汗疹(あせも)
あせもについて
急いでいる方へ — よくある4つの疑問
あせもについて、とくに多くいただくご質問に先に結論をまとめます。
あせもとはどのような状態ですか
汗は、皮膚の中にある汗腺で作られ、細い管を通って皮膚の表面に出てきます。この管が詰まると、汗が外に出られず皮膚の中にあふれます。これがあせもです。
詰まりが浅い場所で起これば透明な小さな水ぶくれに、少し深い場所で起これば周りに炎症が起きて赤くかゆいぶつぶつになります。
| 種類 | 見た目 | かゆみ |
|---|---|---|
| 水晶様汗疹 | 透明で小さな水ぶくれ。こすると簡単に破れる | ありません。数日で消えます |
| 紅色汗疹 | 赤く盛り上がった小さなぶつぶつ | あります。もっとも多いタイプです |
| 深在性汗疹 | 白っぽく平らな盛り上がり。汗が出にくくなる | ありません。まれです |
できやすい場所と条件
汗がたまりやすく、こすれる場所にできます。首、わきの下、ひじやひざの内側、背中、腰まわり、おむつの当たる場所、下着やベルトで締めつけられる場所です。
大人では、マスクの下、作業着や防具の中、寝たきりで背中が蒸れる状況、肥満によるすれ、発熱後の大量の発汗といった場面でよくみられます。
汗をかくこと自体は悪いことではありません。問題は、かいた汗をそのままにして皮膚の表面がふやけ、汗の出口が詰まることです。
かき壊すと、とびひになります
かゆいあせもをかき壊すと、皮膚の傷から細菌が入り、とびひ(伝染性膿痂疹)に進むことがあります。とくにお子さんで起こりやすく、あっという間に広がります。
じくじくする、黄色いかさぶたがつく、水ぶくれが次々にできるといった場合は、あせもの範囲を超えています。早めに受診してください。
あせも・汗疹は何日で治る? どれくらいで治りますか
汗をかかない環境にして、こすらずに清潔を保てば、白く小さいタイプ(水晶様汗疹)は2〜3日、赤くかゆいタイプ(紅色汗疹)は1〜2週間が目安です。
ただし、これは「汗をかき続ける状況から抜け出せた場合」の話です。同じ環境のままだと、治りかけてはまたできる、をくり返して何週間も続きます。
1〜2週間たっても引かない、じゅくじゅくしてきた、黄色いかさぶたができた、というときは、あせもではない別のもの(汗かぶれ、とびひ、カンジダなど)を考えます。ご相談ください。
かゆくて掻いてしまうと、そこから細菌が入ってとびひになります。とびひになると治るまでの期間はさらに延びます。かゆみは早めに止めたほうが結果的に早く治ります。
あせもの種類 — 水晶様汗疹と紅色汗疹
汗の出口が、皮膚のどの深さでつまるかによって見た目が変わります。
| 種類 | 見た目 | かゆみ | 治るまで |
|---|---|---|---|
| 水晶様汗疹 | 1〜2mmの透明〜白い水ぶくれ。こすると簡単に破れる | ほとんどない | 2〜3日 |
| 紅色汗疹 | 赤い小さなぶつぶつ。もっとも多いタイプ | 強い | 1〜2週間 |
| 深在性汗疹 | 肌色〜白っぽい平らな盛り上がり。日本ではまれ | ない | 長引く |
「あせも」として相談されるものの多くは紅色汗疹です。かゆみが強く、掻き壊しやすいのがこのタイプです。
脇・首・背中 — 場所ごとのあせも
《脇》汗がたまりやすく、腕で覆われて乾きにくい場所です。制汗剤の使いすぎでかえって刺激になることもあります。脇の赤みが長引くときは、あせもではなくカンジダや接触皮膚炎のことがあります。
《首》赤ちゃんに最も多い場所です。しわの奥に汗と汚れがたまります。ぬるま湯で洗い、しわを広げてしっかり乾かしてください。
《背中・腰》寝ているあいだに汗がたまります。寝具の素材と室温を見直します。
《おしり・そけい部》おむつやショーツで蒸れます。ここは汗疹よりかぶれのことが多い場所です。
どの場所も、対応の基本は同じです。汗をそのままにしない、こすらない、乾かす。
あせもの治し方 — まず汗を残さないこと
薬より先に、汗を残さない工夫が効きます。順番はこうです。
汗をかいたら、シャワーかぬるま湯で流します。石けんでゴシゴシ洗う必要はありません。
タオルは押さえるようにして水気を取ります。こすると悪化します。
しわの奥まで乾かします。乾ききる前に服を着ると、そこからまた蒸れます。
通気のよい綿の下着に替えます。汗を吸わない化繊は避けます。
それでもかゆいときに、はじめて薬を使います。
汗かぶれ・汗湿疹とは — あせもとの違い
