かぶれ
かぶれ(接触皮膚炎)とは
この記事の要点
かぶれ(接触皮膚炎)とは何ですか
接触皮膚炎(かぶれ)とは、何らかの刺激物や抗原が皮膚に触れることで起こる湿疹のことです。
いちばんの特徴は「形」です。触れたものの形をなぞって赤くなります。湿布なら四角く、ベルトならバックルの当たる位置に、メガネならこめかみと鼻に。ふつうの湿疹は境目がぼんやりしていますが、かぶれは境目がはっきりしています。
からだの部位ごとに、触れやすいものは決まっています。湿疹の分布から原因を推測できるのはこのためです。
刺激性とアレルギー性 — 出るまでの時間が違います
かぶれには2種類あります。見分けの手がかりは、触れてから症状が出るまでの時間です。
| 一次刺激性接触皮膚炎 | アレルギー性接触皮膚炎 | |
|---|---|---|
| 誰に起こるか | 誰にでも起こりえます | その成分に感作された人だけ |
| 出るまでの時間 | 触れて数時間後 | 触れて24時間以上たってから |
| 症状 | 一時的な赤み、ヒリヒリ感 | 強いかゆみ、赤み、ブツブツ、水ぶくれ |
| くり返すと | 慣れることがあります | 回を重ねるほど強くなります |
| その後 | 原因を減らせば使えることがあります | 以後ずっと使えません |
見分けが難しいことも多く、迷ったら中止して受診してください。
かぶれの原因の内訳
原因としては化粧品・薬用化粧品が最多で54%を占め、医薬品が25%と続きます。
化粧品・薬用化粧品のなかでは、化粧品が38%と最多で、染毛剤が12.7%、シャンプーが11.4%と続きます。
原因から探す
化粧品・医薬部外品によるかぶれ
シャンプー・リンス、石けん・洗顔料、育毛剤、染毛料、ヘアカラー、パーマネント用剤、化粧水、乳液、クリーム、美容液、口紅・リップクリーム、日焼け止め、ファンデーション、香水、ネイル関連。
製品ごとに、疑う成分と代わりに使える成分を一覧にしています。
医薬品・医療機器によるかぶれ
点眼薬、にきび治療薬、ステロイド薬、抗真菌薬、抗菌薬、湿布、消毒薬、医療用手袋、歯科用金属、歯科用樹脂。
治すために使った薬でかぶれることがあります。「効かない」と思って続けると悪くなります。
家庭用品によるかぶれ
靴、下着、革製品、アイラッシュカーラー、指輪・ネックレス・バックル、家庭用手袋、名札、抗菌デスクマット、紙ナプキン、眼鏡、ヘルメット。
身につけるものは、形が原因を教えてくれます。
原因となる物質から調べる
パッチテストで調べられる代表的な物質です。硫酸ニッケル、ラノリンアルコール、フラジオマイシン硫酸塩、重クロム酸カリウム、カインミックス、香料ミックス、ロジン、パラベンミックス、ペルーバルサム、金チオ硫酸ナトリウム、塩化コバルト、pt-BPFR樹脂、エポキシ樹脂、カルバミックス、黒色ゴムミックス、イソチアゾリノンミックス、メルカプトミックス、パラフェニレンジアミン、ホルムアルデヒド、チメロサール、チウラムミックス、ウルシオール、塩化第二水銀。
それぞれ、どんなものに含まれているかを一覧にしています。
かぶれの原因はどのように調べますか — パッチテスト
アレルギー性接触皮膚炎の原因を確定するにはパッチテストを用います。背中や腕に試薬を貼り、48時間後と72時間後に判定します。貼付を含めて計3回のご来院が必要です。
市販の試薬のほか、お使いの製品そのものを貼って調べることもできます。疑わしいものをお持ちください。
こんなときは早めに受診してください
かぶれの治し方
接触性皮膚炎の治し方は3本立てです
①原因を取り除く ②ステロイド外用薬 ③かゆみ止めの飲み薬、の3つで治します。
いちばん大切なのは①です。原因に触れ続けたままでは、薬を塗っても治りません。原因がわからないときは、パッチテストで特定します。
接触皮膚炎のステロイド外用薬の使い方
炎症を抑えるためにステロイドの塗り薬を使います。強さは部位と症状の程度で決めます。顔やまぶたは皮膚が薄いため弱いものを短期間、手のひらや足の裏はしっかりしたものを使います。
塗る量は、チューブから人差し指の先から第一関節まで出した量(フィンガーチップユニット)で手のひら2枚分が目安です。うすく伸ばすと効きません。
良くなったところで急にやめず、回数を減らしながら終わらせます。急にやめると戻りやすくなります。
ステロイドを塗っているのに治らない、かえって広がるというときは、ステロイド自体や基剤にかぶれている可能性があります。系統の違うものに替えることで対応できます。
かぶれで浸出液が出てジュクジュクするとき
掻き壊したり、炎症が強かったりすると、透明な汁(浸出液)がにじんでジュクジュクします。
この段階では、ステロイド外用薬に亜鉛華軟膏を重ね塗りします。亜鉛華軟膏は浸出液を吸って皮膚の表面を保護し、乾かす働きがあります。ガーゼで覆うこともあります。
黄色いかさぶたがつく、においがする、腫れて痛むというときは細菌感染を考えます。この場合は抗菌薬が必要になりますので、早めに受診してください。
かゆみ止めの飲み薬と、掻かない工夫
抗ヒスタミン薬(飲み薬)は、かゆみを抑える補助として使います。これだけで治すものではありません。
冷やすとかゆみは軽くなります。掻き壊してしまう方は、爪を短く切り、夜だけ手袋を使うといった工夫も有効です。
原因がわかったあと
アレルギー性のかぶれは、免疫の記憶が生涯残ります。原因とわかった成分は、以後ずっと避けていただくことになります。
製品はいつのまにかリニューアルされます。今まで平気だったものが突然かぶれるようになることがあるので、買うたびに成分表示を確かめてください。
費用の目安
健康保険3割負担の場合の目安です。診察の内容や検査の項目によって変わります。
よくある質問
かぶれと湿疹はどう違いますか。+
接触性皮膚炎にステロイドを使ってよいですか。+
かぶれて浸出液が出ています。どうすればよいですか。+
湿布でかぶれました。+
かぶれの原因でいちばん多いものは何ですか。+
原因はどうやって調べますか。+
一度かぶれたものは、時間をおけば使えますか。+
市販薬で様子をみてもよいですか。+
原因を取り除かないと、薬だけでは治りません。パッチテストで成分まで特定できれば、避けるものと使えるものがはっきりします。疑わしい製品をお持ちください。豊洲駅から徒歩3分、土日も診療しています。
本ページは一般的な情報提供を目的としています。診断と治療方針は診察のうえで判断します。症状が強いときや長引くときは、記載にかかわらず受診してください。
監修医師 石川 浩雅(豊洲イーウェルクリニック)
本ページの内容は、上記の医師が監修しています。
2006年 国立国際医療センター 初期研修、2008年 同センター 後期研修。2011年 東京医科歯科大学 医療経営政策学。第一生命保険株式会社、株式会社Linc'well/クリニックフォア、医療法人社団シンシアエージェンシーを経て、2025年11月 東京都江東区豊洲に「豊洲イーウェルクリニック」開院。内科・皮膚科・アレルギー科を中心に、小児から泌尿器科領域まで幅広く診療しています。渡航ワクチンの接種にも対応しています。日本渡航医学会、日本旅行医学会、日本内科学会、日本アレルギー学会、日本産業衛生学会 所属。
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