨、電子部品、伝統工芸品
塩化コバルト メッキ製品、セメント、セメントブロック、粘土、陶磁器、エナメル、青色や緑色の顔料、絵の具、クレヨン、印刷インキ、白髪染め、革製品、接着剤、歯科金属、骨接合金属、刺青、ビタミンB12製剤
重クロム酸カリウム クロムメッキ製品、革製品(なめし)、革靴、ベルト、革手袋、色の濃い染料で染めた衣類、セメント、塗料
塩化第二水銀 歯科用アマルガム、朱肉、一部の防腐剤や殺虫剤、染料、乾電池、蛍光灯

金属は汗に溶けて皮膚に入ります。汗をかいたらこまめにふく、汗をかく場面ではアクセサリーを外す、といった工夫がそのまま予防になります。歯科金属が疑われる場合は、担当の歯科医とご相談のうえで対応を決めます。

食べ物から起こる金属アレルギー(全身性金属アレルギー)

金属アレルギーは、触れた場所だけに出るとは限りません。食べ物に含まれる金属が体内に吸収されて、触れていない場所にも皮膚炎を起こすことがあります。これを全身性金属アレルギーと呼びます。

手のひらや足の裏に小さな水ぶくれがくり返し出る異汗性湿疹(汗疱)や掌蹠膿疱症、体幹や手足にコインのような円形の湿疹が出る貨幣状湿疹、かたいしこりのような発疹がくり返す多形慢性痒疹は、金属との関連が指摘されています。

原因がはっきりしない全身の湿疹が長引くとき、パッチテストで金属の反応を調べたうえで、陽性だった金属を多く含む食品を一定期間控えていただくことがあります。ただし、食事の制限は栄養にも影響するため、自己判断ではなく診察のうえで期間を決めて行います。

金属 多く含む食品
ニッケル 豆類、ナッツ類、チョコレート、ココア、そば、オートミール、海苔、緑黄色野菜、缶詰、牡蠣
コバルト レバー、貝類、チョコレート、ココア、豆類、ナッツ類、香辛料、ビール、キャベツ、全粒粉
クロム 海藻、魚介類、チョコレート、ナッツ類

パッチテストで陽性が出た金属についてのみ、食事の内容を見直します。陽性でない金属まで避ける必要はありません。

ゴム製品によるかぶれ(加硫促進剤)

ゴムかぶれと聞くとラテックスアレルギーを思い浮かべる方が多いのですが、実際には別のしくみのほうが多くみられます。ゴムを固くするときに使う加硫促進剤や、ゴムの劣化を防ぐ老化防止剤という添加物によるアレルギー性接触皮膚炎です。

加硫促進剤によるゴムかぶれは、触れてから半日から2日後に出る遅延型です。これに対してラテックスアレルギーは、天然ゴムに含まれるタンパク質に対する反応で、触れて数分から数十分で赤みやみみず腫れが出る即時型です。まれに全身の症状につながることがあるため、両者は分けて考える必要があります。

ゴム手袋によるかぶれは、手の甲に強く出て前腕まで広がるのが特徴です。仕事の日に悪化し、休みの日に軽くなるという経過があれば、まずこれを疑います。手荒れが先にあると、そこから加硫促進剤が入りやすくなり、難治性の手湿疹になります。

物質名 主に含まれるもの
チウラムミックス ゴム手袋、ゴム長靴、ゴーグル、下着のゴム、化粧用パフ、ビューラーのゴム、ヘッドホン、耳栓、駆血帯、コンドーム、コルセットや膝装具のゴムベルト、殺菌消毒剤、農薬、接着剤
カルバミックス ゴム手袋、ゴーグル、イヤホン、タイヤ、化粧用パフ
メルカプトミックス(メルカプトベンゾチアゾール) ゴム靴、スニーカー、長靴、革靴の接着裏地や敷革、ゴム手袋、軍手、ブラジャー、ガードル、靴下、タイヤ、ゴム風船、接着剤、切削油、不凍剤
黒色ゴムミックス 黒いゴム製品全般。ビューラー、黒いゴム長靴、タイヤ、エスカレーターの手すり、自転車のグリップ
p-tert-ブチルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂 革や合成ゴムの接着剤。靴、ハンドバッグ、時計のベルト、テーピングテープ、ウエットスーツ、整形外科の装具、ベニヤ板、印刷用インク

p-tert-ブチルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂によるかぶれでは、治ったあとにその部分の色が抜けて白くなることがあります。

