オーストラリア・ニュージーランド
対象の国と、考え方
対象となる国・地域
オーストラリア、ニュージーランド などが対象です。
何を打つかは行き先の国よりも「どこに、どれだけ、どう滞在するか」で決まります。都市部への短期滞在か、地方部での長期滞在かで、検討すべきものが変わります。
国ごとの事情をまとめたページもあります。
注意すべき感染症
ワクチンのないものは、生水や氷を避ける、加熱されたものを選ぶ、動物に近づかない、虫よけを使うといった行動で備えます。
ワクチンで防げるものと、行動で防ぐものがあります。
| 感染経路 | リスクのある感染症 |
|---|---|
| 経口感染 | 旅行者下痢症 |
| 蚊に媒介 | デング熱(オーストラリア北部) ロスリバー熱 マレーバレー脳炎 日本脳炎(オーストラリア北部) |
| 蚊以外の昆虫に媒介 | ー |
| 動物から感染 | ー |
| 傷口から感染 | 破傷風 |
| 血液・体液から感染 | HIV感染症 |
| 患者から感染 | インフルエンザ |
| その他 | ー |
入国時の要件は変わります
黄熱の流行国を経由して入国する場合、黄熱の予防接種証明書(イエローカード)を求められることがあります。乗り継ぎ地も対象になることがあるため、経由地を含めてご確認ください。
黄熱ワクチンは検疫所と指定医療機関のみで接種でき、当院では接種できません。
渡航前に厚生労働省検疫所(FORTH)や渡航先の在日大使館で最新の情報をご確認ください。
オーストラリア・ニュージーランドで検討するワクチン
推奨度つき一覧
同じワクチンでも国産と輸入で回数と価格が変わります。出発までの日数が短い場合は、回数の少ない輸入を選ぶことがあります。価格は税込・1回あたりです。
トラベル外来で地域を選んだときと同じ基準です。◎は強く推奨、○は推奨、△は状況により検討します。実際に必要かどうかは、滞在の仕方と接種歴をうかがったうえで診察で判断します。
選び方のポイント
A型肝炎は、輸入(Havrix 1440)なら1回の接種で渡航でき、国産(エイムゲン)は渡航前2回が必要です。出発まで2〜3週間しかない場合は輸入を選びます。
B型肝炎もあわせて必要なら、A型とB型を1本でまかなえるTwinrixがあります。打つ本数を減らせます。
狂犬病は渡航前3回で最低3週間かかります。地方部での活動や1か月以上の滞在では、早めにご相談ください。
麻疹・風疹は、2回接種の記録がない方に強くおすすめします。中国・台湾・韓国では麻疹の流行が報告されることがあります。
接種スケジュール
来院ごとの流れ
推奨度が◎と○のものをすべて受ける場合の例です。複数のワクチンは同じ日にまとめて接種できます。
出発までに全部は終わらないという場合でも、打てるものから優先順位をつけてご提案します。
出発までの日数から逆算します
接種後に発熱や倦怠感が出ることがあるため、できれば出発の2〜3日前までに終えることをおすすめします。
日程が厳しい場合の目安です。
| 出発までの期間 | 接種の目安 |
|---|---|
| 3か月以上 | 必要なものを標準の間隔で、余裕をもって接種できます |
| 1〜2か月 | 狂犬病の3回接種やA型肝炎の2回接種まで組めます |
| 3〜4週間 | 狂犬病の3回接種がぎりぎり間に合います。A型肝炎は輸入なら1回で渡航できます |
| 1週間以内 | 1回で終えられるもの(A型肝炎の輸入、腸チフス、Tdap、麻疹・風疹)を同じ日にまとめます |
予防薬 — ワクチンでは防げないもの
どちらも自由診療(保険適用外)です。副作用や飲み合わせの確認が必要なため、必ず診察のうえで処方します。詳しくはマラリア予防薬・高山病のページをご覧ください。
マラリアと高山病には、ワクチンではなく飲み薬で備えます。どちらも渡航先と時期によって必要性が変わります。
| マラリア予防薬 | 高山病予防薬 | |
|---|---|---|
| 薬 | マラロン(アトバコン・プログアニル配合錠) | ダイアモックス(アセタゾラミド250mg) |
| 東アジアでの対象 | 中国南部のマラリア発生地域へ立ち入る方 | チベット・雲南省など標高の高い地域へ行かれる方 |
| 飲み方 | 渡航の1〜2日前から、滞在中、帰国後7日まで毎日 | 到着の前日から到着3日後まで4日間、半錠(125mg)を1日2回 |
| 価格(税込) | 1日分 1,100円 | 10錠 4,400円 |
英文の診断書・接種証明書
留学、就労ビザの申請、海外赴任の手続きでは、これまでに受けたワクチンを英文で証明する書類を求められることがあります。当院では英文の証明書を発行しています(11,000円・税込)。
母子健康手帳や他院での接種記録もまとめて1通に記載できます。受診の際は、母子健康手帳、他院での接種記録、提出先から指定された様式、パスポート(氏名のつづりを合わせるため)をお持ちください。
記載内容の確認が必要なため、その日のうちのお渡しにならない場合があります。提出期限には余裕をもってご相談ください。
持病があり常用薬をお持ちの方は、薬剤の英文証明もご相談いただけます。
価格一覧
東アジア渡航で検討するワクチンと予防薬、英文証明書の価格です。すべて税込・自由診療(保険適用外)です。
ワクチンの価格は1回あたりです。総額は接種回数に応じて変わります(例:狂犬病ChiroRabは渡航前3回で44,400円、4回目まで含めると59,200円)。渡航ワクチンの接種と英文証明書の発行は自由診療(保険適用外)です。接種の可否は医師の診察のうえで判断します。副作用として、接種部位の痛み・腫れ・赤み、発熱、倦怠感などが起こることがあります。国産ワクチンで健康被害が生じた場合は予防接種健康被害救済制度、輸入ワクチンの場合はワクチン輸入会社による補償制度の対象となります。
よくある質問
東アジアなら、ワクチンは要らないのではないですか+
何回通えばよいですか+
複数のワクチンを同じ日に打てますか+
出発まで1週間しかありません+
国産と輸入はどちらがよいですか+
中国へ行くのにマラリア予防薬は必要ですか+
チベットへ行きます。高山病の薬はもらえますか+
英文の証明書は当日もらえますか+
接種記録が見つかりません+
子どもも接種できますか+
オーストラリア・ニュージーランドへの渡航では、回数が必要なワクチンほど日程の余裕が結果を左右します。狂犬病は3回で3週間、B型肝炎は標準で6か月かかります。日数が足りない場合でも、1回で終えられるものから優先順位をつけてご提案します。豊洲駅から徒歩3分、土日も診療しています。
本ページは一般的な情報提供を目的としています。入国時の要件は変わることがあるため、渡航前に必ず最新の情報をご確認ください。接種の可否は診察のうえで判断します。
監修医師 石川 浩雅(豊洲イーウェルクリニック)
本ページの内容は、上記の医師が監修しています。
2006年 国立国際医療センター 初期研修、2008年 同センター 後期研修。2011年 東京医科歯科大学 医療経営政策学。第一生命保険株式会社、株式会社Linc'well/クリニックフォア、医療法人社団シンシアエージェンシーを経て、2025年11月 東京都江東区豊洲に「豊洲イーウェルクリニック」開院。内科・皮膚科・アレルギー科を中心に、小児から泌尿器科領域まで幅広く診療しています。渡航ワクチンの接種にも対応しています。日本渡航医学会、日本旅行医学会、日本内科学会、日本アレルギー学会、日本産業衛生学会 所属。
