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野菜、果物アレルギー

FRUIT

果物・野菜アレルギーその果物は食べられるか

りんごや桃、さくらんぼ、メロンやスイカ、バナナ、キウイ、みかんを食べると口の中や喉がかゆくなる。他の果物も食べられないのか、加熱や缶詰なら大丈夫なのか。フルーツアレルギーの疑問を、食べ物ごとにひとつずつ確かめられるように整理しました。

豊洲駅 徒歩3分花粉から逆引きできる食材一覧加熱・缶詰の可否実物で調べるプリックテスト
ABOUT

どの果物・野菜か

口の中と喉だけがかゆい、という出方をします

果物アレルギー(フルーツアレルギー)とは、果物や野菜を食べたときに、口の中、唇、舌、喉(のど)の奥が痒くなる、喉がかゆい、ヒリヒリ・ピリピリする、腫れぼったい、イガイガする、といった症状が出るものです。飲み込んでしまえば数分から数十分でおさまります。このアレルギー症状の出方を口腔アレルギー症候群(OAS)と呼びます。

果物・野菜アレルギーの多くは、花粉症のある方に起こります。花粉のたんぱく質と果物・野菜のたんぱく質の形が似ているために、体が果物を花粉と間違えて反応してしまうものです。これを花粉-食物アレルギー症候群(PFAS)と呼びます。もともと食べられていた果物で、大人になってから急に症状が出はじめるのはこのためです。

一方で、口だけでなく蕁麻疹(じんましん)が全身に出る、湿疹が悪化する、吐き気や嘔吐がある、おなかが痛くなる、喉が痛い、息が苦しくなるという場合は、口腔アレルギー症候群ではなく全身に及ぶ食物アレルギーとして扱います。同じ「果物で症状が出る」でも、対応が変わります。

すぐに救急要請が必要な症状

果物・野菜アレルギーの大半は口と喉(のど)だけでおさまりますが、次のような症状があるときはアナフィラキシーの可能性があります。様子をみたり自分で運転して受診したりせず、ただちに救急要請(119番)をしてください。エピペンをお持ちの方は、迷ったら早い段階で使用してください。

息が苦しい、ゼーゼー・ヒューヒューする、息が吸いにくい
声がかすれる、喉が締めつけられる感じがする、飲み込みにくい
嘔吐をくり返す、強い腹痛が続く
全身に蕁麻疹(じんましん)が広がる、まぶたや唇が大きく腫れる
意識が遠のく、ぐったりする、顔色が真っ青になる
食べたあとに運動をして、じんましんや息苦しさが出た

原因になりやすい果物・野菜と、出やすい症状

アレルギーが出やすい果物・野菜(アレルギーが出やすい野菜・果物)には、はっきりとした偏りがあります。もっとも多いのはキウイで、次いでメロン、バナナ、スイカ、桃、りんごと続きます。

果物 果物アレルギーの原因に占める割合
キウイ 23.4%
メロン 19.7%
バナナ 14.0%
スイカ 11.3%
桃(もも) 10.5%
りんご 6.6%
パイナップル 5.7%
オレンジ 4.0%
いちご 2.4%
さくらんぼ 2.4%

果物アレルギー全体のなかで、それぞれの果物が原因となった割合です。果実類は成人になってから新たに発症する食物アレルギーの第3位(約12.6%)を占めており、大人の食物アレルギーの主要な原因のひとつです。バナナアレルギーやキウイアレルギーは珍しいものではなく、アレルギーが出やすい果物として上位に入ります。

同じ内容を左の表にも起こしてあります。図はクリックすると拡大できます。

花粉症から逆引きする(どの花粉なら、どの食べ物に出やすいか)

ご自身がどの花粉症かがわかっていれば、注意すべき果物・野菜はかなり絞り込めます。逆に、特定の果物で口がかゆいことから、まだ気づいていない花粉症が見つかることもあります。

症状が出やすい時期にも特徴があります。カバノキ科(ハンノキ・シラカンバ)は1月から6月、イネ科は5月から6月と8月末から9月、キク科(ブタクサ・ヨモギ)は9月から10月に、果物の症状も強く出やすくなります。

花粉 症状が出やすい食べ物 主なアレルゲン 加熱・加工での強さ
ヒノキ科(スギ、ヒノキ) ナス科(トマト) GRP 加熱・加工に安定
カバノキ科(シラカバ、ハンノキ) バラ科(りんご、さくらんぼ、桃、梨、いちご、すもも、アーモンド)/カバノキ科(ヘーゼルナッツ)/マメ科(大豆、ピーナッツ、緑豆もやし)/マタタビ科(キウイ) PR-10 加熱・消化に弱い
イネ科(オオアワガエリ、カモガヤ) ウリ科(メロン、スイカ、きゅうり)/ナス科(トマト)/ミカン科(オレンジ)/マメ科(ピーナッツ) プロフィリン 加熱・消化に非常に弱い
キク科(ブタクサ) ウリ科(メロン、スイカ、きゅうり)/バショウ科(バナナ) プロフィリン 加熱・消化に非常に弱い
キク科(ヨモギ) セリ科(セロリ、にんじん、スパイス)/ウルシ科(マンゴー) プロフィリン 加熱・消化に非常に弱い
ラテックス(天然ゴム) アボカド、バナナ、くり、キウイ、パパイヤ、マンゴー、いちじく Hev b 6.02 加熱しても残ることがある

花粉が原因ではなく、その果物そのものに対するアレルギーのこともあります。とくに乳幼児のバナナ・キウイは、花粉と関係のない即時型アレルギーとして出ることが多いタイプです。