加硫促進剤を含まない手袋を選ぶ

ゴム手袋でかぶれる方には、加硫促進剤を含まない手袋、あるいは塩化ビニル(PVC)製の手袋への切り替えをご提案しています。パッチテストでどの促進剤に反応したかがわかると、選びかたがはっきりします。

綿の薄い手袋を内側にはめてから作業用の手袋をつける、手袋を長時間つけたままにしない、はずしたあとに保湿する、という3点も効果があります。手袋の中は汗と熱がこもり、それ自体が皮膚をいためるためです。

商品名 販売会社
硫黄フリー・ニトリル手袋 大日貿易
ガメックス パウダーフリーAFマイクロ ジェイエムエス
センシタッチ・プロ・センソプレン 東レ・メディカル
ダーマ・シールド アンセル・ヘルスケア・ジャパン
テクラップF4 ホギメディカル
ネオプレン手袋 アズワン
バイオジェル ネオダーム メンリッケヘルスケア
ベルテ キマックス セブンセンス ミドリ安全

製品の仕様は変更されることがあります。購入の前に、加硫促進剤を使用していない製品かどうかを商品情報でご確認ください。

化粧品・日用品の防腐剤と香料によるかぶれ

化粧品でかぶれたとき、原因になりやすいのは色や油分ではなく、防腐剤と香料です。どちらもごく少量しか入っていませんが、アレルギー性接触皮膚炎はごく少量で起こるため、それで十分に症状が出ます。

パラベンミックスは防腐剤です。パッチテストではメチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン、ベンジルパラベンの5種類をまとめて調べます。化粧品だけでなく、外用薬や点眼薬にも配合されています。

イソチアゾリノンミックスは、メチルイソチアゾリノンやメチルクロロイソチアゾリノンといった防腐剤です。シャンプー、コンディショナー、ボディソープ、ウェットティッシュ、冷感タオル、糊、塗料など、含まれる製品が非常に幅広く、ご本人が気づきにくいアレルゲンです。化粧品には成分表示がありますが、雑貨には表示がないこともあります。

香料ミックスは、香りのもとになる代表的な8種類の物質をまとめた試薬です。香水やデオドラント、化粧品だけでなく、線香やお香の煙で、上まぶた、耳のうしろ、あごの下といった場所に湿疹が出ることがあります。空気中を漂う物質によるかぶれです。

ラノリンアルコールは羊毛からとれる油分で、ラノリンとも呼ばれます。保湿の目的で化粧品にも外用薬にも使われます。ラノリンアレルギーがある方では、クリームやリップクリームを塗った部分に赤みや水ぶくれが出たり、唇が乾いて切れたりします。

ロジンは松からとれる樹脂で、主成分はアビエチン酸などのロジン酸です。粘着性があるため湿布の粘着剤やマスカラ、除毛ワックスに使われるほか、紙や光沢紙のインク、歯磨き粉、チューインガムのガムベースにも使われます。ロジンアレルギーの方が気にされるのは、ロジンが体に悪いのか、毒性があるのかという点ですが、ロジンはチューインガムのガムベースなど食品にも使われており、食べることそのものが問題になるわけではありません。問題になるのは、皮膚に長く触れ続ける場面です。体操やハンドボールで使うすべり止めのロジンバッグ、湿布、マスカラなどが代表です。

化粧品の成分表示にロジン酸やラノリンアルコールという名前を見かけて調べる方が多い成分でもあります。どちらもコスメでは一般的に使われている成分で、含まれていること自体が問題ではなく、その成分にアレルギーがあるかどうかが問題になります。

化粧水やローション、マッサージオイルでかぶれる場合も、原因になっているのは多くが防腐剤か香料です。ローションかぶれ、オイルかぶれという形で相談を受けたときも、まず成分表示を確認します。

