粉瘤
粉瘤とは体のどこにでもでき、 ドーム状に盛り上がった数mm 〜数cm大の良性の腫場です。 皮下に皮膚と一部つながったは袋状の構造物(嚢腫)ができ、皮膚表面から出る角質物質がたまることによってしこりとなります。
粉瘤はどのような病気ですか?
色は赤みはなく、中央には黒い開口部がみられます、痛み、かゆみなどの症状はありません。通常、毛の生える部分にみられるが時に手のひらや足裏に出来ることもあります。
角質物資が徐々に貯まると粉瘤も徐々に増大する傾向があり、細菌感染すると赤く腫れて強い痛みを生じることがあります。
皮脂が徐々にたまることで少しずつ大きくなることはありますが、圧力や摩擦などによって袋の一部が破れて内容物が漏れ出すと炎症が起こり赤みや痛みを伴います(炎症性粉瘤)。細菌の感染が合わさると更に赤みが悪化し、強い痛みが生じます。
粉瘤はどのように診断しますか?
粉瘤は問診と診察により特徴的な症状を確認することで診断します。
粉瘤と他の皮膚腫瘍の区別がつきづらい場合は超音波検査により確認をすることもあります。
粉瘤はどのように治療しますか?
軽度の炎症性粉瘤ではステロイド注射により炎症を抑えることも可能ですが、強い痛みや腫れを伴いぶよぶよとした膿が貯留している場合では抗菌薬や注射のみでは治療が困難であり、メスで切開をして内容物を押し出す手術を行います。
粉瘤を完治させるためには皮下にできた袋ごと除去する必要があります。
《通常の治療法》
表面の皮膚を紡錘形に切開して、嚢腫のみを摘出します。
《くり抜き法》
直径4mmほどの円筒状のメスを刺し込み、表面の皮膚とともに袋状構造物の一部をくり抜きます。くり抜いた後、内容物をもみだしながら袋そのものもできるだけ取り除きます。
生活上の注意点は?
❶ 触っていると細菌などに感染することがありますので、触らないにしましょう。
❷ 経過観察とした場合、赤く腫れたり痛みが出た場合は切開排膿が必要となることがあるため受診をしてください。
よくある質問
粉瘤はほっといても治りますか?
自然に消えることはほとんどなく、放置すると炎症や破裂を起こすことがあります。皮膚科での相談をおすすめします。
粉瘤を押すと何が出ますか?
中から白〜黄褐色の臭いのあるドロッとした皮脂のような内容物が出ます。これが粉瘤特有の「臭いの元」です。
粉瘤は皮膚がんになる可能性ありますか?
ごくまれに粉瘤が長期間炎症を繰り返すと皮膚がん(有棘細胞がんなど)に移行する可能性があると報告されていますが、非常に稀です。
粉瘤を取らなかったらどうなる?
しこりが徐々に大きくなったり、感染して腫れたり破裂したりするリスクがあります。繰り返すようなら切除が勧められます。
粉瘤を押し出したらどうなる?
一時的に中身は出ても、袋(嚢腫)が残っているため再発します。また、無理に押すと感染・炎症を引き起こすことがあります。
粉瘤はどこにできやすい?
顔、耳の裏、背中、首、わき、陰部など皮脂腺が多く、摩擦の起きやすい部位にできやすいです。
粉瘤の初期症状は?
小さなしこり、皮膚の下に触れるコロコロとした硬さが特徴です。痛みや赤みはないことが多いです。
粉瘤は触ると痛いですか?
通常は無痛ですが、感染や炎症を起こすと赤く腫れて強い痛みを伴います。
粉瘤かどうか確かめる方法は?
皮膚科で視診・触診や必要に応じて超音波検査を行います。
