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イボ(尋常性疣贅)

 

イボの原因は?

イボには尋常性疣贅や尖圭コンジローマ、伝染性軟属腫などのウイルス性のイボと脂漏性角化症や軟性線維腫などの非ウイルス性のイボに分類されます。

 

病型

特徴

原因ウイルス

ウイルス性
のイボ

尋常性疣贅

表面がザラザラした円形の結節

HPV2a/27/57

 

特殊な
ウイルス性疣贅

ミルメシア
扁平疣贅
尖圭コンジローマ

HPV1a
HPV3/10/28/29
HPV6/11

 

伝染性軟属腫
(水いぼ)

中心にがくぼんだ小さな結節

ポルポックス
ウィルス

非ウイルス性
のイボ

脂漏性角化症

高齢者に生じる褐色の結節

 

軟性線維腫

首などにでき、軟らかい有茎性の小結節

 

HPV2a/27/57感染による典型的な尋常性疣贅は表面がざらざらした円形の結節ですが、HPV感染による特別なウイルス性イボがあります。

病型

HPVの型

特徴

ミルメシア

HPV1a

足底に蟻塚のような疣贅で痛みを伴うことが多い

扁平疣贅

HPV3/10/28/29

青壮年の顔面,手背に多発する扁平な小結節

尖圭コンジローマ

HPV6/11

外陰部の乳頭腫状,カリフラワー状の小結節

ブッチャー疣贅

HPV7

食肉処理業者の手指に生じます

尋常性疣贅はどのように診断しますか?

尋常性疣贅は見た目から診断を行います。他の疾患との区別にはダーモスコピーをもちいて小さな血管、血管拡張や出血などを確認することで診断をします。

魚の目(鶏眼)やタコ(胼胝)と区別がつきにくい場合には表面を削ることで点状出血を確認することで区別が可能です。

尋常性疣贅はどのように治療しますか?

 

❶液体窒素

イボ治療の第一選択です。綿棒やスプレーによりイボを凍結させることでイボを壊死させます。イボの周りガ白く固くなるまで5-30秒程度凍結させ、3−5回程度繰り返します。

《治療間隔》

  • 1-2週間毎に行います
  • 1ヶ月以上期間が空くと治癒率が低下する可能性があります。

《治療期間》

  • 液体窒素による治療により13週間で39%26週間で56%が治癒したとの報告があります。

《対象となるイボ》

  • /糸状疣贅
  • 足底の孤立性疣贅
  • ミルメシア

モザイク疣贅ではリング状に周囲に拡大するリスクがあります

《副作用》

  • 施術中および施術後数時間のいたみ疼痛
  • 水ぶくれ、血マメ
  • 色素沈着や色素脱失
  • あまりにも痛みが強い場合やじゅくじゅくする場合は早めに受診してください

❷サリチル酸外用療法(サリチル酸ワセリン外用、スピール膏)

  • 角質を柔らかくすること角層をはがすことでイボを改善します。
  • 13週で24%26週で40%が治癒したとの報告があります。
  • 液体窒素凍結療法と併用することでサリチル酸のみよりもより高い治療効果があります。
  • 周囲の健康な皮膚に影響が内容に患部より少し小さめに切り、絆創膏などで固定して使用します。皮膚の刺激、赤み、アレルギー反応が生じる可能性があります。

❸ヨクイニン(ハトムギ)内服

  • イネ科のハトムギの種子を乾燥させたものです、免疫調整効果を期待して内服します。通常液体窒素凍結療法と併用します。
  • 副作用は非常に少なく、胃部の不快感や下痢などがまれに生じることがあります。
お子さんへのイボ治療

小さいお子さんは液体窒素治療では強い痛みを感じ通院治療が困難となることもあるため適宜塗り薬を中心とした治療も含めてご提案させていただきます。

サリチル酸外用(サリチル酸ワセリン外用、スピール膏)

活性化ビタミンD3外用

活性化ビタミンD3軟膏とスピール膏の併用を行うこともあります。

よくある質問

尋常性疣贅は自然に治りますか?
  • 13週で16%26週で25%のかたが自然治癒するといわれています。
  • 別の研究では、2年で67%の小児が自然治癒したとされています。
尋常性疣贅はどうなったら完治ですか?

見た目から判断するのみではなく、ダーモスコピーで皮紋の正常化や血管構造の消失,点状出血点の消失が消失していることを確認して治療を終了します。いぼが消えたからといって治療を自己中断しないようにしましょう。

一旦いぼが消失したようにみえても再発してくることも多く、数カ月後に経過観察を行ったり、再発の兆候があればすぐに御受診ください。

尋常性疣贅はうつりますか?

いぼは接触感染すると考えられています。いぼをほじらないこと、いぼに触れたらすぐに手をよく洗うことが大切です。爪を噛むとウィルスの侵入口になってしまいます。ひげを剃る場所にいぼがある場合、いぼの上からひげを剃ると、カミソリにウイルスが移り、体の他の場所に広がる可能性があります。

どこかでうつったのでしょうか?

いぼは接触感染すると考えられています。潜伏期間は数ヶ月から半年程度と言われておりいつ感染したかは不明であることが多いです。他人のいぼに触れたり、タオルやバスマットなどを経由して感染する可能性があります。

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