淋病
淋病の症状
性器だけの病気ではありません
淋病は淋菌による性感染症です。主に性器に症状が出ますが、のど・直腸・目・関節などさまざまな部位に症状が出ることがあります。
とくに咽頭(のど)の感染は、ほとんどが無症状です。のどの症状から調べたい方はのどの腫れや発赤のページもご覧ください。症状がなくてもパートナーに感染させる可能性があるため、注意が必要です。
男性の症状
男性では淋菌による尿道炎の症状が特徴です。
| 病型 | 症状 |
|---|---|
| 主な自覚症状 | 尿道から黄色い膿が出る/排尿時の強い痛み |
| 尿道炎 | 2〜7日の潜伏期間ののちに、排尿時の痛みと黄色い膿が出ます。頻尿や尿を我慢できない感じはありません |
| 精巣上体炎 | 急激な発熱や悪寒があり、血尿や排尿時の痛みも強くなります。歩けないほどの強い痛みを伴うこともあり、片側の陰嚢が腫れるのが特徴です。精巣まで炎症が及ぶと男性不妊の原因になります |
女性の症状
女性では子宮頸管炎が中心です。
| 病型 | 症状 |
|---|---|
| 主な自覚症状 | おりものの増加、においが変わる/生理以外の出血(不正出血)/性交渉中の痛み |
| 子宮頸管炎 | おりものが増える、排尿時の痛み、不正出血などが出ます |
| 骨盤内炎症性疾患 | 子宮頸管炎の10〜20%程度が進展します。下腹部の痛み、発熱を生じることもあります。卵管の炎症が見逃されると、後遺症として子宮外妊娠や不妊症の原因になります。初発の方の15〜20%、3回以上の感染では50〜80%で卵管閉塞となるといわれています |
性器以外の症状
のどの感染は無症状のことがほとんどです。心当たりがあるときは、症状がなくても検査をおすすめします。
| 部位 | 症状 |
|---|---|
| 咽頭炎(淋菌性咽頭炎) | ほとんどは無症状です。のどの腫れ・痛みが出ることもあります。主にオーラルセックスで感染し、キスで感染することはまれといわれています |
| 直腸炎(直腸淋菌感染症) | 自覚症状に乏しく、ヒリヒリした痛みや排便時の出血がみられることもあります |
| 肝周囲炎 | 右上腹部の腹痛、発熱が起こります |
| 淋菌性結膜炎 | 感染後12〜48時間で発症し、膿のような目やにが出ます。結膜の充血や目の腫れも見られます |
| 淋菌性関節炎 | 急性の関節の痛み、発熱が起こります |
クラミジア性尿道炎との違い
クラミジアと比べると、排尿時の痛みが強く、尿道から黄色い膿のような分泌物が出ることが増えます。
| 淋菌性尿道炎 | 非淋菌性尿道炎(クラミジアなど) | |
|---|---|---|
| 潜伏期間 | 約2〜7日 | 約7〜21日 |
| 排尿痛 | 強い | 無症状〜軽い |
| 分泌物の色 | 膿性(黄色っぽい) | 白色〜透明 |
| 分泌物の量 | 中等量〜多量 | 少量〜中等量 |
| 無症状の割合 | 10% | 42%(クラミジア尿道炎) |
検査
検体は部位によって変わります
感染が疑われる部位に応じて、尿・膣分泌液・うがい液などで検査します。
| 症状 | 検体 |
|---|---|
| 尿道炎 | 尿 |
| 精巣上体炎 | 尿 |
| 子宮頸管炎 | 膣ぬぐい液または尿 |
| 淋菌性咽頭炎 | うがい液または咽頭ぬぐい液 |
| 直腸淋菌感染症 | 肛門ぬぐい液 |
| 淋菌性結膜炎 | 目の抗原検査 |
当院で行う検査
感染が疑われる部位によって検体が変わります。結果は3日後で、オンライン診療で結果説明と処方ができます。
| 検査 | 何を見るか | いつ行うか | 窓口負担の目安(3割) |
|---|---|---|---|
| 淋菌核酸検出 | 尿・膣ぬぐい液・うがい液・肛門ぬぐい液から菌の遺伝子を検出 | 受診時 | 約1,040円
(348点)
|
| 淋菌・クラミジア同時核酸検出 | 尿道炎の症状があるときは、クラミジアもあわせて調べます | 尿道炎の症状があるとき | 約1,240円
(412点)
|
| 尿検査 | 尿道炎の有無と程度 | 受診時 | 約80円
(26点)
|
| 治癒確認の再検査 | 菌が残っていないかの確認 | 治療から3〜4週間後 | 約1,040円
(348点)
|
横にスクロールできます。金額は保険診療・3割負担の方の目安です。
保険は使えますか
