食物アレルギー
食物アレルギーとは特定の食べてモノに含まれるアレルゲンに対して過剰に反応するアレルギー反応を生じて体にさまざまな症状を引き起こす病気です。
食物アレルギーの症状は?
食物アレルギーの症状は皮膚や、呼吸器、消化器など身体のさまざまな臓器にあらわれます。およそ90%に皮膚の症状を、30%に呼吸器症状や粘膜症状が認められます
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症状 |
頻度 |
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皮膚症状 |
かゆみ、じんましん、むくみ、発赤、湿疹 |
85.2% |
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呼吸器症状 |
くしゃみ、鼻水、鼻づまり、咳、息苦しさ、ヒューヒュー |
36.4% |
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粘膜症状 |
目の充血や腫れ、涙、かゆみなど、口の中や唇、舌の違和感、腫れ |
30.5% |
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消化器症状 |
下痢、腹痛、吐き気・嘔吐 |
30.8% |
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神経症状 |
頭痛、元気がなくなる、意識もうろうになる |
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循環器症状 |
血圧低下、頻脈 |
10.9% |
食物アレルギーの原因は?
食物アレルギーの原因となる物質であるアレルゲンは、主に食べ物に含まれるタンパク質で、乳幼児期には小麦や大豆、鶏卵、牛乳などが、学童期以降では甲殻類や果物、そば、魚類、ピーナッツなどのように、年齢に伴って食物アレルギーの原因が変わっていくという特徴があります。
子どもの頃の食物アレルギーは、多くが耐性を獲得し食べられるようになりますが、大人の食物アレルギーは耐性獲得しにくく、原因食品の継続的な除去が必要なことが多いと考えられています。
新規発症の食物アレルギー原因物質
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0歳 |
1-2歳 |
3-6歳 |
7-17歳 |
18歳以上 |
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1 |
鶏卵 |
鶏卵 |
木の実類 |
甲殻類 |
小麦 |
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2 |
牛乳 |
木の実類 |
魚卵 |
木の実類 |
甲殻類 |
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3 |
小麦 |
魚卵 |
落花生 |
果実類 |
果実類 |
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4 |
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落花生 |
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魚卵 |
魚類 |
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5 |
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牛乳 |
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小麦 |
大豆 |
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6 |
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木の実類 |
食物アレルギーにはどのようなパターンがありますか?
❶ 即時型アレルギー
原因となる食物を食べて2時間以内(多くは30分以内)に皮膚や呼吸器などに症状を生じます。
❷ 食物依存性運動誘発アナフィラキシー(FDEIA)
原因となる食べ物を食べた後に運動をすることによってアナフィラキシーが生じる病気です。
運動以外にもストレスや月経前、飲酒などもきっかけとなります。
❸ 口腔アレルギー症候群
特定の果物や野菜などを食べると口の周りが赤くなったり、口の中の腫れ・のどの痛みや違和感などが生じる病気です。花粉-食物アレルギー症候群(PFAS)として発症することが多いと考えられています。
❹ 食物アレルギーと関連する乳児アトピー性皮膚炎
生後3ヶ月までに顔から始まるアトピー性皮膚炎の症状が出現する場合には食物アレルギーを合併することがあります。ステロイドを塗ってもよくならない、もしくは悪化している場合には食物アレルギーを疑います。
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新生児・乳児消化管アレルギー |
食物アレルギーと関連する乳児アトピー性皮膚炎 |
即時型アレルギー |
運動依存性運動誘発アナフィラキシー |
口腔アレルギー症候群 |
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発症年齢 |
新生児期 |
乳児期 |
乳児期〜成人期 |
学童期〜成人期 |
乳児期〜成人期 |
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食べ物 |
牛乳 |
鶏卵 |
《乳児期〜幼児》 |
小麦 |
果物、野菜など |
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耐性獲得 |
多くは寛解 |
多くは寛解 |
鶏卵、牛乳 |
寛解しにくい |
寛解しにくい |
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アナフィラキシーの可能性 |
(±) |
(±) |
( |
( |
(±) |
食物アレルギーはどのように診断しますか?