花粉と食べ物の交差反応をまとめた図です。クリックすると拡大できます。

加熱すれば大丈夫ですか(缶詰・ジャム・ジュース)

もっとも多いご質問です。答えは「タイプによります」で、これが果物アレルギーのいちばん大事なところです。

果物・野菜のアレルゲンには熱に弱いものと強いものがあり、熱に弱いタイプであれば加熱した果物、コンポート、ジャム、缶詰、ドライフルーツ、焼き菓子は食べられることが多くなります。逆に熱に強いタイプでは、梅干しやジャム、缶詰、ジュースでも症状が出ます。

果物・野菜アレルギーの約9割は、もっとも熱に弱いプロフィリンによるものです。「加熱すれば食べられる」という説明が広く語られているのはこのためですが、残りのタイプに当てはまる方にとっては危険な思い込みになります。

タイプ 代表的な食べ物 熱・消化への強さ 加熱・缶詰・ジャム 全身症状のリスク
プロフィリン メロン、スイカ、きゅうり、ズッキーニ、バナナ、トマト、オレンジ 非常に弱い 食べられることが多い 低い(メロン、ライチでは全身反応の報告があります)
PR-10 りんご、桃、さくらんぼ、梨、いちご、キウイ、豆乳 弱い 食べられることが多い 低い(豆乳、びわ、桃は例外で強い症状の報告があります)
LTP(PR-14) 果物の皮に多く含まれます やや強い 症状が出ることがあります 中から高い(日本では全体の約1%とまれです)
GRP 桃、さくらんぼ、梅(梅干し)、オレンジ、ざくろ、とうがらし 強い 症状が出ます 高い(まぶたの腫れが特徴的です。全体の約5%)
2Sアルブミン ナッツ・種実類 非常に強い 症状が出ます 高い(果物アレルギーとしてはまれです)

どのタイプかは症状の出方と検査から推測します。加熱や加工で食べられるかどうかを、ご自身の判断で試さないでください。とくに、これまで口のかゆみだけだった方が突然強い症状を起こすことがあります。

バラ科アレルギーの食材一覧と症状(りんご、桃、さくらんぼ、梨、いちご、すもも、びわ、梅、アーモンド)

バラ科とは植物の分類のひとつで、果物アレルギーでもっともよく話題になるグループです。りんご(リンゴ)、桃(もも)、さくらんぼ、梨(日本なし・洋なし)、いちご(イチゴ)、すもも(プラム・プルーン)、あんず、びわ、梅(うめ)、アーモンド、かりんが含まれます。アーモンドはナッツとして扱われますが、植物としてはバラ科です(バラ科のナッツ)。さくらんぼ(サクランボ)も同じ仲間です。

多くはカバノキ科(ハンノキ、シラカンバ)の花粉症にともなって出ます。原因になるアレルゲンはPR-10と呼ばれるもので、熱と消化に弱いため、症状は口と喉にとどまり、加熱した果物や缶詰は食べられることが多くなります。りんごのアップルパイやジャム、桃の缶詰が食べられるのはこのためです。

ただし例外があります。びわ、桃、そして豆乳では、口の症状だけでなく全身の症状が起こることが知られています。これらは、反応がないことがはっきりしていない段階では口にしないほうが安全です。

全身の症状が出る場合や、食べたあとに運動をしたときだけ症状が出る場合は、りんごの皮に多いLTPや、桃の果肉に多いGRPが原因である可能性があります。皮膚プリックテストでは、果肉と果皮を分けて調べることもあります。

なお、かき(柿)はバラ科ではなくカキノキ科、ぶどう(ブドウ)はブドウ科、マンゴーはウルシ科です。名前や見た目が似ていても、植物としての分類は別です。

また、バラ科という分類の名前と、観賞用のバラや桜の花粉によるアレルギー(バラアレルギー・桜アレルギー)は別のものです。バラ科の果物で口がかゆくなることと、バラや桜の花で鼻や目の症状が出ることは、原因が違います。

バラ科の食べ物(食材一覧) — りんご、桃、さくらんぼ、梨(日本なし・洋なし)、いちご、すもも(プラム・プルーン)、あんず、びわ、梅・梅干し、アーモンド、かりん
バラ科ではないもの — かき(カキノキ科)、ぶどう(ブドウ科)、みかん・オレンジなど柑橘系(ミカン科)、キウイ(マタタビ科)、メロン・スイカ・きゅうり(ウリ科)、バナナ(バショウ科)、マンゴー(ウルシ科)、パイナップル(パイナップル科)

バラ科アレルギーで梅干し・ジャム・缶詰でも症状が出るタイプ(GRP)

「バラ科の果物なのに、梅干しを食べるとかゆくなる」というご相談があります。梅干しは加熱も塩蔵もされているのに症状が出るため、加熱すれば大丈夫という説明と食い違うように感じられます。

これはGRPと呼ばれるアレルゲンによるもので、GRPは加熱や加工に対して安定しているため、梅干し、ジャム、缶詰、ドライフルーツなど加工された食品でも症状を起こします。桃(もも)、さくらんぼ、梅、柑橘系の果物、ざくろで報告されており、スギ・ヒノキ花粉との関連が指摘されています。

GRPによるものは、口の症状だけでなくまぶたの腫れが特徴的で、アナフィラキシーが起こることもあります。果物アレルギー全体の約5%と多くはありませんが、全身症状につながりやすいタイプです。梅干しや加工品で症状が出た方は、口の中だけだから大丈夫と考えず、一度ご相談ください。

なお、梅干しには強い酸味と塩分があり、アレルギーがなくても口の粘膜がヒリヒリすることがあります。梅干しでだけ症状が出るのか、生の梅や桃でも出るのかは、区別する手がかりになります。

