梅毒
梅毒とは、梅毒トレポネーマと呼ばれる細菌に感染することによって引き起こされる病気です。
梅毒は多くは性行為によって感染します。近年感染者数が急激に増加傾向にあり、症状が多彩であることや症状が出たりきえたりする経過から診断が難しい病期であり積極的に感染を疑い検査を行うことが重要です。
梅毒ではどのような症状がでますか?
第1期梅毒
感染後から3日から3ヶ月程度の潜伏期間ののちに病原体が侵入した部分(口や性器)に症状が出現します。
感染した場所に痛みがないしこりが出来る
口や性器に痛みのないしこりができます(初期硬結)。その後、初期硬結が出現した部位に潰瘍が出来ます(硬性下疳)。
くびや太ももの付け根のリンパ節のはれ
首や鼠蹊部に痛みがないリンパ節が腫れます。
これらの症状は痛みがないため見逃してしまうこともあり、自然に時間とともにきえてしまうため治ってしまうと重い放置してしまうこともあります。
第2期梅毒
感染後4-10週間を経てに血液の流れに乗って全身に症状が出現します。
手のひらや足の裏も含めたピンク色の円形の発疹
からだや手脚に淡いピンク色の発疹が出現します(梅毒性バラ疹)
赤茶色の盛り上がり
手のひらや足の裏に赤茶色の盛り上がったできものが出来ます(丘疹性梅毒)
銀色のかさかさを伴うこともあります(梅毒性乾癬)
肛門周囲や性器のイボ
梅毒感染が原因で現れる扁平状のイボ(扁平コンジローマ)
のどの奥の腫れ
口の粘膜に乳白色の出来物が出来ます。
扁桃炎に出来たものを梅毒アンギーナといいます。
脱毛症状
頭皮の一部もしくは、全体的に脱毛が起こります。
これらの症状も時間とともに消えてなくなります。
第3期梅毒
しこりができる
皮膚・骨・筋肉に、また肝臓や腎臓などにも硬いしこりやゴムのような腫れものができます。(ゴム腫、結節性梅毒)
第4期梅毒
心臓、血管、神経、目などに重い障害が出ます
第3-4期梅毒を晩期梅毒と呼びます。
梅毒はどのように診断しますか?
梅毒が疑われる場合は血液検査により診断を行います。
RPRとTPHAを組み合わせることで診断します。
- RPR:梅毒の現在の活動性を示します
- TPHA:過去に、梅毒にかかったことがあるかどうかを示します
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RPR |
TPHA |
結果の解釈 |
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ー |
ー |
梅毒感染ではない |
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ー |
+ |
梅毒治癒後 |
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+ |
ー |
梅毒感染初期 |
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+ |
+ |
梅毒感染(第1期〜3期) |
梅毒はどのように治療しますか?
梅毒はペニシリンによって治療を行います。これまでは長期間飲み薬で治療が必要でしたが注射薬が発売されて治療が容易になりました。
注射による治療
ステルイズ
早期梅毒(第1期、第2期梅毒)であれば1回臀部に注射することで治療が完結します。
ステルイズの副作用
・アレルギー反応;数分から数十分で生じます。アナフィラキシーを生じる可能性もあるため30分間は院内で経過観察をお願いしています。
・ヤーリッシュ・ヘルクスハイマー反応
数時間から数日にわたり発熱やだるさ、皮膚の症状の悪化がみられることもありますが薬疹や梅毒の悪化ではなく病原体が破壊されることによる反応で1日程度で改善します。
・遅延性アレルギー反応
数日~数週間以内に皮膚反応(あかみ、かゆみ)などがみられ24時間以上続きます。
飲み薬による治療
注射が苦手な方は飲み薬で治療も可能です。
内服治療では4週間以上と長期にわたる治療が必要となります。
❶ サワシリン(アモキシシリン)
❷ ミノマイシン(ミノサイクリン塩酸塩);ペニシリンにアレルギーがあるかたに使用します
治療後はどのように効果を判定しますか?
RPR定量検査で治療開始前の値の1/2以下への低下を目安とします。
よくある質問
梅毒はキスだけで感染しますか?
感染経路 感染者の皮膚や粘膜、血液、体液に潜んでおり、避妊具を使用しない膣性行為だけでなく、オーラルセックスやアナルセックス、キスだけでも感染します。
梅毒は自然治癒しますか?
梅毒に感染しても、症状がなかったり、皮ふに症状がでても痛くないことがあります。自然には治りませんので、内服薬(抗生物質)による治療が必要です。
治療をせずにいると、神経や心臓に重大な障害を起こす可能性がありますので、早期の検査・早期の治療がとても大切です。
梅毒は完治しますか?
早期に適切に治療をすることで完治が可能です。晩期梅毒では後遺症が残ることがあるため早期の発見治療が必要です。
治った場合でも、何度でも感染しますか?
- 感染した人の血液中には抗体ができますが、再感染を予防できるわけではありません。適切な予防策(コンドームの使用、パートナーの治療等)が取られていなければ、再び梅毒に感染する可能性があります。
コンドームを使えば感染しませんか?
- 感染した部分と粘膜や皮膚が直接接触をしないように、コンドームを使用することは、感染予防には有効です。ただしキスやコンドームで覆われていない皮膚から感染する可能性があります。