問診により特定の食物を摂取することに症状が出現し、アレルギー検査(特異的IgE抗体検査や皮膚プリックテスト)で陽性である場合に食物アレルギーと診断します。
☑︎ 問診とアレルギー検査で疑われる食品がわからない場合には食物経口負荷試験で診断を確定します。
☑︎ アレルギー検査が陽性であるものの、該当の食品を摂取したことが内場合にも食物経口負荷試験で診断を確定します。
乳児アトピー性皮膚炎に食物アレルギーが関連していると考えられる場合は、1-2週間疑われる食物を完全に除去します。(食物除去試験)。湿疹症状が改善した場合は必要に応じて食物経口負荷試験を実施します。
《問診》
食事を食べた後に何らかの症状が出たときに、食物アレルギーを疑います。特に、初めて食べたときに症状が出ることが多く、その後、同じ食品を食べるとくり返し症状が出ます。
原因を特定するには問診が重要であり医師が食べた食品の内容を詳細に伺います。
湿疹を伴う場合は適切なスキンケアやステロイドなどの外用薬を使用します。症状や改善しない場合や特定の食べ物を食べたあとに湿疹が悪化する場合は食物アレルギーとの関連を疑います。
《アレルギー検査》
問診から疑われる食品に対するIgE抗体を調べる検査です。
血液検査だけで調べることができるため簡便ですが、IgE抗体は症状がなくても検出されることがあります。症状がない場合は、アレルギーがあるとは必ずしもいえませんので注意が必要です。
《皮膚プリックテスト》
皮膚プリックテストを行います。皮膚にアレルゲン液を滴下し、細い針でほんの少し傷をつけ皮膚の中にアレルゲンをごく少量入れ、15分後に皮膚反応をみる検査です。じんましんのような皮疹が出現するかどうかを確認し、出現した場合はそのサイズを調べて評価します。
《食物経口負荷試験》
アレルギーが確定している、もしくは疑われる食品を単回または複数回にわけて摂取し、症状が出るかを確認する検査です。
❶ 食物アレルギーの診断
❷ どの程度摂取が可能か、どの程度の症状が出現するかを確認する
❸ 卵、牛乳、小麦などは年齢とともに改善することが知られているため再評価のために実施します。
食物経口負荷試験は時に重篤な症状が出現する可能性があるため、検査が必要と考えられる場合は体制の整った病院をご紹介いたします。
食物アレルギーの管理
食物アレルギーの治療の原則は『正しい治療に基づいて』『必要最低限の原因食物を除去』することです。
STEP01 正しい診断
☑︎ 正しく診断された原因食物だけを除去する
☑︎ 『血液検査が陽性』『念のため」で除去をしないこと
STEP02 必要最小限の除去
☑︎ 原因食物で会っても『食べられる範囲』でたべる
☑︎ 症状が現れない範囲の量や加熱や調理により食べられるものは医師の指示に従って食べることができる
STEP03 安全の確保
☑︎ アレルゲンの誤食や混入を防ぐ
☑︎ アレルゲン食品表示に注意を配る
☑︎ 外食・中食の食品表示ルールを理解する
STEP04 必要な栄養摂取
☑︎ 栄養状態が悪化しないようにたくさんの種類の食品を取り入れる
- 卵除去 → たんぱく質の代替(肉・魚)
- 牛乳除去→アレルギー用ミルク カルシウムの代替(小魚・大豆)
- 卵除去 →たんぱく質の代替(肉・魚)
万が一誤食によって症状が出た場合には抗ヒスタミン薬の内服を行います。
アナフィラキシーの可能性がある場合はエピペンの処方を行います。
誤食による症状出現に備えて処方をするお薬
主な対症薬
抗ヒスタミン薬、ステロイド薬、気管支拡張吸入薬、アドレナリン自己注射薬(エピペン®)。
中等症以上の既往がある場合
症状やリスクに応じて、ステロイド薬や気管支拡張薬の併用を検討します。
エピペン®携帯を推奨する例
- 微量のアレルゲンで即時型症状を起こした既往がある
- 即時型症状を反復している
- アナフィラキシーを起こしやすい食品(牛乳・小麦・鶏卵・ピーナッツ・魚介類・ナッツ・そば など)が原因
- コントロール不良の気管支喘息を合併している
- 医療機関から遠方に居住、または宿泊を伴う旅行などで受診まで時間を要する可能性がある