物質名 主に含まれるもの
パラベンミックス 化粧水、乳液、クリーム、洗顔料、ファンデーション、外用薬、点眼薬、食品添加物
イソチアゾリノンミックス シャンプー、コンディショナー、ボディソープ、化粧品、美容パック、ウェットティッシュ、接触冷感をうたうタオルや寝具、糊、塗料、印刷用洗浄液
香料ミックス 香水、デオドラント製品、化粧品、アロマオイル、線香、お香、たばこ
ペルーバルサム 香料や防腐の目的で。美容液、ヘアトニック、外用薬、坐薬、湿布、絆創膏、歯科用材料。食品ではシナモン、クローブ、チョコレート、コーラ類、ワイン
ラノリンアルコール クリーム、乳液、口紅、リップクリーム、マスカラ、ファンデーション、ヘアトリートメント、外用薬、ワックス、家具のつや出し
ロジン(ロジン酸) 湿布や貼り薬の粘着剤、マスカラ、アイシャドウ、口紅、除毛ワックス、新聞紙や光沢紙のインク、歯磨き粉、チューインガムのガムベース、すべり止め用のロジンバッグ、バイオリンの弓、はんだ、塗料
ホルムアルデヒド 新品の衣類のしわ加工、革靴、家具の接着剤や加工材、建材、塗料、洗浄剤、輸入化粧品の防腐剤
チメロサール 防腐剤として一部の医薬品や化粧品、顔料に。海外製の化粧品で問題になることがあります。エチル水銀を含む化合物で、魚介類に蓄積するメチル水銀とは別の物質です

香料ミックスに含まれる8種類は、α-アミルシンナムアルデヒド、シンナムアルデヒド(ケイ皮アルデヒド)、オイゲノール、イソオイゲノール、ゲラニオール、ヒドロキシシトロネラール、サンダルウッドオイル、オークモスです。シナモン、クローブ、バラ、スズラン、白檀、木の香りにあたります。

白髪染め・ヘアカラーによるかぶれ(パラフェニレンジアミン)

白髪染めによるかぶれのほとんどは、パラフェニレンジアミンによるものです。ジアミンアレルギーと呼ばれることもあります。永久染毛剤である酸化染毛剤の主成分で、日本で広く使われています。

症状は、染めた頭皮だけでなく、生え際、耳のうしろ、まぶた、顔全体に出ます。理容師や美容師では手の湿疹として出ます。染めた直後ではなく、翌日や翌々日に強くなるのが典型的です。

パラフェニレンジアミンは、まれに時間をおかずに強い反応を起こすことがあります。染毛後に息苦しさ、のどの締めつけ、顔全体の急な腫れが出た場合は、様子をみずに救急受診してください。

一度アレルギーが成立すると、パラトルエンジアミンやパラアミノフェノールといった同じジアミン系の染毛剤でも症状が出ます。ジアミン系を使わない染めかたに切り替える必要があります。

染めかた 特徴
非酸化染毛剤(オハグロ式) ピロガロール系でジアミン系を含みません。自然な黒褐色に染まりますが、酸化染毛剤より染まりかたは穏やかです
ヘナ 植物由来の色素です。ただしパラフェニレンジアミンを加えた製品が流通しているため、成分表示の確認が必要です
ヘアカラートリートメント(半永久染毛料) くり返し使ううちに少しずつ染まります。ジアミン系を含まない製品を選びます

パラフェニレンジアミンは、黒いゴム製品、黒い革製品、黒い衣類の染料、コピーのインク、カラー写真の現像液にも使われます。ベンゾカイン、プロカイン、ハイドロキノンと交差して反応することが知られています。

塗り薬・貼り薬そのものによるかぶれ

治すために塗った薬でかぶれる。これは珍しいことではなく、なかなか治らない湿疹の裏に隠れていることがあります。よくならないどころか少しずつ広がっている、というときはこの可能性を考えます。

フラジオマイシン硫酸塩は、抗菌薬として多くの外用薬に配合されています。目の周りや耳、鼻に使うと、まぶたが腫れる、顔全体が赤くなるといった形で出ます。バラマイシン軟膏やネオメドロールEE軟膏を目のまわりに使ったあとに腫れが強くなった、というご相談は少なくありません。フラジオマイシンに反応する方は、ゲンタマイシン、トブラマイシン、カナマイシンでも症状が出ることがあります。

カインミックスは、局所麻酔成分をまとめて調べる試薬です。ベンゾカイン(アミノ安息香酸エチル)、ジブカイン塩酸塩、テトラカイン塩酸塩が含まれます。市販のかゆみ止め、痔の薬、口内炎の薬、湿布、点眼薬などに配合されており、かゆみを止めるつもりで塗った薬がかぶれの原因になっていることがあります。

貼り薬でかぶれたときに原因になりうるのは、薬の成分、粘着剤のロジン、そして基材のいずれかです。同じ形にくり返し赤くなるようであれば、貼る場所を変えるだけでは解決しません。

