睡眠時無呼吸症候群に対するCPAP療法
CPAP(シーパップ)療法は、主に睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療に用いられる方法で、いびきや無呼吸に対する効果が高いとされています。
CPAP療法とはどのような治療ですか?
CPAP療法ではマスクを装着して鼻から気道に空気を送り込むことで気道が閉塞することを防ぐ治療法です。
CPAP療法の効果は?
CPAP療法は眠気やいびきなど睡眠時無呼吸症候群に伴う症状のみではなく、心筋梗塞や脳卒中、高血圧など睡眠時無呼吸に伴う合併症を管理するために治療を行います。
❶ 睡眠時無呼吸症候群による症状が改善します
☑︎ 日中の眠気、倦怠感の改善
☑︎ Quality of Life(QoL)の改善
CPAPを行っている本人のみならず、一緒に寝ているパートナーのQoLも改善すると言う報告もあります。
❷ 心筋梗塞や脳卒中などの発症リスク抑制が期待できます
未治療の重症SAS患者と比べ、CPAP療法を行っている患者では致死的な心血管イベント(致死的な心筋梗塞や脳卒中)、致死的ではない心血管イベント(心筋梗塞、脳卒中、冠動脈バイパス手術、経皮経管冠動脈形成術)ともに発症率が減少したとの報告があります。
❸ 生活習慣病を予防・改善します
《高血圧》
睡眠時無呼吸症候群患者の約30-70%に高血圧を合併します。CPAPにより3-5mmHg程度低下すると報告されています。
《糖尿病》
CPAP治療によりインスリン抵抗性や食後高血糖することが報告されています。
《メタボリック症候群》
SAS(睡眠時無呼吸症候群)はメタボリックシンドロームを合併しやすく、その病態を悪化させる原因になります。
❹ 自動車事故を防止します。
CPAP治療前後で自動車衝突事故利率が低下したとの報告があります。
❺ 作業効率が向上します
CPAP療法
睡眠中に鼻に装着したマスクから、CPAP装置によって一定の圧力で空気を送り込むことで、気道を広げて閉塞を防ぎ、無呼吸状態を改善します。
CPAP療法はCPAP装置、マスク、エアーチューブから構成されます。
❶ CPAP装置
CPAP本体の役割
空気の圧力を調整するための本体は、使用時にはコンセントへ繋げてスイッチを入れておきます。
起動するとホースから空気が送り込まれ、継続的に音が鳴ります。
空気の圧力で不快にならないよう、呼吸に合わせてくれる「同調モード」も備えられているものもあります。
本体には呼吸データの観測機能があり、医師の診察時に利用します。
❷ マスク
本体から伸びるホースの先にはマスクが備えられています。マスクは、CPAPの本体から送られてくる空気を気道に届ける役割を担います。
CPAP療法の診察料や検査費用の目安は?
❶ 検査
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項目 |
費用 |
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簡易検査(3割負担) |
約3,000円 |
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在宅PSG(3割負担) |
約13,000円 |
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入院PSG(3割負担、ベッド代含む) |
30,000~50,000円 |
❷ CPAP療法
CPAP 療法が保険適応となるには一定の要件が必要です。
・簡易検査でRDIが40回/h以上
・PSG検査でRDIが20回/h以上
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項目 |
費用 |
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CPAP療法(3割負担/月あたり) |
約5,000円 |
CPAP療法の注意点やデメリットは?