ウリ科アレルギーの症状(メロン、スイカ、きゅうり、ズッキーニ、かぼちゃ)

メロン、スイカ(すいか)、きゅうり(キュウリ)、ズッキーニ、かぼちゃ、ゴーヤはウリ科(瓜の仲間)です。瓜アレルギーと呼ばれることもあります。メロンで症状が出た方が、スイカやきゅうりでも同じようになるのは、この分類が同じためです。

多くはキク科(ブタクサ、ヨモギ)の花粉症にともなって出ます。イネ科アレルギー(カモガヤ、オオアワガエリ)から出ることもあります。原因になるのはプロフィリンというアレルゲンで、PR-10よりもさらに熱と消化に弱いため、全身の症状が出ることはまれです。

生のきゅうりで口がかゆくなるのに、漬物や加熱調理したものは平気、ズッキーニのソテーは食べられるのに生のサラダはだめ、という食べ分けができる方が多いのはこのためです。

一方で、メロンについては全身の反応が報告されています。ウリ科ではじまって、そのあと反応する食べ物がだんだん増えていくことも知られており、経過をみていく必要があります。

スイカやメロンを食べたあとの下痢や腹痛は、アレルギーではなく水分や果糖のとりすぎ、冷えによることもあります。蕁麻疹(じんましん)や口の症状をともなうかどうかが手がかりになります。子供では嘔吐が目立つこともあります。

バナナアレルギー

バナナはバショウ科です。年齢によって性格が大きく変わるのが特徴です。

小児のバナナアレルギーは1歳未満で発症することが多く、花粉とは関係のない、バナナそのものに対する即時型アレルギーと考えられています。バナナの果肉にはTLP(Mus a 4)というアレルゲンが含まれており、果物のなかでは全身症状を起こしやすく、約半数で全身症状やアナフィラキシーなど重い症状が出るといわれています。加熱しても症状が出ることがあります。

バナナアレルギーは自然に食べられるようになることが少なく、血液検査の数値が下がっていても症状が出る可能性があります。数値だけで解除を判断しません。

一方、大人になってから出るバナナアレルギーは、ラテックスフルーツ症候群やキク科(ブタクサ)の花粉-食物アレルギー症候群として発症することが多く、突然、口と喉のかゆみが出るという形をとります。

キウイアレルギー

キウイ(キウイフルーツ)はマタタビ科で、果物アレルギーのなかでもっとも頻度の高い果物です。約30%で全身の症状が、約70%で口と喉だけの症状が出ます。

キウイだけに反応する方はAct d 1(アクチニジン)というアレルゲンに、複数の果物に反応する方はAct d 8(PR-10)とAct d 9(プロフィリン)に反応していることが多いとされています。緑色の果肉のヘイワード種にはAct d 1が多く含まれるといわれています。

大人のキウイアレルギーは、ラテックスフルーツ症候群として、あるいはカバノキ科の花粉-食物アレルギー症候群として発症します。「キウイがだめなら他の果物はどうか」は、どちらの経路かによって変わります。ラテックス由来ならアボカド・バナナ・くり、花粉由来ならバラ科の果物や豆乳が候補になります。なお、キウイはバラ科ではありません。

キウイアレルギーは年齢とともに食べられるようになる方もいます。

みかんアレルギー・柑橘類/柑橘系アレルギーの症状(オレンジ、レモン、グレープフルーツ、夏みかん、はっさく)

みかん(ミカン)、オレンジ、レモン、グレープフルーツ、夏みかん、八朔(はっさく)、ポンカン、文旦(ぶんたん)、金柑(きんかん)はミカン科です。柑橘アレルギー・柑橘類アレルギー(レモンアレルギー、グレープフルーツアレルギー、オレンジアレルギーを含みます)そのものはまれとされていますが、「みかんを食べると口の周りが赤くなる」「喉がイガイガする」というご相談はとても多く、原因はひとつではありません。

柑橘系のアレルギーとしては、イネ科花粉によるプロフィリンを介したもの、スギ由来のGRP(Cit s 7)を介したものが知られています。GRPによるものは加熱や加工に強く、オレンジジュースやマーマレードでも症状が出ることがあります。花粉症の時期に柑橘で症状が悪化すると感じる方がいるのはこのためです。

アレルギーではない原因も同じくらい大切です。柑橘の果汁には酸(クエン酸)と精油が含まれており、口の周りの皮膚に付くと刺激で赤くなることがあります。よだれかぶれと同じ仕組みで、とくに小さなお子さんに多く見られます。皮をむいたあとに手がかゆくなるのも、多くはこの刺激によるものです。

みかんを食べたあとの下痢も、アレルギーとは限りません。果糖や食物繊維の量、冷たいまま食べること、食べすぎが関係します。蕁麻疹や口の腫れをともなうかどうかが区別の手がかりになります。舌がピリピリするだけの場合も、酸による刺激のことがあります。

レモンやライム、グレープフルーツの果汁が皮膚についた状態で日光に当たると、あとから赤くなったり水ぶくれができたりすることがあります(植物による光線過敏)。これもアレルギー検査では説明できない反応です。

トマトアレルギー

トマトはナス科です。トマトそのものに対する即時型アレルギーが起こることもありますが、多くはイネ科(カモガヤ、オオアワガエリ)の花粉-食物アレルギー症候群として出ます。スギ花粉との関連も指摘されていますが、スギ花粉症の方がトマトアレルギーを発症することは非常にまれです。

トマトの果汁に含まれるアレルゲンは不安定なため、ケチャップや加熱調理したトマト、トマトジュースであれば食べられる方もいます。ただし非加熱に近い製法のジュースもあり、製品によって差が出ることがあります。