ラノリンアルコールを含む保湿剤や軟膏は、かぶれた皮膚に塗ると悪化させることがあります。湿布やテープでかぶれたあとに手元にある保湿剤を塗ってみる、という対処は、成分によっては逆効果になります。自己判断で塗り続けず、一度ご相談ください。

物質名 含まれる主な薬
フラジオマイシン硫酸塩 リンデロンVG軟膏、ベトネベートN軟膏、フルコートF軟膏、ネオメドロールEE軟膏、強力レスタミンコーチゾンコーワ、クロマイ-P軟膏、バラマイシン軟膏、ソフラチュール貼付剤、プロクトセディル軟膏、ヘモレックス軟膏
カインミックス 市販のかゆみ止め、痔の薬、口内炎の薬、湿布や外用鎮痛薬、点眼薬、歯科の表面麻酔薬
ラノリンアルコール ヒルドイドクリーム、ヒルドイドローション、アズノール軟膏、エキザルベ、メサデルム軟膏、トプシム軟膏、ネオメドロールEE軟膏
ロジン(貼り薬の粘着剤) モーラステープ、ロキソニンテープ、エストラーナテープ、ツロブテロールテープ、フェンタニルテープ、イソソルビドテープ、スピール膏、市販の湿布
パラベンミックス 各種の外用薬、点眼薬。パラベンを含まない外用薬に変更することで改善することがあります

薬を飲んだあとに全身に発疹が出る場合は、かぶれではなく薬疹の可能性があります。原因の薬を絞り込む方法として、DLST(薬剤リンパ球刺激試験)という血液検査があります。

仕事で触れるものによるかぶれ(樹脂・接着剤・セメント)

職業性の接触皮膚炎は、休みの日に軽くなり、仕事に戻ると悪化するという経過が手がかりになります。手や前腕に出ることが多く、原因物質が空気中を漂う場合は顔にも出ます。

エポキシ樹脂は、職業性の接触皮膚炎の代表的な原因です。接着剤、塗料、床材、電子部品の封止材、スポーツ用品の複合材などに使われます。硬化する前の状態でアレルギーを起こしやすく、手指や顔面だけでなく、重症化すると体幹まで広がることがあります。

セメントに含まれるクロムは、建設や左官の仕事で手のかぶれを起こします。ホルムアルデヒドは、樹脂、建材、塗料、金属加工油に含まれます。

職場で使う製品については、安全データシート(SDS)に含まれる成分が記載されています。受診の際にお持ちいただくと、原因を絞り込みやすくなります。

物質名 主に触れる場面
エポキシ樹脂 接着剤、塗料、建築物の床材、舗装、半導体の封止材、絶縁粉体塗料、船舶や橋梁の重防食塗料、ゴルフクラブやラケットの複合材
p-tert-ブチルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂 皮革製品製造、自動車工業、合板製造、印刷用インク、プラスチック製の付け爪の接着
ホルムアルデヒド 樹脂、建材、塗料、防腐剤、金属加工油、衣料品のしわ加工
重クロム酸カリウム(クロム) セメント、コンクリート、メッキ、革のなめし、塗料
2-プロパノール(イソプロパノール) 消毒用アルコール、ウェットティッシュ、洗浄剤。多くは刺激性のかぶれです

職業性の接触皮膚炎では、手袋や作業着で物質を避けられるかどうかが治療の分かれ目になります。仕事を続けながら治すには、何に反応しているかを特定することが近道です。

植物によるかぶれ(ウルシオール・ギンナン・サクラソウ)

ウルシオールは、ウルシに含まれる成分で、強い感作力を持ちます。ウルシ、ヤマウルシ、ツタウルシ、ハゼノキに触れると、その部分に赤みと小さな水ぶくれが出ます。漆塗りの箸を使ったことで、利き手の親指と人さし指のあいだにかぶれが出ることがあります。

ウルシの成分は大気中に漂って、木のそばを通っただけで顔や首に湿疹を起こすことがあります。塗られた漆のアレルゲンは半年ほど残るといわれています。

ウルシオールに近い成分は、マンゴーの皮や果肉、カシューナッツの殻の油、ギンナンの外側の果肉にも含まれます。ウルシでかぶれる方が、マンゴーを食べて口のまわりにかぶれを起こすことがあるのはこのためです。

