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過敏性腸症候群

過敏性腸症候群とは?

お腹の痛みや不快感が数か月以上続き、それに関連して便通の異常(下痢・便秘・両方)が起こる病気です。一般的な検査で異常が見つからない機能性消化管疾患に分類され、成人の約1割にみられます。

過敏性腸症候群の症状は?

主に腹痛や腹部不快感(ゴロゴロ、膨満感、不快感など)などのおなかの症状と、便通異常(下痢、便秘、下痢と便秘の混在)が組み合わせて長い期間続きます。

おなかの症状

☑︎ お腹の痛み

☑︎ 膨満感(おなかが張る)

☑︎ おなかがゴロゴロなる

☑︎ おなかの不快感

便通の異常

☑︎ 便通異常がある(下痢・便秘)

☑︎ 排便により症状は改善する

過敏性腸症候群のタイプ

タイプ

具体的な症状

ブリストル

便秘型IBS

腹痛や腹部不快感が繰り返し起こり、慢性的な便秘を起こす
30歳代以下の若い女性に多く発症

1-2

下痢型IBS

急激な腹痛でトイレに駆け込むと水のような激しい下痢
排便後は症状が改善する
男性に多い

6-7

混合型IBS

便秘と下痢を繰り返す

1-26-7

分類不能型IBS

上記以外のタイプ

 

過敏性腸症候群の原因は?

ストレス

過敏性腸症候群患者では脳が不安やストレスを感じると、その信号が伝わりやすく、腸が過剰に反応し、痛みを敏感に感じ取りやすい(知覚過敏)、脳に伝わった苦痛や不安感が増加することがわかっています。

 

細菌感染、腸の粘膜の炎症

特定の感染性腸炎のあとに過敏性腸症候群を発症したり、過敏性腸症候群患者では腸内細菌が異常増殖していることがわかっています。

過敏性腸症候群はどのように診断しますか?

ローマIV基準を用いた診断が基本です。

「直近3か月で週1日以上の反復する腹痛」があり、以下のうち2項目以上に当てはまる:①排便に関連 ②排便回数の変化 ③便形状の変化(症状は少なくとも6か月前に開始)

❶ 便潜血検査

❷ 血液検査

  • 貧血、電解質(カルシウムやリン)、血糖値、甲状腺ホルモン、炎症反応などを測定します

❸ 画像検査(腹部レントゲン検査・腹部超音波検査)

  • 直腸内に便がたまっていないか、異常なガスはないかなどを確認します

❹ 便培養検査

  • サルモネラやカンピロバクターなどにより感染が疑われる場合に実施します。

❺ 大腸内視鏡検査(大腸カメラ)

  • 大腸癌やクローン病などの炎症性腸疾患が疑われる場合には御紹介をさせていただきます。

過敏性腸症候群はどのように治療しますか?

ポリカルボフィルカルシウム、プロバイオティクス、酸化マグネシウムなど腸管の内容物を調整する薬物やトリメブチンや臭化ブチルスコポラミンのような腸管の機能を調節する薬物がを使用します。

第一選択薬

  • ポリフル(ポリカルボフィルカルシウム)

腸内で水分を吸収しゲル化することで便の容積が増します。

下痢型lBSでは大腸通過時間が長くなり、便の回数が減少し便のかたさや腹痛の程度も改善します。便秘型IBSでは大腸通過時間の短かくなり,便の回数が増加し便のかたさや腹痛の程度も改善します。

  • マレイン酸トリメブチン

腸の蠕動運動を調整することにより便秘型、下痢型、腹痛いずれにも効果があると言われています。

  • プロバイオティクス

乳酸菌、ビフィズス菌、酪酸菌などを含む整腸剤です。腸内細菌のバランスを改善することで下痢、腹痛、便秘などを緩和します。

症状に合わせた治療薬

下痢症状へのお薬
  • イリボー(ラモセトロン)

腸管蠕動運動の活発化や腸管水分輸送異常の改善を促し、下痢を抑制し、便形状や便意切迫感を改善させます。朝の通勤通学途中で便意が切迫することが多いので、男性では朝15μg、女性では2.5μgから投与を開始します。

  • ロペミン

下痢型IBSの方にたいして、旅行やイベント時の際の頓用として使用

便秘症状へのお薬
  • リンゼス(リナクロチド)
  • アミティーザ(ルビプロストン)
  • グーフィス(エロビキシパット)

生活上の注意点は?

過敏性腸症候群は症状の緩和が目標であり、薬物治療で症状が改善しても再発する可能性があるため生活習慣の改善が重要です。

 

症状が出やすい食品(脂質、カフェイン、香辛料、乳製品)の摂取を控えましょう

短鎖炭水化物FODMAP(Fermentable[発酵性],Oligosaccharides [オリゴ糖]、Disaccharides [二糖類]、monosaccharides [単糖類]and polyois [糖アルコール])を避けることが症状を抑えることが報告されています。

FODMAPは小腸で吸収されずに大腸内で水分を引き込んだり、発酵しガスを発生することで腹痛や下痢、おなかのはりの原因となります。

《FODMAPを含む食品》

オリゴ糖

タマネギ、ニンニク、アスパラガス、豆類

二糖類

牛乳、ヨーグルト、水飴、海藻類、キノコ類

単糖類

果物、はちみつ

糖アルコール

リンゴ、アプリコット、モモ、ナシ、スイカ、人工甘味料

 

水分をしっかりとる

適度な有酸素運動を行いましょう

よくある質問

IBSは一生治りませんか?

体質・ストレスの影響で再燃と寛解を繰り返す病気ですが、食事・生活調整+適切な薬で多くの方が日常生活を取り戻せます。

どんな検査を受けますか?

症状の経過とローマIV基準で診断します。アラームサインがある・検診の年齢に達している場合などは大腸内視鏡を検討します。

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