「汗かぶれ」「汗湿疹」は、汗そのものが皮膚を刺激して起こるかぶれ(接触皮膚炎)です。汗の出口がつまって起こる「あせも」とは、原因が違います。
見た目も少し違います。あせもは小さなぶつぶつが点々と散らばりますが、汗かぶれは面としてぼんやり赤くなることが多く、境目がはっきりしません。
汗かぶれのほうが治りにくく、2週間以上かかることもあります。ステロイドの塗り薬がよく効くのはこちらです。
どちらか迷う見た目のことも多いので、長引くときは診察でお確かめください。
汗かぶれがどれくらいで治るかは、原因になっている汗と摩擦を減らせるかどうかで変わります。環境を整えたうえで塗り薬を使えば1〜2週間が目安ですが、同じ条件が続くとひと夏くり返すこともあります。
見分け方
あせもと間違えやすいもの
あせもにステロイドを使うと、カビが原因のものは広がります。逆に、かゆみの強いあせもに抗真菌薬を塗っても効きません。見分けが大切なのはこのためです。
「あせもだと思って市販薬を使っていたが治らない」という方の中には、別の病気が隠れていることがあります。
| 考えられるもの | あせもとの違い |
|---|---|
| カビ(皮膚カンジダ症・癜風) | わきや股など、しめった場所。ふちが少し盛り上がり、周りに小さなぶつぶつが散る。抗真菌薬が要ります |
| 接触皮膚炎(かぶれ) | 衣類、洗剤、日焼け止めなどが触れた形に一致して出る |
| 毛のうえん(毛包炎) | 毛穴に一致した、先の黄色いぶつぶつ |
| 湿疹・アトピー性皮膚炎 | くり返す。かさかさや厚みを伴う |
| じんま疹 | 盛り上がりが数時間で位置を変えながら消えたり出たりする |
当院で行う検査
多くは見た目と経過で診断できます。判断に迷う場合に行います。
治療とセルフケア
まず、汗を残さないことです
治療の土台は、汗をかいたあとの手当てです。薬より先に、ここが効きます。
あせもの薬 — 市販薬とステロイド、皮膚科で出す薬
透明で小さくかゆみのないもの(水晶様汗疹)は、薬を使わずに涼しく保つだけで数日のうちに消えます。
赤くてかゆいもの(紅色汗疹)は、炎症を伴っています。かき壊しを防ぐために、弱めのステロイド外用薬を短期間使うのが確実です。ぬり始めれば数日でかゆみが引くことがほとんどです。
とびひに進んでいる場合は、抗菌薬の外用や内服を用います。
なお、モイゼルト軟膏やコレクチム軟膏についてお尋ねをいただくことがあります。これらはアトピー性皮膚炎の塗り薬で、あせもに対して使う薬ではありません。あせもの治療にはステロイドの塗り薬を短期間使うのが基本です。
ステロイドは「怖い薬」と思われがちですが、あせもに使うのは弱いものを短期間だけです。かゆみを我慢してかき壊すほうが、皮膚には負担になります。強さと期間は医師が調整します。
ベビーパウダーについて
汗を吸わせる目的で使われますが、汗をかいたあとに厚く付けると、かえって汗の出口をふさぐことがあります。
使うのであれば、よく乾かした皮膚に薄くはたく程度にしてください。すでに赤くなっている場所には使わないでください。
よくならないとき
涼しく保ち、外用薬を使っても1週間ほどでよくならない場合は、あせも以外の病気を考えます。とくに多いのはカビと、かぶれです。
また、汗が異常に多い場合は多汗症の可能性があります。同じ場所にくり返しあせもができる方は、ご相談ください。
費用の目安
保険診療です。3割負担の方の目安を示します。
2026年8月時点の診療報酬にもとづく目安です。初診料、再診料、処方箋料。はじめて受診され、検査を行わずに塗り薬を処方した場合、窓口でのお支払いはおおむね1,050円です(初診料と処方箋料の合計を3割負担で計算)。おくすり代は調剤薬局でのお支払いとなり、別途かかります。お子さんは、お住まいの自治体の子ども医療費助成の対象となる場合があります。
よくある質問
あせもは大人にもできますか+
何日で治りますか+
市販薬を使ってよいですか+
あせもにステロイドを塗って大丈夫ですか+
あせもととびひはどう違いますか+
赤ちゃんのあせもはどうすればよいですか+
汗をかかないほうがよいですか+
ベビーパウダーは使ってよいですか+
毎年同じ場所にできます+
何科を受診すればよいですか+
あせもは涼しく保てば多くが数日で引きます。ただし、かゆいものを我慢してかき壊すと、とびひに進んだり、色素沈着が残ったりします。1週間以上よくならないときは、カビやかぶれなど別の病気のことがあります。豊洲駅から徒歩3分、土日も診療しています。