サクラソウ(プリムラ)に含まれるプリミンも、古くから知られた植物のかぶれの原因です。松ヤニによるかぶれは、上に挙げたロジンによるものです。

すぐに受診していただきたい症状

かぶれの多くは原因から離れれば落ち着きますが、次のような症状があるときは、様子をみずに受診してください。

とくに、皮膚以外の症状をともなうときは緊急性があります。触れて数分から数十分で全身にじんま疹が出て、息苦しさやのどの締めつけをともなう場合は、ラテックスなどによる即時型の反応の可能性があります。この場合は救急受診してください。

息苦しい、のどが締めつけられる、声がかすれる、全身にじんま疹が出た
顔全体が急に腫れた、まぶたが腫れて目が開けにくい
広い範囲に水ぶくれができた、皮膚がずるむけになった
口の中、目、陰部にも症状が出ている
38度以上の発熱、強いだるさ、リンパ節の腫れをともなう
黄色い汁やかさぶたが増え、痛みや熱をともなう
原因を避けているのに、2週間たっても良くならない、あるいは広がっている
EXAMINATION

原因を調べる検査

パッチテスト(当院で行っています)

アレルギー性接触皮膚炎の原因を確かめる検査がパッチテストです。背中または腕に、アレルゲンを含んだ小さなシールを貼り、皮膚の反応を時間を追って観察します。

当院では、かぶれの原因になりやすい成分を集めたパッチテストパネル(S)と、金属を調べる金属シリーズを行っています。パッチテストパネル(S)は、ジャパニーズスタンダードアレルゲンと呼ばれる22種類を一度に調べるキットです。このページに挙げた物質の多くが含まれています。

貼ってから48時間後にシールをはがし、3日目と4日目に来院していただいて判定します。判定のためのご来院が必要になるため、日程を決めてから開始します。貼っているあいだは入浴に制限があり、汗をかくような運動もお控えいただきます。

検査でわかるのは、その物質にアレルギーがあるかどうかです。生活のなかで何を避ければよいかがはっきりするため、くり返すかぶれの予防につながります。

対象になるのは、アレルギー性接触皮膚炎、金属アレルギー、原因のはっきりしない長引く湿疹など
反応は陰性から強い陽性まで段階をつけて判定します
貼っているテープ自体でかぶれることがあります
強い陽性が出た部分は、治ったあとにかさぶたや色素沈着が残ることがあります
まれに、この検査がきっかけでその物質に新しくアレルギーが成立することがあります

血液検査でかぶれの原因はわかりますか

よくいただくご質問ですが、金属やゴムの加硫促進剤、香料といった遅延型のかぶれの原因は、血液検査ではわかりません。これらを調べる方法はパッチテストです。金属アレルギーを血液検査で調べることはできません。

血液検査で調べられるのは、触れて数分から数十分で出る即時型の反応です。アレルゲンごとの抗体を測る特異的IgE抗体検査で、ラテックスや食物などが対象になります。保険で算定できる項目数の上限は13項目です。結果は後日のご説明となり、当日その場ではお伝えできません。

「この物質にかぶれるかどうか」を測れる血液検査が存在しない項目もあります。受託されていない項目は、どの医療機関でも測ることができません。

皮膚プリックテスト(触れてすぐ出る反応を調べる)

触れて数分から数十分で赤みやみみず腫れが出る接触じんま疹が疑われるときは、皮膚プリックテストを行います。当院で実施しています。

前腕の皮膚に小さな傷をつけてアレルゲンを乗せ、15分から20分後に膨らみを測ります。ラテックス、食物、動物のふけなどが対象になります。

パッチテストが遅れて出る反応を調べる検査であるのに対し、プリックテストはすぐに出る反応を調べる検査です。疑う症状によって使い分けます。

受診のときにお持ちいただきたいもの

かぶれの診療では、何に触れたかという情報が診断の大半を決めます。次のものをお持ちいただけると、原因を絞り込みやすくなります。

症状は受診するころには軽くなっていることがあります。いちばん強かったときの写真があると、判断の助けになります。

使っている化粧品、シャンプー、外用薬の現物、または成分表示を写した写真
症状がいちばん強かったときの写真
症状が出はじめた日と、その1日から2日前に新しく使ったもの
仕事で触れるものの安全データシート(SDS)があればその写し
以前にパッチテストを受けたことがあれば、その結果票
TREATMENT

かぶれの治療と塗り薬

治療の土台は、原因から離れることです

接触性皮膚炎の治し方でもっとも大切なのは、原因になっているものに触れるのをやめることです。薬で症状をおさえても、触れ続けているかぎりくり返します。逆に、原因から離れることができれば、多くは1週間から2週間で落ち着きます。

