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爪みずむし(爪白癬)

     

爪白癬は爪に白癬菌が感染することで爪が分厚くなったり変形し混濁します。爪の下の角質が増殖することで巻き爪となるため歩行する際に痛みが生じます。爪水虫から白癬菌が広がることで足やからだの水虫へと広がることもあるため治療が必要な病気です。これまではなかなか完治が難しい病気でしたが新しい治療薬により治療が可能になりました。

爪白癬とは?

爪水虫は10.5%の方にみられる非常にありふれた真菌感染症です。増殖した白癬菌が皮膚から爪に入り込んでふえることで発症します。

爪白癬の症状は?

  • 爪の変色;爪が白くなったり黄色くなったりします
  • 爪の肥厚;爪が厚く盛り上がります
  • 爪の変形、もろくなる

《爪白癬のタイプ》

爪水虫は感染部位によって以下の通りに分類され選択される治療法が異なります。

遠位側縁爪甲下真菌症(DLSO

白癬菌が爪の先端や爪の下面から感染し、爪の根元に向かって拡大

表在性白色爪真菌症(SWO

白癬菌が爪の表面から感染したもの白チョークのような白色調がつよく表面が容易にはがれる

近位爪甲下爪真菌症(PSO

白鮮菌が爪の根元部分から感染し、爪の成長とともに先端にむかって拡大したもの

全異栄養性爪真菌症(TDO

爪全体に白癬菌が拡大、進行したもの

爪白癬はどのように診断しますか?

KOH直接検鏡

ニッパー型の爪切りで爪の下層から検体を採取し顕微鏡で白癬菌がいないかを確認します。カンジダ性爪真菌症など他の真菌感染や爪扁平苔癬、爪甲鉤弯症などの他の爪疾患と区別をするためにもKOH直接検鏡は必須の検査となります。

白癬菌抗原定性検査キット(デルマクイック爪白癬)

KOH直接検鏡が陰性であるものの爪白癬が疑われる場合に実施します。

爪白癬はどのように治療しますか?

爪白癬の治療には内服薬(飲み薬)と外用薬(塗り薬)による治療があり、爪白癬のタイプや持病(内服している薬との飲み合わせ)などを考慮して選択します。

内服による治療

表在性白色爪真菌症(SWO)以外の爪白癬の第一選択薬で完治率が高いのが特徴です。効果が最も高いネイリン(ホスラブコナゾール)を使用しますが、薬剤費が高いためラミシール(テルビナフィン)を使用することもあります。

内服による治療を行う際は、肝機能障害などの副作用が出ることがあるため定期的な血液検査を行う必要があります。

 

❶ ネイリンカプセル(ホスラブコナゾール)

1カプセル100mg1回、12週間内服をします。48週間後には59.3%の方が治癒し、94.3%の方が30%以上の混濁面積比の改善が認められ有効であったとの報告があります。

 

ラミシール(テルビナフィン)

11125mg1回、6ヶ月連日で内服します。

 

イトリゾール(イトラコナゾール)

12錠を2(400mg/)×1週間、その後3週間休薬を1サイクルとし、合計3サイクル内服します。

 

ネイリン

ラミシール

イトリゾール

一般名

ホスラブコナゾール

テルビナフィン

イトラコナゾール

投与量

11 100mg

11 125mg

パルス療法(400 mg/日,

1 週間投与後 3 週間休薬)

投与期間

12週間

6ヶ月

3クール

完全治癒率

59.4%

 

 

著効率

 

61.7%

63.0%

副作用

肝機能障害

重篤な肝障害,

汎血球減少,無顆粒球症,血小板減少

肝機能障害
消化器症状(腹痛や下痢など)

価格

814.8/
3ヶ月治療した場合の薬剤料:68,443
(3割負担:20,533)

60.3/
3ヶ月治療した場合の薬剤料: 10,130
(3割負担: 3039)

134.7/カプセル
3ヶ月治療した場合の薬剤料: 2829
(3割負担: 849)

ジェネリック

なし

あり

あり

塗り薬による治療

内服と比べて重篤な副作用がない点がメリットですが、継続して塗り続ける必要があり完治率は内服には及びません。表在性白色爪真菌症(SWO)の爪白癬の第一選択薬です。

❶ クレナフィン爪外用液10%(エフィナコナゾール)

肝機能障害等で内服が困難,あるいは内服薬を希望しない中等症以下の爪白癬患者に

  • 遠位側縁部爪甲下爪真菌症(DLSO)で混濁部面積が2050%の患者に48週塗布することで14.9%が治癒

❷ ルコナック爪外用液5%(ルリコナゾール)

  • 遠位側縁部爪甲下爪真菌症(DLSO)で混濁部面積が2050%の患者に48週塗布することで17.8%が治癒

 

クレナフィン爪外用液10%

ルコナック爪外用液5%

一般名

エフィナコナゾール

ルリコナゾール

治癒率

17.8%(52週目)

14.9%(48週目)

著効(75%以上)

 

20.1%

副作用

局所の乾燥
刺激感
かぶれ

皮膚炎
水疱

一旦変色や変形した爪は元に戻るわけではなく、薬の効果により爪の成長に伴って感染した爪が徐々に押し出されて健康な爪に置き換わっていきます。

足の爪は1か月に1.5mm程度伸びるため完全に生え変わるには1年から1年半かかります。

生活上の注意点は?

足を清潔に保ちましょう

  • 毎日指の間まで優しく丁寧に洗います。入浴後など足がじめじめしないようにこまめに足を拭いて乾燥した状態を維持します。
  • 毎日靴を履き替えて靴を乾燥させます

足水虫も一緒に治療を行いましょう

周りに移さないように感染予防をしましょう

  • バスマット、スリッパは共有せずにその都度に交換する

よくある質問

白癬菌の治し方は?

飲み薬(抗真菌薬内服)や塗り薬(外用薬)で治療します。早期治療が効果的です。

爪白癬の見分け方は?

爪が白く濁る・黄ばむ・分厚くなる・ボロボロに崩れる・変形するなどの症状があります。確定診断には顕微鏡や培養検査が必要です。

爪白癬を放置するとどうなる?

感染が広がり、爪が厚く変形して靴に当たって痛みを感じるようになります。治療が難しくなる前に受診しましょう。

爪水虫はどのくらいで治りますか?

爪の伸びにあわせて治るため、6ヶ月〜1年以上かかることもあります。根気よく治療を続けることが大切です。

爪水虫は自力で治せますか?

自然治癒は非常に難しく、市販薬や自宅療法では改善しないことが多いです。皮膚科での治療が確実です。

爪白癬はうつりますか?

家庭内でのスリッパ・床・風呂場などを介して感染するため、注意が必要です。

爪水虫にかかりやすい人は?

高齢者、足の水虫を持っている方、爪の外傷がある人、糖尿病の方、通気性の悪い靴を履く方などがリスクになります。

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