皮脂欠乏性湿疹(乾燥肌・ドライスキン)
皮脂欠乏症とは皮膚表面の皮脂が減少し、水分を角質に保持する保湿能が減少することで乾燥する病気です。保湿能が低下すると皮膚バリア機能が低下し感染やアレルギーを引き起こしやすくなります。また。かゆみにより掻破することで更に皮膚バリアの低下を招きます。
皮脂欠乏症の原因は?
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年齢 |
高齢者では皮脂腺や汗腺などの機能が低下します |
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季節 |
冬は乾燥や暖房により乾燥を引き起こします |
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生活習慣 |
体の洗いすぎや過度な冷暖房の使用 |
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疾患 |
アトピー性皮膚炎や尋常性乾癬など |
皮脂欠乏性湿疹の症状
乾燥症状は皮脂の分泌の少ないひざ下(すね)や太もも、腰周り、わき腹などによく生じます。背中やむね、上腕部などへと症状が広がることもあります。

《皮脂欠乏性湿疹の経過》
STEP 1 皮膚の乾燥、粉ふき、軽い皮膚のかゆみ
STEP 2 皮膚がひび割れが出現し、かゆみが強くなります。
STEP 3 皮脂欠乏性湿疹となると赤みや強い赤みを認めるようになります。
皮脂欠乏性湿疹の治療方法と治療薬
皮脂欠乏症に対しては適切な保湿と生活改善を行います。
保湿剤
❶適切な種類の保湿剤を選びます
白色ワセリンとくらべてヒルドイドソフト軟膏とパスタロンソフト軟膏は保湿効果が高いことがわかっています。
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エモリエント |
モイスチャライザー |
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皮膚の表面を覆うことで水分が蒸発することを防ぎます |
皮膚に浸透して水分を引き寄せることによって保湿します |
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ワセリン |
ヘパリン類似物質 |
ヒルドイド |
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❷ 1日2回以上、十分な量を塗布します
1日1回と比べて2回塗布するほうが保湿効果が高いことがわかっています。
1日1回塗布する量を増やすより1日2回適切な量を塗布するほうが保湿効果が高いことがわかっています。
❸ 入浴後1時間以内を目安に塗布する
入浴1分後塗布と入浴1時間後に保湿剤を塗っても保湿効果に差がないことが報告されています。
❹保湿剤は1週間以上連続して塗布します
使用8日目では保湿効果が定常化するため、最低1週間は忘れずに使用をします。
❺適切な剤型を選んで塗布します
保湿剤の剤形には軟膏、クリーム、ローション、フォームなどさまざまな種類があります。季節や時間帯、塗る場所に応じて使用しやすい剤型を選びます。
皮脂欠乏症のスキンケア
❶保湿剤を塗布
❷清潔の保持
- 熱いお湯や長風呂は避けましょう。
- 目の粗いタオルやナイロンタオル、スポンジなどを使ってゴシゴシ洗わないようにしましょう
- 綿などの刺激になりにくいタオルや素手でやさしく洗いましょう。
- 石けんは十分に泡立てて使いましょう。
❸UVケア
紫外線を反射しやすい白色や淡い色の衣類や、サンスクリーン(日焼け止め)を使用しましょう。サンスクリーン使用後はきちんと洗い流し、保湿することが大切です。
よくある質問
ワセリンと尿素クリーム、ヒルドイドどれば効果が高いですか?
ワセリンは皮膚の表面を覆うことで水分の蒸発を防ぐエモリエント、尿素ととヒルドイドは皮膚に浸透して水分を引き寄せることによって保湿するモイスチャライザーです。
入浴後に塗布することで白色ワセリンは角層中の水分量は変化しませんでしたが、尿素、ヒルドイドソフト軟膏は角層中の水分量が増加し、保湿力が高いことがわかっています。
日皮会誌 121(7): 1421, 2011より引用
プロペトの成分である白色ワセリンはステロイド剤などの基剤として使用されるなど添加物がなく不純物も少ないため、刺激やアレルギーのリスクが少ないためヒルドイドで刺激がある方には良い適応です。
ステロイドと保湿剤どちらを先に塗れば良いですか?
- ステロイドを塗る範囲が広くなりすぎないように、原則としては保湿剤から先に塗り、後からステロイド外用剤を湿疹がある部分だけに塗ります。
- ステロイドと保湿剤の塗る順序によって、皮膚への吸収や湿疹の程度、かゆみに対する効果に差がないと報告されています。
- ステロイドと保湿剤の塗る順序によって、全身への副作用や皮膚の厚さに対する副作用は差がないと報告されています。
ヒルドイドソフト軟膏とヒルドイドローションどちらの保湿効果が高いですか?
ヒルドイドローションもソフト軟膏も効果に大差がないことが分かっています。