トマトで症状が出る方は、同じナス科のじゃがいも、セリ科のセロリやパセリでも症状が出る可能性が高いとされています。じゃがいもの皮をむくときに手がかゆくなる、生のセロリでのどがイガイガするという方は、あわせてお伝えください。

マンゴーアレルギーとウルシ科(カシューナッツ、ピスタチオ)

マンゴーはウルシ科です。ウルシかぶれの原因であるウルシオールとよく似た成分を含むため、ウルシにかぶれる方はマンゴーでも接触皮膚炎(かぶれ)を起こす可能性があります。

これは、食べてすぐに出る即時型のアレルギーとは仕組みが違います。遅れて出るタイプのアレルギーで、触れた翌日から数日後に口の周りが赤くなる、腫れる、皮がむけるという出方をします。「食べた直後は何ともなかったのに、次の日に口の周りが赤くなった」という場合はこちらを考えます。

この成分は果皮に多く含まれるため、皮をむいて果肉だけを食べる、皮に触れないようにカットしたものを食べる、という方法で症状が出なくなる方もいます。

同じウルシ科のカシューナッツ、ピスタチオでも症状が出る可能性があります。マンゴーは、これに加えてラテックス-フルーツ症候群や、カバノキ科・キク科の花粉-食物アレルギー症候群として発症することもあります。

ラテックスフルーツ症候群(アボカド、バナナ、くり、キウイ)

天然ゴム(ラテックス)のたんぱく質にアレルギーがある方が、それと形の似たたんぱく質を含む食べ物で症状を起こすものです。アボカド、バナナ、くり、キウイが代表で、パパイヤ、マンゴー、いちじくでも報告があります。

ゴム手袋を頻繁に使う医療従事者や、ラテックス製のカテーテルを使っている方、手術を何度も受けている方に起こりやすいことが知られています。ラテックスアレルギーのある方の30%から50%に合併するといわれています。

ラテックスフルーツ症候群では、花粉が原因のものと違い、加熱しても症状が残ることがあり、全身の症状につながることもあります。ゴム手袋やゴム風船で手がかゆくなったことがある方は、必ずお知らせください。

アレルギーではないこともあります

果物・野菜を食べたあとの不調が、すべてアレルギーとは限りません。次のようなものも一緒に考えます。

仮性アレルゲン — 食品そのものにヒスタミンなどの物質が含まれていて、アレルギーがなくてもかゆみや赤みが出ることがあります。トマト、なす、たけのこ、ほうれん草、いちご、パイナップル、柑橘系の果物などが知られています
酸や精油による刺激 — 柑橘、キウイ、パイナップル、トマトは酸が強く、口の周りの皮膚や粘膜を刺激します。乳幼児で口の周りだけが赤くなるものの多くはこれです
たんぱく質分解酵素 — パイナップルやキウイに含まれる酵素で舌がヒリヒリすることがあります
果糖や食物繊維 — スイカ、メロン、みかんを食べたあとの下痢や腹痛は、量や冷たさによることがあります
植物による光線過敏 — レモン、ライム、グレープフルーツ、セロリの汁が皮膚についた状態で日光に当たるとかぶれることがあります
食物依存性運動誘発アナフィラキシー — 食べただけでは平気なのに、そのあと運動をしたときだけ症状が出るものです

子ども(子供)・赤ちゃんの果物アレルギー

乳幼児のバナナ、キウイは、花粉とは関係のない即時型アレルギーとして起こることが多く、全身の症状につながることがあります。蕁麻疹(じんましん)、嘔吐、ぐったりするといった症状があれば受診してください。スイカやメロンで子供が嘔吐した場合も同じです。

一方で、離乳食のみかんやいちご、トマトで口の周りだけが赤くなるという場合は、酸による刺激であることが多く、アレルギーとは限りません。食べる前と後に口の周りにワセリンを塗る、食べたあとにやさしく拭き取るだけで出なくなることがあります。

花粉-食物アレルギー症候群は、花粉症を発症したあとに出てくるため、小さなお子さんでは多くありません。小学生以降で「急に果物で口がかゆくなった」という場合は、花粉症が背景にある可能性があります。

初めての果物をいつから食べさせてよいかというご相談も承ります。心配だからと開始を遅らせることが、かえって不利になる食品もあります。自己判断ではなくご相談ください。

EXAMINATION

何科で、どう調べるか

何科を受診すればよいですか

果物・野菜アレルギーは、アレルギー科・内科・皮膚科のいずれでも診療します。当院はアレルギー科として、内科と皮膚科の両方の視点から診察します。花粉症が背景にあることが多いため、鼻や目の症状もあわせてうかがいます。

診断でもっとも大切なのは検査ではなく問診です。受診の前に、次の4点をメモしてきていただけると診断が早くなります。

何を食べたか — 生か加熱か、皮ごとか、缶詰やジュースか。加工品なら原材料表示の写真があると確実です
食べてから症状が出るまでの時間 — 何分後か、翌日以降か
どんなアレルギー症状が出て、どのくらい続いたか — 口と喉だけか、蕁麻疹や湿疹として全身に及んだか。写真が残っていればお持ちください
そのときの状況 — 運動、入浴、飲酒、解熱鎮痛薬、体調不良、寝不足が重なっていなかったか。花粉症の症状が強い時期だったか

アレルゲンコンポーネント別の分類(プロフィリン・PR-10・LTP・GRP・2Sアルブミン)

果物・野菜アレルギーは、原因となるたんぱく質(アレルゲンコンポーネント)の種類によって、重い症状に進みやすいかどうかが変わります。ここが、この病気を理解するうえでいちばん大切な部分です。