何が原因かわからないうちは、症状が出ている場所に触れる可能性のあるものを一度整理します。新しく使いはじめたもの、いつも使っているが最近量が増えたもの、仕事で触れるもの、の順に見直します。

治りにくいかぶれでは、原因がまだ残っている、塗っている薬そのものが原因になっている、細菌感染が重なっている、のいずれかであることが多くみられます。

接触性皮膚炎の薬(ステロイド外用薬)

かぶれの治療の中心は、ステロイドの塗り薬です。炎症をすばやくおさえるため、症状が強いときほど、はじめにしっかり効かせて短期間で切り上げるという使いかたをします。

ステロイド外用薬には強さのランクがあり、体の部位によって使い分けます。皮膚が薄い顔やまぶた、陰部では吸収されやすいため弱めのランクを、皮膚が厚い手のひらや足の裏では強めのランクを選びます。顔に強いランクを長く使うことは避けます。

塗る量の目安は、大人の人差し指の先から第一関節まで出した量で、大人の手のひら2枚分の面積です。少なすぎると効きません。じゅくじゅくしているときは軟膏、かさかさしているときはクリームやローション、という選びかたをします。

かゆみが強いときは、抗ヒスタミン薬の飲み薬を補助的に使います。ただし、かぶれのかゆみは炎症そのものによるものが大きいため、飲み薬だけで治すことは難しく、塗り薬が主役になります。

2週間ほど続けても良くならない場合は、薬の強さを上げるのではなく、原因の見直しと診断のやり直しを行います。

湿布やテープでかぶれたときの対処

湿布やテープでかぶれたときは、まずはがして、その部位に貼るのをやめます。同じ場所を避けて別の場所に貼っても、原因が薬の成分や粘着剤であれば、そこにも同じことが起こります。

手元にある保湿剤を塗るという対処には注意が必要です。ヒルドイドやアズノールなど、ラノリンアルコールを含む外用薬は、ラノリンに反応している方では悪化させることがあります。何を塗ればよいかは、症状を見たうえでお決めします。

ケトプロフェンを含む貼り薬では、はがしたあとにその部位が日光に当たることで強い皮膚炎を起こすことがあります。使用中はもちろん、はがしたあとも数週間は衣類などで日光をさえぎってください。

湿布が必要な状態が続く場合は、粘着剤の種類が違う製品や、飲み薬、塗り薬への変更をご相談ください。

市販薬で様子をみてよいとき、いけないとき

範囲が狭く、原因がはっきりしていて、それを避けられている場合は、市販のステロイド外用薬で数日様子をみることができます。

一方で、市販のかゆみ止めには局所麻酔成分(ベンゾカインなどのカイン系)や、消毒成分、香料が含まれている製品があります。これらはかぶれの原因になりうるため、塗ってかえって悪化した場合は、その薬自体を疑ってください。オロナインH軟膏に含まれる消毒成分でかぶれることもあります。

顔やまぶた、陰部の症状、範囲が広い場合、じゅくじゅくしている場合、市販薬を数日塗っても良くならない場合は、市販薬を続けずに受診してください。

ステロイド外用薬の副作用について

ステロイドの塗り薬は、必要な強さで必要な期間使うぶんには問題になりにくい薬です。ただし、強いランクを同じ部位に長く使い続けると、皮膚が薄くなる、毛細血管が目立つ、にきびのような発疹が出る、毛が濃くなるといった変化が起こることがあります。顔、まぶた、陰部ではとくに注意が必要です。

自己判断で急にやめると、かえって悪化することがあります。減らしかたは診察のうえでお決めします。

細菌やウイルスの感染がある皮膚にステロイドだけを塗ると、感染が悪化することがあります。じゅくじゅくして黄色い汁が出る、痛みや熱をともなうという場合は、塗り続けずにご相談ください。

パッチテストの副作用として、貼ったテープによるかぶれ、強い陽性部の色素沈着、まれに新たな感作があります。判定が終わるまでは治療をせずに経過をみていただく必要があるため、かゆみが強い場合はお知らせください。

くり返さないための工夫

原因の物質がわかったら、その名前を覚えておくことが最大の予防になります。パッチテストの結果票は、次に化粧品や外用薬を選ぶときの手引きになります。

化粧品や医薬部外品には全成分が表示されています。ご自身が避けるべき成分名を控えておき、購入前に確認する習慣をつけてください。雑貨や輸入品には表示がないことがあるため、その場合は少量で試すか、避けるほうが確実です。

