CPAP装置の種類と特徴は?
CPAP装置とは?
「どのCPAPでも同じ」ではありません
CPAPは、機種によって機能や無呼吸や呼吸低下などのイベントに対する反応などに違いがあります。無呼吸のタイプ・重症度・体位依存や体形、生活様式(出張や旅行など)などにより、最も適していると考えられるCPAP装置を選定して処方いたします。
CPAPは「Continuous Positive Airway Pressure」の略です。睡眠中に鼻や口から空気を送り、気道に一定の陽圧をかけることで、睡眠中に気道が閉塞するのを防ぎます。現在では一定の圧を送り続ける固定CPAPだけでなく、呼吸状態を検知して必要な圧力を自動調整するオートCPAP(APAP)が広く使用されています。
同じオートCPAPでも、呼吸イベントをどのように検出し、どのタイミングで圧力を上げ下げするかという「アルゴリズム」はメーカーによって異なります。「圧が苦しい」「息を吐きにくい」「途中で目が覚める」といった場合、CPAP治療そのものが合わないのではなく、設定やマスク、機種との相性が関係していることがあります。
当院で対応が可能な取り扱い会社
装置は取り扱い会社(プロバイダ)からのレンタルとなり、会社によって扱う機種が異なります。当院では次の4社に対応しています。
大きさ・重さ・加湿・通信の違いを並べています。どの機種が適しているかは、検査結果や生活様式をふまえて診察時にご相談します。
記載のスペックは各社の資料にもとづくもので、改良により変更されることがあります。取り扱い機種は会社によって異なるため、実際にお使いいただける機種は診察時にご案内します。
機種ごとの特徴と向いている方
レスメド AirSense 11
レスメド社の据え置き型の製品です。圧をすみやかに上昇させたり、調整をすることができるため、以下のような患者さんに適しています。
加温加湿機能と加温チューブに対応し、通信機能により使用状況を診察時に確認できます。
レスメド AirMini
レスメド社の携帯型の製品です。重量は300gと小型で、持ち運びの負担が小さいことが最大の特徴です。水が不要な加湿方式のため、据え置き型とは加湿の仕組みが異なります。
ドリームステーション Auto
フィリップス社の据え置き型の製品です。治療圧の変化が比較的緩やかであることが特徴で、以下のような患者さんに適しています。
呼気時の圧を調整する機能があり、「息を吐こうとすると空気に押し返される」と感じる場合に設定の見直しで使用感が改善することがあります。
SleepStyle オート Rx
Fisher & Paykel 社の据え置き型の製品です。加温加湿器を内蔵し、加湿と快適性を重視した設計です。鼻や口の乾燥、冬場の冷たい空気、チューブ内の結露が気になる患者さんで選択肢になります。
ドリームステーション Go
フィリップス社の携帯型の製品です。850gと軽く、加湿はオプションでの対応となります。自宅でも使いながら、ときどき持ち運びたい方に向いています。
レスメド AirSense 10(スリープメイト10)
AirSense 11 の前世代にあたる機種ですが、現在も広く使用されています。長期間にわたる使用実績があることが特徴です。加温加湿器と加温チューブに対応し、マスクフィット判定、呼気圧軽減、スマートスタートなどの機能を備えています。
レスベント iBreeze 20A プラス
据え置き型でありながら比較的小型で、タッチパネルで操作します。呼気時に圧力を下げるiPR、呼吸を検出して自動で運転を始めるAutoスタート、マスクを外すと停止するAutoストップを備えています。
使用時間・AHI・マスクフィット評価を本体で確認できます。
ムラタ CPAP MX
株式会社村田製作所の小型な国産CPAP装置です。着脱式となっており、メインユニットのみでの持ち運びも可能ですので、出張や旅行などの外出時に便利です。
このほかにも国内では複数のCPAP装置が流通しています。ご希望の機種がある場合は診察時にご相談ください(取り扱い会社によって対応できる機種が異なります)。
CPAP装置は何を基準に選べばいい?