口の中だけで終わりやすいのはプロフィリンとPR-10で、フルーツアレルギー全体のおよそ9割を占めます。一方でLTP(PR-14)、GRP、2Sアルブミンは熱や消化に強く、全身の反応を起こしやすい型です。梅干しやジャムでも症状が出る、加熱しても変わらない、という場合はこちらを疑います。

下の表は、それぞれの型がどの花粉と関係し、どの食べ物のどのコンポーネントに当たるかをまとめたものです。専門的な内容ですが、ご自身の検査結果と照らし合わせるときの手がかりになります。クリックすると拡大できます。

病型ごとに、関係する花粉(感作原)、食べ物ごとのコンポーネント名、フルーツアレルギー全体に占める割合、熱や消化への安定性、全身反応のリスクを整理した表です。プロフィリンとPR-10は「不安定・リスク低」、GRPと2Sアルブミンは「安定・リスク高」に位置づけられます。

その食べ物は何の仲間か(植物としての分類)

「キウイは何科ですか」「メロンは何科ですか」「桃は何科ですか」というご質問をよくいただきます。ここでいう科は植物としての分類のことで、同じ科の食べ物には似たたんぱく質が含まれるため、ひとつに反応する方はほかにも反応することがあります。

どの科に属するか、どの花粉と関係しやすいか、加熱や加工でどうなりやすいかをまとめました。

食べ物 植物の分類(科) 関係しやすい花粉 加熱・加工の目安
りんご(リンゴ) バラ科 ハンノキ、シラカンバ 加熱、ジャム、缶詰は食べられることが多い
桃(もも) バラ科 ハンノキ、シラカンバ/スギ 缶詰でも症状が出ることがあり注意が必要
さくらんぼ バラ科 ハンノキ、シラカンバ/スギ 缶詰でも症状が出ることがあり注意が必要
梨(日本なし、洋なし) バラ科 ハンノキ、シラカンバ 加熱、缶詰は食べられることが多い
いちご(イチゴ) バラ科 ハンノキ、シラカンバ ジャムは食べられることが多い
すもも、プルーン、あんず バラ科 ハンノキ、シラカンバ 加熱、ドライは食べられることが多い
びわ バラ科 ハンノキ、シラカンバ 全身症状の報告があり自己判断しない
梅・梅干し バラ科 スギ 梅干しやジャムでも症状が出ることがある
アーモンド バラ科 ハンノキ、シラカンバ ローストでも症状が出ることがある
メロン ウリ科 ブタクサ、カモガヤ 加熱すれば食べられることが多い
スイカ(すいか) ウリ科 ブタクサ、カモガヤ 加熱すれば食べられることが多い
きゅうり(キュウリ) ウリ科 ブタクサ、カモガヤ 漬物や加熱なら食べられることが多い
ズッキーニ ウリ科 ブタクサ、カモガヤ 加熱すれば食べられることが多い
かぼちゃ、ゴーヤ ウリ科 ブタクサ、カモガヤ 加熱すれば食べられることが多い
バナナ バショウ科 ブタクサ/ラテックス 加熱しても症状が出ることがある
キウイ マタタビ科 ハンノキ、シラカンバ/ラテックス 加熱で軽くなる方とそうでない方がいる
みかん、オレンジ、夏みかん、はっさく(柑橘系) ミカン科 カモガヤ、オオアワガエリ/スギ ジュースでも症状が出ることがある
レモン、グレープフルーツ ミカン科 カモガヤ、オオアワガエリ 果汁が皮膚につくと日光でかぶれることがある
トマト ナス科 カモガヤ、オオアワガエリ/スギ ケチャップや加熱調理なら食べられる方が多い
じゃがいも ナス科 カモガヤ、オオアワガエリ 生の皮むきで手がかゆくなる方がいる
マンゴー ウルシ科 ヨモギ/ラテックス 皮に多く、皮をむけば食べられる方が多い
カシューナッツ、ピスタチオ ウルシ科 花粉との関係は乏しい ローストでも症状が出ることがある
セロリ、にんじん、パセリ セリ科 ヨモギ 加熱で軽くなることが多い
アボカド クスノキ科 ラテックス 加熱しても症状が出ることがある
くり ブナ科 ラテックス 加熱しても症状が出ることがある
いちじく クワ科 ラテックス 情報が限られます
パイナップル パイナップル科 花粉との関係は乏しい 缶詰なら食べられる方が多い
ぶどう(ブドウ) ブドウ科 花粉との関係は乏しい 情報が限られます
かき カキノキ科 ハンノキ、シラカンバ 情報が限られます
大豆、豆乳、もやし マメ科 ハンノキ、シラカンバ 豆乳は全身症状の報告があり注意が必要

同じ科でも、すべての食べ物に症状が出るわけではありません。加熱・加工の欄は一般的な傾向で、ご自身がどのタイプかによって変わります。自己判断で試さず、食べられる範囲は診察でご相談ください。

血液検査(特異的IgE抗体検査)

疑われる食べ物や花粉に対する抗体(特異的IgE抗体)を血液で調べます。採血だけで済むため負担が少なく、小さなお子さんにも行えます。

果物・野菜アレルギーでは、症状の出た食べ物だけでなく、背景にある花粉もあわせて調べることが大切です。バラ科ならハンノキ・シラカンバ、ウリ科ならブタクサ・ヨモギ・カモガヤ・オオアワガエリ、ラテックスが疑われるならラテックスというように、組み合わせて選びます。

