じんま疹
じんま疹は、皮膚の一部にくっきりと盛り上がりが身体のあちらこちらにできる病気です。しばらくすると跡形もなく皮疹とかゆみが消えるという特徴があります。
じんま疹の症状は?
✓ かゆみ
✓ 皮膚に発疹ができ、赤く盛り上がる
あかみや腫れは数時間から24時間以内に消えることが一般的です。
症状が続く場合、1~2週間後に自然に治まることがほとんどですが、長期間続く場合も稀にあり、4週間以上続く場合は「慢性蕁麻疹」と言われます。
じんま疹の原因は?
じんま疹といわれるとアレルギーを思い浮かべる方が多いと思いますが、じんま疹の約7割が原因がはっきりしない特発性じんま疹といわれています。原因がはっきりしているじんま疹は27%程度でありその多くが機械的な刺激や寒冷などに伴うじんま疹が占めています。 アレルギー性じんま疹は全体のわずか0.5%程度と考えられています。
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要因 |
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アレルギー性じんま疹
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通常は摂取後数分から1-2時間で出現する |
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食べ物 |
魚介類(エビ・カニ・さばなど) |
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薬剤 |
抗生物質や痛み止め、造影剤など |
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植物・昆虫 |
蜂など |
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物理性じんま疹 |
機械性じんま疹 |
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コリン性じんま疹 |
入浴や運動、ストレス、汗などの刺激によって小さなじんま疹が出現するもの |
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血管性浮腫 |
唇やまぶたが腫れる深い部分に生じるじんま疹 |
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その他 |
疲労ストレスなど |
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じんま疹は何らかの刺激によりマスト細胞が活性化されヒスタミンという物質がでて血管と神経に作用した結果、皮膚に赤みやふくらみ、かゆみを引き起こします。
サノフィホームページより抜粋
じんま疹はどのように診断しますか?
じんま疹は主に特徴的な発疹の出かたの特徴ややかゆみなどの症状から診断を行います。
食べ物や昆虫などによるじんま疹が原因である可能性がある場合は特にアレルギー検査をお勧めします。
薬剤がじんま疹の原因である可能性がある場合はDLST検査をお勧めします
じんま疹の治療は?
じんま疹では、抗ヒスタミン薬などの飲み薬による治療が行われます。アレルギーなど原因が明らかな場合は、原因アレルゲンや刺激の回避をすることが大切です。また、ストレスや暴飲暴食、不規則な生活を避けることも重要です。
抗ヒスタミン薬は眠気などの副作用の少ない非鎮静性の抗ヒスタミン薬を選択します。非鎮静性抗ヒスタミン薬の中にも効果や副作用に違いがあります。
症状が比較的落ち着いている方
▷ビラノアやデザレックスなど効果が標準で副作用が少ないタイプがおすすめです。
症状がしっかりと出る方
▷ルパフィンやアレロックなどしっかりとした効果が期待できるタイプがおすすめです。
飲み忘れが気になる方
▷1日1回タイプであるビラノア、デザレックス、
日常的に運転をされる方
▷添付文書に運転への制限記載がない抗ヒスタミン薬
抗ヒスタミン薬の効果は個人差があります。効果が不十分な方はタイプの違う種類に変更することで、より効果が出ることがあります。
| 三環系 | ピペラジリン骨格 | ピペラジン骨格 |
|---|---|---|
| ルパフィン | アレグラ | ジルテック |
| デザレックス | タリオン | ザイザル |
| クラリチン | エバステル | |
| アレロック | ビラノア | |
| アレジオン |
抗ヒスタミン薬を内服してもじんま疹が出てしまう場合の対応は?
通常の抗ヒスタミン薬で改善しない場合には症状に応じてステップアップを行います。症状改善した場合には徐々に減量、中止を検討します。
- STEP1 別の抗ヒスタミン薬へ変更、もしくは通常の2倍量の抗ヒスタミン薬を投薬
- STEP2 ロイコトリエン拮抗薬や、H2拮抗薬を追加
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ロイコトリエン拮抗薬 H2拮抗薬 キプレス(モンテルカスト) ガスター(ファモチジン)など オノン(プランルカスト)
- STEP3 ステロイド内服 ゾレア、デュピクセントなどの生物学的製剤
通常の内服治療をしていても蕁麻疹がでてしまうかたにはゾレアやデュピクセントなどの生物学的製剤を案内しています。
じんま疹がでるかたの生活上の注意点は?
蕁麻疹がでたり、悪化させたりすると考えられている要因について理解し、避けられるものは避けて、蕁麻疹が悪化しないように注意しましょう。
✓ 運動による悪化に注意する
✓ 蕁麻疹の症状が強いときの入浴は避ける
(皮疹が落ち着いているときにシャワーのみの短時間入浴)
✓ 鮮度の落ちた魚や香辛料の多い食品を避ける
✓ 過度の飲酒は避ける
✓ 暴飲暴食を避ける
✓ 非ステロイド性抗炎症薬の内服を避ける
✓ 疲れを感じたら休む
✓ ストレスを溜めないようにする
よくある質問
じんま疹は何日で治りますか?
多くの急性蕁麻疹は一時的です。発症後1週間後で75%、4週間後には85%が治癒したというデータがあります。
慢性化したじんま疹はどのくらい続きますか?
慢性蕁麻疹は、4週間以上続く場合のことをいいます。この場合は、症状が消えた後、約3ヶ月ぐらいはお薬を継続した方が最も再発が少なかったと言う研究があります。
じんま疹はストレスが原因ですか?ストレス性のじんま疹ですか?
精神的なストレスが引き金となり、全身にミミズ腫れのような赤い膨疹が突然出て、強いかゆみを伴いうタイプもあります。
じんま疹が出たらどうすればいいですか?
まずは冷やして安静に。かゆみが強い場合や広範囲に出る場合は、皮膚科で抗ヒスタミン薬などの治療が必要です。
じんま疹を放っておくとどうなりますか
一時的なら自然に消えますが、慢性化すると毎日のように症状が出る「慢性蕁麻疹」に移行することがあります。
じんま疹はどのような時に出やすい?
就寝前、疲労時、風呂上がり、ストレスが強い時などに出やすい傾向があります。
疲れでじんま疹は出ますか?
疲労や寝不足はじんま疹の悪化要因になります。
