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動物咬傷(犬や猫に噛まれたら)

動物咬傷はイヌやネコなどにより咬まれたことによる非常にありふれた怪我ですが、放置してしまうと敗血症や重症感染症となることもあるため病院で治療を受けましょう。

イヌ咬傷

動物咬傷の8590%は犬によるものです。イヌ咬傷の約半数は子どもに生じ、子どもでは頭や首に起こりやすいといわれています。大人は手や腕を噛まれることが多いです。

イヌ咬傷による感染は20%未満と比較t計リスクは低いですが手を噛まれると感染リスクが高く、腱や骨髄まで感染が及ぶこともあります。

ネコ咬傷

ネコによる咬傷は、動物咬傷の5%~10%を占めます。ネコの歯は細くて鋭いため、刺し傷のようになり表面が治っても、細菌が皮下に閉じこめられるため膿をつくるなど感染リスクが高くなります(60-80%)。

22%が腱鞘炎、15%が骨髄炎または感染性関節炎を合併します。

イヌ・ネコ咬傷に伴う感染症は?

カプノサイトファーガ感染症

イヌ・ネコの口腔内に常在する感染症で1-5日の潜伏期間の後に発熱、倦怠感、腹痛、吐き気、頭痛などにつづいて重症化することがあります。糖尿病や肝硬変などの基礎疾患がある方は特に注意が必要ですが、健康な方でも発症することがあり注意が必要です。

パスツレラ症

パスツレラ・ムルトシダは猫の口腔内には100%近く、犬の口腔内には約75%、猫の爪にも約25%常在していると報告されています。

咬傷後、約30分~2日で受傷部に激痛、発赤、腫脹を起こす(糖尿病などの基礎疾患がある場合に重症化)

破傷風

破傷風は土の中に存在する破傷風菌に感染することにより、感染して3日から3週間からの症状のない期間があった後、口を開けにくい、首筋が張る、体が痛いなどの症状があらわれます。

イヌやネコは土をなめているため破傷風のリスクがあります。

狂犬病

海外、特に東南アジア等の流行国でイヌ、ネコおよび野生動物に咬まれた場合はすぐに傷口を石鹸と水でよく洗い流し、できるだけ早期に現地の医療機関を受診して下さい。

ヒト咬傷

ヒト咬傷はけんかによるものが多く、顔を殴った際に握りこぶしが当たって中指にヒト咬傷を起こすことがあり注意が必要です。通常のヒト咬傷は感染のリスクは低いと言われていますが、こぶしのヒト咬傷は腱鞘炎、関節炎、骨髄炎の合併リスクが高いことがわかっています。

動物咬傷はどのように治療しますか?

十分に創部を洗浄します

 

予防的に抗菌薬を投与

サワシリン、オーグメンチンなどのペニシリンを3-5日間使用します。

 

破傷風の予防

創部の状態や破傷風の予防接種歴を確認して対応します。

1968年以前生まれの方は破傷風の定期予防接種をされていないため特に注意が必要です。3回の予防接種歴がある方も、免疫を維持するために10年ごとの予防接種を行います。

破傷風のリスクが高い傷で、摂取歴がなしもしくは不明である場合は抗破傷風ヒト免疫グロブリンの摂取が必要なことがあります。

動物による咬傷は傷が汚染されており、傷も深い場合があるので最後の摂取から5年以上経過していれば追加接種を行う必要があります。

破傷風ワクチンの詳細

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