保険診療で算定できるのは13項目までと決められています。項目数に限りがあるからこそ、問診で絞り込んでから選ぶことが大切になります。

結果は後日のご説明となります。当日その場ではお伝えできません。

大切な注意点があります。血液検査が陽性でも、その食べ物を食べられることは少なくありません。逆に、果物・野菜アレルギーでは血液検査が陰性でも症状が出ることがあります。果物のアレルゲンは壊れやすく、検査用の試薬にした時点で反応が弱くなってしまうためです。判定は必ず症状と合わせて行います。

症状の出た食べ物 あわせて調べることが多い項目
りんご、桃、さくらんぼ、いちご、梨 ハンノキ、シラカンバ、症状の出た果物、大豆Gly m 4
メロン、スイカ、きゅうり、ズッキーニ ブタクサ、ヨモギ、オオアワガエリ、カモガヤ、ラテックス、症状の出た果物
みかん、オレンジ、グレープフルーツ オオアワガエリ、カモガヤ、スギ、オレンジ、グレープフルーツ
トマト スギ、トマト、じゃがいも、セロリ、パセリ
キウイ キウイ、ハンノキ、シラカンバ、ラテックス
バナナ バナナ、ブタクサ、ヨモギ、ラテックス
マンゴー マンゴー、ブタクサ、ヨモギ、ハンノキ、シラカンバ、ラテックス

実際にどの項目を選ぶかは、症状と花粉症の有無をふまえて診察で決めます。13項目の制限があるため、優先順位をつけて組み立てます。

皮膚プリックテストと、実物を使うプリック・プリックテスト

当院では皮膚プリックテストを実施しています。皮膚にアレルゲンの液を1滴たらし、細い針でごく浅く傷をつけて、15分後の反応をみる検査です。じんましんのような膨らみの大きさを測って評価します。その場で結果がわかります。

果物・野菜アレルギーでは、この検査が特に役に立ちます。血液検査に項目が用意されていない食べ物があること、そして果物のアレルゲンは壊れやすく血液検査では拾いきれないことがあるためです。ズッキーニや梅のように、果物アレルギー検査の項目が用意されていない食材は珍しくありません。

当院では、実物の食べ物をそのまま使うプリック・プリックテストも行えます。持ち込んでいただいた果物や野菜に針を刺し、その針で皮膚を刺す方法です。生の状態のアレルゲンをそのまま調べられるため、検査用の試薬では反応が出なかった食べ物でも確かめられます。皮と果肉を分けて調べることもできます。

検査の前に抗ヒスタミン薬(アレルギーの飲み薬)を中止していただく必要があります。中止する期間は薬の種類によって異なるため、自己判断で中止せず、一度受診してご相談ください。

症状がないときの検査は自費になります

実際に症状が出たことがあり、その原因を調べるための検査は保険診療で行えます。

一方で、症状が出たことはないけれど念のため調べておきたい、という目的の検査は保険の対象外となり自費診療になります。ご希望の場合は診察時にお申し出ください。

食物経口負荷試験は当院では行っていません

食物経口負荷試験(医師の管理下で実際に少しずつ食べて、症状が出るかを確かめる検査)は、検査中に強い症状が出る可能性があるため当院では実施しておりません。必要と判断した場合は、体制の整った医療機関をご紹介します。

運動誘発試験(食べたあとに運動をして症状を確かめる検査)も当院では行っておりません。

診断、原因の絞り込み、食べられる範囲のご相談、エピペンの処方、生活管理指導表の作成は当院で承ります。

MANAGEMENT

どこまで食べてよいか

果物・野菜を一律に除去しないでください

果物・野菜アレルギーの管理の原則は、食べられる範囲までは食べることです。口の中や喉のかゆみ、ヒリヒリ感だけの軽い症状であれば、加工・加熱調理したものまで除去する必要はありません。

果物と野菜をまとめて避けてしまうと、ビタミンや食物繊維などが不足します。とくに反応する食べ物が多いタイプでは、食べられる果物・野菜・いもで代わりを用意して、栄養が偏らないようにします。

どこまで食べてよいかは、症状の出方とタイプによって変わります。血液検査の数値だけでは決められません。

タイプ別の考え方

症状の出方と検査からタイプを推測し、それに応じて食べられる範囲を決めます。

PR-10(バラ科、キウイ、豆乳) — 口と喉だけの軽い症状であれば厳しい除去は不要で、少量であれば大きな問題はありません。原則として加熱・加工したものは食べられます。ただし、びわ・桃・豆乳は強い症状が起こることがあり、反応がないことがはっきりしていない場合は口にしないほうが安全です。全身症状が出る方は、新鮮なバラ科の果物、新鮮なマメ科の食品、ヘーゼルナッツを完全に除去する必要があります
プロフィリン(ウリ科、バナナ、トマト、オレンジ) — 口と喉だけの軽い症状であれば厳しい除去は不要です。全身症状が出る方は、新鮮な果物・野菜の摂取を広く制限せざるをえないことがあり、その場合はビタミンの内服で不足を補います
GRP(桃、さくらんぼ、梅、柑橘系) — 加熱・加工しても症状が出ます。梅干しやジャム、缶詰も含めて避ける必要があります。バラ科の果物と柑橘系の果物以外の食べ物で症状が誘発された例はほとんど報告されていません
ラテックスフルーツ症候群 — 加熱しても残ることがあり、全身症状につながることがあります。ゴム製品との接触も含めて対策します