息を吐きやすいか
CPAP治療を続けられなくなる理由として、「息を吐きにくい」という訴えは少なくありません。各メーカーには呼気時に圧力を下げる機能がありますが、その制御方法や使用感は同じではありません。
機種を変えなくても、設定の変更で改善する場合があります。使いにくさを感じたら、我慢せず診察時にお伝えください。
圧力の変化が自分に合っているか
オートCPAPでは呼吸イベントに応じて圧力が変化します。ただしメーカーによって、イベントの検出や、圧力を上げ下げするタイミングのアルゴリズムが異なります。
同じ圧設定であれば、どのCPAPでも使用感が同じというわけではありません。
加湿性能
CPAPでは毎晩数時間にわたって空気が鼻や口に流れます。鼻や口の乾燥、鼻づまり、鼻出血、冬場のつらさが出ることがあり、そのような場合は加温加湿器や加温チューブが重要になります。
マスクとの相性
CPAP本体以上に重要になることがあるのがマスクです。「CPAPが合わない」と思っていても、マスクを変更するだけで大きく改善することがあります。
CPAPは装着していなければ効果を発揮できません。「最も高性能な機種はどれか」ではなく「毎晩無理なく使える機種はどれか」という視点で一緒に選びます。
希望からCPAP装置を絞り込む
あてはまるものを選ぶと、当院で対応できる機種を並べ替えます。医学的な適応(無呼吸のタイプや重症度)は診察で判断しますので、生活面のご希望を確認する目安としてお使いください。
※ 表は横にスクロールできます。あてはまる項目を選ぶと、候補が左から順に並びます。
並べ替えは生活面のご希望にもとづく目安です。実際の機種は、検査結果・医学的な適応と、取り扱い会社(プロバイダ)で用意できる機種をふまえて決めます。中枢性無呼吸が疑われる場合など、別の装置が適することもあります。
固定圧とオート(APAP)の違い
どちらになるかは、検査の結果と使い心地で決めます。
固定圧は、一晩じゅう同じ圧を送る方式です。動作が単純で、圧が変わらないぶん違和感が少ない方もいます。
オート(APAP)は、いびきや無呼吸を検知して圧を上げ下げします。必要なときだけ圧が上がるため、平均すると低い圧で済むことが多く、寝入りばなが楽になります。一方で、圧が動く感じが気になる方もいます。
当院では多くの方でオートから始め、使用状況のデータを見ながら調整します。合わないと感じたら方式そのものを変えられます。
使った記録はどう見ているのか
装置は毎晩、使った時間・無呼吸の残り具合(AHI)・空気の漏れを記録しています。多くの機種は通信機能を持っており、来院しなくてもこちらでデータを確認できます。
保険で続けるには使用状況の確認が必要です。データが届いていれば、オンライン診療での継続も可能です。通信のない機種ではSDカードや本体を持参いただきます。
| 見ている項目 | 何が分かるか |
|---|---|
| 使用時間 | 続けられているか。短い場合は原因を一緒に探します |
| AHI(1時間あたりの無呼吸・低呼吸) | 圧が足りているか |
| 空気の漏れ(リーク) | マスクが合っているか、口が開いていないか |
| 圧の推移 | 設定を上げ下げすべきか |
手入れと消耗品
加湿器の水は毎日入れ替えます。継ぎ足しはせず、残った水は捨てて洗ってください。水道水で構いません。週に1回は中性洗剤で洗い、よく乾かします。
本体の空気取り入れ口にはフィルターが入っています。ほこりで目詰まりすると風量が落ちるため、汚れたら交換します。本体は水洗いできません。乾いた布で拭いてください。
| 手入れ | 交換の目安 | |
|---|---|---|
| 加湿器の水 | 毎日入れ替える | — |
| 加湿チャンバー | 週1回 中性洗剤で洗う | 半年〜1年 |
| フィルター | ほこりを払う | 1〜3か月(汚れたら) |
| チューブ | 週1回 ぬるま湯ですすぐ | 半年〜1年 |
| 本体 | 乾いた布で拭く(水洗い不可) | — |
音は気になりますか。停電のときは
最近の機種は動作音が小さく、同室の方が気になるのは装置の音より空気の漏れる音であることがほとんどです。音が大きくなったと感じたら、マスクの劣化やフィルターの目詰まりを確認してください。
停電すると装置は止まりますが、マスクを外して寝ていただければ問題ありません。1晩使えなくても治療上の支障はありません。災害時に備えて電源が必要な方は、その旨を診察でお伝えください。
よくある質問
出張や旅行にCPAPを持っていけますか?+
使用状況は診察でどのように確認しますか?+
CPAPが合わないと感じたら、機種を変更できますか?+
装置は購入するのですか?+
加湿器は必要ですか?+
装置は自分で選べますか?+
機種は途中で変更できますか?+
加湿器は使ったほうがよいですか?+
加湿器の水は何を使いますか?+
本体は洗えますか?+
音が気になります。+
停電したらどうなりますか?+
旅行や出張に持って行けますか?+
データはどう見ているのですか?+
オンライン診療で続けられますか?+
マスクの選び方や、CPAP療法そのものについてはこちらです。
本ページは一般的な情報提供を目的としています。記載のスペックは各社資料にもとづくもので、改良により変更される場合があります。実際に使用できる機種は取り扱い会社によって異なり、診察のうえで決定します。
監修医師 石川 浩雅(豊洲イーウェルクリニック)
本ページの内容は、上記の医師が監修しています。
2006年 国立国際医療センター 初期研修、2008年 同センター 後期研修。2011年 東京医科歯科大学 医療経営政策学。第一生命保険株式会社、株式会社Linc'well/クリニックフォア、医療法人社団シンシアエージェンシーを経て、2025年11月 東京都江東区豊洲に「豊洲イーウェルクリニック」開院。内科・皮膚科・アレルギー科を中心に、小児から泌尿器科領域まで幅広く診療しています。渡航ワクチンの接種にも対応しています。日本渡航医学会、日本旅行医学会、日本内科学会、日本アレルギー学会、日本産業衛生学会 所属。
診療のご案内
内科・皮膚科・アレルギー科・泌尿器科を中心に、健康診断や予防接種、オンライン診療まで対応しています。