金属では、汗をかく場面でアクセサリーを外す、汗をかいたらふきとる、直接肌に触れないよう工夫する、といった対策が有効です。ゴムでは、加硫促進剤を含まない製品への切り替えと、内側に綿の手袋を重ねる方法があります。

医療機関を受診するときや歯科治療を受けるときは、何にアレルギーがあるかを必ずお伝えください。外用薬や歯科材料の選択が変わります。

COST

費用の目安

健康保険3割負担の場合の目安です。かぶれの診療と検査は保険診療で行います。

診察料と検査料の目安です。お薬代は別にかかり、処方する薬の種類と日数によって変わります。パッチテストパネル(S)の金額は、薬剤料1,574点と皮内反応検査264点をあわせた1,838点の3割にあたる金額です。判定のために3日目と4日目にご来院いただくため、そのつど再診料がかかります。金属シリーズを追加する場合の費用は、診察のときにご説明します。血液検査は保険で算定できる項目数の上限が13項目と決められており、結果は後日のご説明になります。2026年8月時点の診療報酬と薬価にもとづく目安です。

FAQ

よくある質問

かぶれの原因はどうすればわかりますか?
まず、症状が出た場所と、その1日から2日前に触れたものを手がかりにします。触れたものの形どおりに症状が出ていれば、原因はそこにあります。それでも絞り込めないとき、あるいはくり返すときに行うのがパッチテストです。背中や腕にアレルゲンを貼り、3日目と4日目に判定します。当院ではパッチテストパネル(S)と金属シリーズを行っています。なお、金属やゴム、香料といった遅延型のかぶれの原因は血液検査ではわかりません。
接触性皮膚炎の薬は何を使いますか?
中心はステロイドの塗り薬です。症状が強いときはしっかり効かせて短期間で切り上げます。強さのランクは部位で変え、顔やまぶた、陰部は弱め、手のひらや足の裏は強めを選びます。かゆみが強いときは抗ヒスタミン薬の飲み薬を補助的に使いますが、飲み薬だけで治すことは難しく塗り薬が主役です。市販のかゆみ止めには局所麻酔成分や消毒成分が入っていることがあり、それ自体がかぶれの原因になることがあります。塗って悪化した場合はその薬を疑ってください。
金チオ硫酸ナトリウムは何に含まれますか?
金チオ硫酸ナトリウムは、パッチテストで金に対するアレルギーを調べるための試薬です。金そのものは、ネックレス、イヤリング、ピアス、指輪、ブレスレット、時計、時計バンド、金縁の眼鏡といった装身具のほか、金歯、金箔、金糸、金貨、メダル、電子部品、伝統工芸品などに使われています。金はアレルギーを起こしにくい金属と考えられてきましたが、ピアスをきっかけに反応が成立することが知られています。汗をかくと悪化しやすいため、汗をかく場面では外していただくことをおすすめします。
硫酸ニッケルは何に含まれますか?
ピアス、ネックレス、指輪、ブレスレット、腕時計、眼鏡のフレーム、ベルトのバックル、ジーンズの金属ボタン、ビューラー、硬貨、ステンレス製品、歯科金属などです。真鍮の製品や18金でもニッケルを少量含むことがあります。食品では、豆類、ナッツ類、チョコレート、ココア、そば、オートミール、海苔、緑黄色野菜、缶詰に多く含まれます。触れた場所だけでなく、全身に湿疹が出る全身性金属アレルギーとして、異汗性湿疹や掌蹠膿疱症、貨幣状湿疹の形をとることがあります。
ゴムでかぶれるのはラテックスアレルギーですか?
別のものであることが多いです。ゴム製品によるかぶれの多くは、ゴムを固くするときに使う加硫促進剤(チウラムミックス、カルバミックス、メルカプトミックス)や老化防止剤(黒色ゴムミックス)によるアレルギー性接触皮膚炎で、触れてから半日から2日後に出ます。一方ラテックスアレルギーは、天然ゴムのタンパク質に対する反応で、触れて数分から数十分で赤みやみみず腫れが出る即時型です。まれに全身の症状につながるため、区別が必要です。どちらかは、パッチテストと血液検査を使い分けて調べます。
湿布やテープでかぶれました。どの塗り薬を塗ればよいですか?
まずはがして、その部位への貼付をやめてください。塗り薬については、手元にある保湿剤を自己判断で塗ることはおすすめしません。ヒルドイドやアズノールなどラノリンアルコールを含む外用薬は、ラノリンに反応している方では悪化させることがあるためです。何を塗るかは症状を見たうえでお決めします。またケトプロフェンを含む貼り薬では、はがしたあとにその部位が日光に当たると強い皮膚炎を起こすことがあるため、数週間は日光をさえぎってください。
