ケガ(切り傷・擦り傷)
けがをしたときの処置は、傷の深さ・大きさ・組織の損傷の度合い・汚れの有無によって異なります。
受傷の原因によっても創の性状が異なり、次のように分類されます。
❶ 切創(切りキズ)
❷ 擦過傷(すりキズ)
❸ 挫創・挫滅創(押しつぶされたキズ)
❹ 刺創(刺しキズ)
❺ 咬傷(動物・人に咬まれたキズ)
傷をきれいに治すためには初期治療がとても重要です。創傷を受けた際は、できるだけ早めに形成外科のある医療機関の受診をおすすめします。
傷のタイプと特徴
切創(切りきず)
ガラス片や刃物など鋭利なもので切れてできる傷です。
- 出血が多い場合は止血と縫合処置が必要です。
- 受診までの間はガーゼで圧迫し、患部を高く保つとよいです。
- 周囲の組織損傷は比較的軽度なため、適切な処置により早期治癒が期待できます。
擦過傷(すりキズ)
道路や壁などにこすれて皮膚が削り取られた傷です。
- 損傷は浅く、多くは縫合を必要としません。
- ただし、砂やごみが皮膚に残りやすいため、しっかりと洗浄して異物を除去することが重要です。
- 適切に処置しないと、治癒後に皮膚に黒ずみ(外来性異物沈着)が残ることがあります。
挫創・挫滅創
鈍い外力で皮膚や皮下組織がつぶされた傷です。
- 切創に比べて周囲の損傷が大きいのが特徴です。
- 損傷が強い部分は切除してから縫合することもあります。
- 汚染を伴うことが多いため、感染リスクが高いです。
→ 抗生剤の内服や十分な洗浄が必要となることがあります。
- 皮下組織まで損傷している場合(挫滅創)は、早急な受診が必要です。