性感染症の検査は、症状があれば保険診療で受けられます。症状がなく検査だけを希望される場合、検査は自費になりますが、陽性が出れば治療と治癒確認は保険診療で行えます。症状があっても保険を使いたくない場合は、検査・治療・治癒確認をすべて自費で行うこともできます。医療費通知書に検査の内容までは記載されません。
ご家族や職場に知られたくないという理由で、症状があっても自費での診断・治療を選ばれる方もいます。どちらがよいか、診察のときにご相談ください。
診察料の目安(3割負担):初診 約870円(291点)/再診 約230円(76点)/処方箋料 約180円(60点)
治療と治癒確認
点滴または注射での治療になります
淋菌は薬が効きにくくなってきており、飲み薬では治療できません。
| 薬 | 投与方法 | 特徴 | 主な副作用 |
|---|---|---|---|
| ロセフィン (セフトリアキソン) |
15分かけて点滴 | 淋菌治療の第一選択薬。淋菌性咽頭炎にも使えます | 注射部位の痛み、発疹、下痢。ペニシリン系・セフェム系にアレルギーのある方は使えません |
| トロビシン (スペクチノマイシン) |
臀部に筋肉注射 | 短時間で治療できます。淋菌性咽頭炎には効果が不十分です | 注射部位の痛み・しこり、発疹、めまい。妊婦には使用できません |
症状によって投与量が変わります
部位と重症度によって、必要な投与量と期間が変わります。
| 対象 | 治療 |
|---|---|
| 尿道炎・子宮頸管炎 | ロセフィン(セフトリアキソン)1回の投与で治療が完了します |
| 淋菌性咽頭炎 | スペクチノマイシンはのどへの移行が不十分なため、セフトリアキソンを使用します |
| 骨盤内炎症性疾患・急性精巣上体炎 | ロセフィン2gを1〜7日間投与します。トロビシンの場合は、重症度により3日後に両臀部へ2gずつ計4gを追加投与します |
治療で大切な3つのこと
淋病は再感染しやすい病気です。パートナーと同時に治療することが再発予防の要になります。
治療後の効果判定
適切な抗菌薬で治療を行うと、1週間程度で症状は改善します。
1週間経っても症状がよくならない場合は、耐性菌やほかの性感染症の合併が疑われます。再度受診してください。
3〜4週間あけてから再度検査を行い、淋菌がいなくなっていることを確認します。
費用の目安
健康保険3割負担の場合の目安です。症状がなく検査だけを希望される場合は自費になります。
2026年8月時点の診療報酬点数にもとづく目安です。微生物学的検査判断料(150点)は、同じ月に何種類の検査を行っても1回だけの算定です。尿と咽頭を同じ日に保険で同時に検査することはできません。両方を調べる必要があるときは、日を分けて行うか、自費での検査になります。症状がなく検査だけを希望される場合は、検査そのものが自費診療になります。薬代は別に薬局でお支払いいただきます。
よくある質問
淋病はキスでうつりますか+
コンドームありでもうつりますか+
一回の性行為でうつりますか+
トイレやお風呂でうつりますか+
のどの症状はどんな感じですか+
性行為をしていないのに感染することはありますか+
クラミジアとの違いは何ですか+
自然治癒しますか+
完治しますか+
放置するとどうなりますか+
何回もかかりますか+
検査と治療に健康保険は使えますか+
淋病は飲み薬では治りません。点滴または注射での治療が必要です。放置すると精巣上体炎や骨盤内炎症性疾患に進み、不妊の原因になります。クラミジアとあわせて検査できます。土日も診療しています。
性感染症は同時に感染していることがあります。あわせてご覧ください。
本ページは一般的な情報提供を目的としています。診断と治療方針は診察のうえで判断します。
監修医師 石川 浩雅(豊洲イーウェルクリニック)
本ページの内容は、上記の医師が監修しています。
2006年 国立国際医療センター 初期研修、2008年 同センター 後期研修。2011年 東京医科歯科大学 医療経営政策学。第一生命保険株式会社、株式会社Linc'well/クリニックフォア、医療法人社団シンシアエージェンシーを経て、2025年11月 東京都江東区豊洲に「豊洲イーウェルクリニック」開院。内科・皮膚科・アレルギー科を中心に、小児から泌尿器科領域まで幅広く診療しています。渡航ワクチンの接種にも対応しています。日本渡航医学会、日本旅行医学会、日本内科学会、日本アレルギー学会、日本産業衛生学会 所属。
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