症状が出たときの対応とお薬の注意

口の中や喉のかゆみだけであれば、口の中のものを出してうがいをし、あらかじめ処方された抗ヒスタミン薬を内服して安静にし、症状の変化を観察します。

症状が広がる、息が苦しくなる、声がかすれる、嘔吐をくり返す、ぐったりするといった変化があれば、ためらわずに救急要請をしてください。

抗ヒスタミン薬では眠気、口の渇き、だるさが出ることがあります。運転や危険をともなう作業をされる方は、あらかじめお伝えください。

抗ヒスタミン薬はアナフィラキシーの進行を止める薬ではありません。呼吸の症状や血圧の低下があるときに、飲み薬で様子をみることは危険です。

これまで口のかゆみだけだった方が、体調不良や運動、飲酒、解熱鎮痛薬が重なったときに強い症状を起こすことがあります。軽い症状しか経験していないからといって、安全が保証されるわけではありません。

エピペン(アドレナリン自己注射薬)

アナフィラキシーを起こす可能性がある方には、アドレナリンの自己注射薬エピペンをおすすめしています。当院では0.3mg製剤を院内に在庫しており、診察のうえ当日お渡しできます。0.15mg製剤は院外処方となります。

注射に抵抗がある方には、鼻にスプレーするタイプのアドレナリン製剤ネフィーもあります。体重15kg以上のお子さんにも使用でき、院外処方となります。

使い方は処方時にご説明します。使用したあとは症状が落ち着いたように見えても、必ず救急要請をして医療機関を受診してください。

果物・野菜アレルギーの多くは口と喉だけでおさまるため、全員に必要なわけではありません。次のような方はご相談ください。

全身のじんましん、嘔吐、息苦しさなど、口以外の症状が出たことがある
GRPやラテックスフルーツ症候群など、全身症状につながりやすいタイプが疑われる
乳幼児でバナナ、キウイに強い症状が出たことがある
コントロールが不十分な気管支喘息を合併している
医療機関から遠い場所に住んでいる、または宿泊をともなう旅行などで受診まで時間がかかる可能性がある

保育園・学校の生活管理指導表を作成します

保育園・幼稚園・学校に提出する「アレルギー疾患生活管理指導表」を当院で作成します。給食での除去や、緊急時の対応をどうするかを園や学校と共有するための書類です。

果物・野菜アレルギーでは、完全に除去する必要はないけれど生のものだけ避けたい、加熱したものは食べられる、といった細かい指示が必要になることがあります。給食で実際にどう扱ってもらうかを含めてご相談ください。

新学期の前は依頼が集中します。提出期限に間に合うよう、余裕をもってご相談ください。血液検査の結果が必要な場合は、結果が出るまでに1週間ほどかかります。

花粉症の治療をすれば果物も食べられるようになりますか

舌下免疫療法はスギ花粉症とダニのアレルギー性鼻炎に対する治療で、果物・野菜アレルギーそのものを治す治療ではありません。花粉の治療によって果物の症状が軽くなったという報告はありますが、必ずそうなるとは限らず、それを目的に行う治療ではありません。

果物・野菜アレルギーに対する経口免疫療法(原因の食べ物を少量ずつ食べて体を慣らしていく治療)は、当院では行っておりません。

一方で、背景にある花粉症そのものがつらい方には、鼻や目の治療を整えることに意味があります。花粉の飛散期には果物の症状も出やすくなるため、その時期は生の果物を控えるという組み立て方もあります。

COST

費用の目安

健康保険3割負担の場合の目安です。実際の費用は検査する項目数や処方する内容によって変わります。

初診料、再診料にもとづく目安で、検査料や処方料は別にかかります。血液検査は特異的IgE抗体を1項目ずつ算定し、保険で算定できるのは13項目までです。13項目に免疫学的検査判断料を加えると、3割負担で約4,720円になります。皮膚プリックテストは皮内反応検査として、調べる箇所の数に応じて算定します。実物の果物・野菜を使うプリック・プリックテストは試薬を使わないためこの検査料のみですが、市販のアレルゲンエキスを使う場合は別に薬剤料が加わります。エピペンは薬価にもとづく薬剤料の目安で、0.3mg製剤が、0.15mg製剤がです。2026年8月時点の診療報酬・薬価にもとづきます。