CPAP療法で起こる可能性のあるリスクには、大きく分けてマスク装着によるもの、空気圧によるもの、目の充血やかゆみがあります。
CPAP皮膚炎
『マスクかぶれ』とも呼ばれておりマスクと皮膚の刺激やマスクの素材に対する接触性皮膚炎
❶ ヘッドギアを締めすぎないように注意しましょう
❷ 適切なサイズのマスクを選びましょう
❸ 定期的にクリーニングをしましょう
空気漏れ
空気漏れはマスクと顔の間に隙間がで効果の低下、睡眠中に音で目が覚めるといったことで気付かれます。空気漏れを防ぐためには適切なマスクを選ぶことが重要です。
《鼻マスクやピローマスク》
❶ 鼻炎や鼻詰まりがある場合は治療を行いましょう
- 鼻詰まりがあると口から空気が漏れてしまいます。
- 口が開かないように、いびき対策テープやチンストラップを使用します
- マウスピースを併用することもあります
❷ 設定圧を見直しましょう
- 息が吐きづらい場合には主治医と相談をします
《フルフェイスマスク》
❶ ヘッドギアを調整しましょう
❷ フルフェイスマスク用のパッドを使用します。
閉所恐怖症
マスクを装着することで息苦しさや閉塞感を感じ、狭い場所に閉じ込められたような不安感に襲われることがあります
❶ 圧迫感の少ないマスクを選びましょう
❷ 徐々に段階をへて装着時間を長くして慣れていきましょう
(1) 日中の明るい時間に数分間、マスクだけを装着してみる
(2) 日中、マスクを着けた状態で長時間過ごす
(3)座った状態でCPAP装置につないで5分間送気する
(4) 本体につないで送気して短時間だけ横になる
鼻詰まり
CPAP使用中は加圧や鼻の粘膜の血流が増加することで鼻詰まりが起こりやすくなります。
❶ 加湿器をお到り、蒸しタオルして加湿をしましょう
❷ 加温加湿器や加温チューブを利用します
❸ 点鼻薬を使用します
❹ フルフェイスマスクへの変更を検討します
よくある質問
SASは完治しますか?
CPAPは対症療法で根本治療ではありません。CPAPを中断すると多くの方は再度無呼吸の症状が再発します。
10%の体重減少でAHIが30%減少し、20%の体重減少でAHIが50%減少したという報告もあります。減量治療は対症療法ではなく根本治療となりうるためCPAPやマウスピース治療と平行して治療を進めることをお勧めします。
CPAP療法は1日何時間使すれば良いですか?
4時間以上、70%以上の使用日数』を目指しましょう
主観的な眠気が改善するには4時間程度必要であるとの報告があります
車の事故のリスクを減らすには4時間以上、70%以上の使用日数が望ましいとの報告があります。
脳卒中や心筋梗塞のリスクを減らすためには4時間以上必要であることが報告されています。
CPAP治療もオンライン診療で受診をしたいです
当院ではオンラインによる診療も行っております。
診察後必ず検査を受ける必要がありますか?
保険適用を受けるためは定期的な受診が必須となります。 担当医の判断により1~3か月に一度の受診をお願いします。
CPAPに慣れるにはどのくらい時間がかかりますか?
使い始めはマスクからの圧やマスクの違和感のために苦しくてなかなか眠れない方もいらっしゃいます。まずは日中に10分程度試してみます。徐々になれてきたら夜にも使用をしてみましょう。
CPAPに慣れるには2-3ヶ月かかることもあります。
CPAPを付ける前に寝落ちしてしまいます
生活の流れの中にCPAPマスク装着を取り入れるようにしましょう
どうしてもつけわすれたまま寝てしまうことが覆いかたは寝落ちしてしまう後の時間にアラームをセットして途中から装着を出来るようにします。
朝になるとCPAPが外れています
CPAPをはじめて慣れないうちは睡眠中に無意識にCPAPを外してしまい、朝⽅に気がついたらマスクが外れているということがよくあります。多くの方が徐々になれてきますが合併症予防のためには短い時間でも毎日装着することに効果があるため継続的な装着を心がけましょう。
CPAPにより血圧は下がりますか?
収縮期血圧6mmHg、拡張期血圧2.0mmHg
薬剤抵抗性高血圧では収縮期血圧6.7mmHg、拡張期血圧5.9mmHgの降圧効果が認められています。
CPAPには副作用はありますか?
マスクの違和感、鼻の乾燥、皮膚や眼の違和感などが報告されています。