サンダルや靴でかぶれるのはなぜですか?
靴やサンダルには、かぶれの原因になる物質が複数使われているためです。ゴム部分の加硫促進剤(チウラムミックス、メルカプトミックス)、革と合成ゴムをつなぐ接着剤のp-tert-ブチルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂、革のなめしに使われるクロムが代表的です。素足で履く時期に悪化する、特定の靴のときだけ出る、足の甲や指の付け根など靴が当たる部分の形に一致して出る、といった場合はこれらを疑います。汗も悪化の要因になります。
白髪染めでかぶれました。もう染められませんか?
パラフェニレンジアミンに反応している場合、同じジアミン系の酸化染毛剤は使えません。パラトルエンジアミンやパラアミノフェノールも同じ系統です。染めかたを変える方法として、ジアミン系を含まない非酸化染毛剤(オハグロ式)、ヘナ、ヘアカラートリートメントがあります。ただしヘナにはパラフェニレンジアミンを加えた製品もあるため、成分表示をご確認ください。染毛後に息苦しさやのどの締めつけ、顔全体の急な腫れが出た場合は、様子をみずに救急受診してください。
化粧品でかぶれました。どの成分が原因のことが多いですか?
色や油分よりも、防腐剤と香料が原因になることが多くみられます。防腐剤ではパラベンミックスとイソチアゾリノンミックス、香りでは香料ミックスとペルーバルサム、保湿成分ではラノリンアルコール、マスカラやアイシャドウではロジンが代表的です。アレルギー性接触皮膚炎はごく少量でも起こるため、配合量が少ないことは理由になりません。何年も使っていた製品に急にかぶれるようになることもあります。化粧品によるかぶれは専用のページでも解説しています。
かぶれはどれくらいで治りますか?
原因から離れることができれば、多くは1週間から2週間で落ち着きます。色素沈着が残る場合は、それが薄くなるまでに数か月かかることがあります。逆に、原因を避けているつもりでも良くならない、あるいは広がっているという場合は、原因がまだ残っている、塗っている薬そのものが原因になっている、細菌感染が重なっている、のいずれかを考えます。2週間たっても改善しないときは、薬を強くする前に診断を見直します。
かぶれは何科を受診すればよいですか?
皮膚科です。当院は皮膚科・アレルギー科・内科をあわせて診療しており、パッチテストと皮膚プリックテストを行っています。かぶれの治療と、原因を確かめる検査を一つの窓口でご相談いただけます。パッチテストは判定のために3日目と4日目のご来院が必要になるため、日程を決めてから開始します。
接触性皮膚炎とはどのような病気ですか?
皮膚に触れたものが原因で起こる皮膚炎のことで、かぶれとも呼びます。触れた場所に一致して赤み、ぶつぶつ、水ぶくれ、じゅくじゅく、強いかゆみが出ます。誰にでも起こる刺激性接触皮膚炎と、その物質にアレルギーのある人だけに起こるアレルギー性接触皮膚炎があります。前者は量が多いほど強く出て初回から起こり、後者はごく少量でも起こり、くり返し触れるうちに成立します。原因から離れることが治療の土台になります。
豊洲イーウェルクリニック
何にかぶれたのかを調べたい方へ

くり返すかぶれ、原因のわからない湿疹、金属アレルギーが心配な方はご相談ください。当院ではパッチテストと皮膚プリックテストを行っています。使っている化粧品や外用薬の成分表示、症状がいちばん強かったときの写真をお持ちいただけると、原因を絞り込みやすくなります。

豊洲駅から徒歩3分/土日も診療しています
REFERENCES
参考文献
  1. 日本皮膚科学会「接触皮膚炎診療ガイドライン」

本ページは一般的な情報提供を目的としています。ここに挙げた物質は代表的なものであり、これ以外にもかぶれの原因になるものは多数あります。原因の特定や薬の選択は、症状・部位・経過・お仕事の内容をふまえて診察のうえで決めます。製品名は成分の例として挙げたもので、製品の仕様は変更されることがあります。記載は2026年8月時点の情報です。

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