FAQ

よくある質問

果物アレルギーは加熱すれば大丈夫ですか。缶詰やジュースはどうですか。+
タイプによります。果物・野菜アレルギーの約9割を占めるプロフィリンによるもの(メロン、すいか、きゅうり、ズッキーニ、バナナ、トマト、オレンジ)と、バラ科に多いPR-10によるものは熱と消化に弱く、加熱した果物、ジャム、缶詰、焼き菓子であれば食べられることが多くなります。一方でGRPによるものは加熱や加工に強く、梅干しやジャム、缶詰、ジュースでも症状が出ます。ドライフルーツで症状が出ないのは、乾燥の過程でアレルゲンが壊れることによりますが、これも食品とタイプによります。ご自身で試して確かめないでください。どのタイプかを確かめたうえで、食べられる範囲をご相談ください。
バラ科の果物には何がありますか。バラ科ではないものはどれですか。+
バラ科には、りんご、もも、さくらんぼ、なし(日本なし・洋なし)、いちご、すもも(プラム・プルーン)、あんず、びわ、うめ、アーモンド、かりんが含まれます。よく混同されますが、かきはカキノキ科、ぶどうはブドウ科、みかん・オレンジはミカン科、キウイはマタタビ科、メロン・すいか・きゅうりはウリ科で、いずれもバラ科ではありません。バラ科の果物で症状が出る方は、カバノキ科(ハンノキ・シラカンバ)の花粉症が背景にあることが多く、スギ花粉と関係するGRPによるものでは梅干しや缶詰でも症状が出ます。
メロンでだめなら、すいかやきゅうりも食べられませんか。+
メロン、すいか、きゅうり、ズッキーニ、かぼちゃはいずれもウリ科で、似たたんぱく質を含むため、ひとつに反応する方はほかにも反応することがあります。ただし全員がそうなるわけではなく、メロンだけがだめという方も、生のきゅうりはだめだけれど漬物や加熱調理したものは平気という方もいます。ウリ科の原因になるプロフィリンは熱に非常に弱いためです。どこまで食べられるかは診察と検査で確かめます。
「〇〇は何科ですか」と調べたのですが、受診は何科ですか。+
植物としての分類は本文の一覧表にまとめています。受診先としては、アレルギー科・内科・皮膚科のいずれでも診療します。当院はアレルギー科として、内科と皮膚科の両方の視点から診察します。果物・野菜アレルギーは花粉症が背景にあることが多いため、鼻や目の症状もあわせてうかがいます。
梅干しを食べると口がかゆくなります。梅アレルギー・梅干しアレルギーですか。+
梅(うめ)はバラ科ですが、梅干しで症状が出る場合はGRPというアレルゲンによるものを考えます。GRPは加熱や塩蔵、加工に強いため、梅干しやジャムでも症状が出ます。まぶたの腫れが出やすく、アナフィラキシーにつながることもあるタイプです。もも、さくらんぼ、柑橘類でも症状が出ることがあります。一方で、梅干しには強い酸味と塩分があり、アレルギーがなくても口の粘膜がヒリヒリすることがあります。生のうめやももでも症状が出るかどうかが区別の手がかりになりますので、診察でご相談ください。
みかんを食べると口の周りが赤くなります。下痢をすることもあります。アレルギーですか。+
どちらもアレルギーとは限りません。柑橘の果汁には酸と精油が含まれ、口の周りの皮膚に付くと刺激で赤くなります。よだれかぶれと同じ仕組みで、小さなお子さんに多く見られます。食べたあとの下痢も、果糖や食物繊維の量、冷たいまま食べること、食べすぎによることがあります。一方で、柑橘類による本当のアレルギーもあり、イネ科花粉によるものと、加熱に強いGRPによるものが知られています。じんましんが出る、のどが腫れる、まぶたが腫れるといった症状をともなう場合は受診してください。
りんごやキウイでだめでした。他の果物も食べられませんか。+
同じ科の果物や、同じ花粉と関係する果物には反応することがありますが、果物全般がだめになるわけではありません。他の食べ物にどのくらいの確率で反応するかは人によって大きく違い、決まった数字はありません。目安としては、桃・さくらんぼでだめだった方はりんご・梨・いちご・梅などバラ科の他の果物に、メロンでだめだった方はスイカ・きゅうり・ズッキーニなどウリ科の他の果物に注意します。キウイはラテックス由来ならアボカド・バナナ・くり、花粉由来ならバラ科の果物や豆乳が候補です。マンゴーで症状が出た方は、類似のウルシ科であるカシューナッツ・ピスタチオにご注意ください。実際にどこまで反応するかは人によって大きく違うため、思い込みで食べられるものを減らさないでください。
大人になってから急に果物で口がかゆくなりました。なぜですか。+
花粉症を発症したあとに、花粉と形の似たたんぱく質を含む果物へ反応が広がることがあるためです。これを花粉-食物アレルギー症候群と呼びます。それまで問題なく食べていた果物で急に症状が出はじめるのが特徴で、大人に多い出方です。ご自身がどの花粉に反応しているかを調べると、注意すべき果物をかなり絞り込めます。花粉症の自覚がない方でも、検査ではじめて分かることがあります。
家でできる果物アレルギーのチェック方法はありますか。+
ご自宅でできる確実なアレルギーチェックの方法はありません。少しだけ食べて試す、果汁を皮膚に塗ってみるといった自己流の確認は、思わぬ強い症状を招くことがあるため行わないでください。とくに、これまで口と喉のかゆみだけだった方が、体調不良や運動、飲酒が重なったときに強い症状を起こすことがあります。症状が出たことのある食べ物は、問診と検査で確かめます。
果物アレルギーは治りますか。治し方や対処法はありますか。+
症状が出たときの対処法は、口の中のものを出してうがいをし、処方された抗ヒスタミン薬を内服して様子をみることです。根本的な治し方という点では、花粉-食物アレルギー症候群によるものは、背景にある花粉症が続くかぎり続くことが多く、自然に治るとは限りません。一方で、キウイのように年齢とともに食べられるようになる方がいる食品もあります。逆にバナナは自然に食べられるようになることが少なく、血液検査の数値が下がっていても症状が出ることがあります。数値だけでは判断できないため、除去を続けている方は定期的にご相談ください。
ズッキーニやきゅうりで口がかゆいのですが、血液検査で調べられますか。+
血液検査には項目が用意されていない食べ物があり、果物・野菜では珍しくありません。また果物のアレルゲンは壊れやすく、検査用の試薬にした時点で反応が弱くなるため、血液検査が陰性でも症状が出ることがあります。当院では実物の果物・野菜をそのまま使うプリック・プリックテストを行えますので、項目が用意されていない食べ物でも調べられます。ご自宅から食材をお持ちいただく形になりますので、受診前にご相談ください。
血液検査の数値が高い果物は、食べないほうがよいですか。+
いいえ。血液検査が陽性でも、その果物を問題なく食べられることは少なくありません。症状が出たことのない食べ物を、数値が高いというだけで除去することはしません。とくに果物・野菜では、花粉に反応している影響で関連する食品の数値がまとめて上がることがあります。判定は必ず症状と合わせて行います。
マンゴーを食べると、翌日に口の周りがかぶれます。+
マンゴーはウルシ科で、ウルシかぶれの原因であるウルシオールとよく似た成分を含みます。食べてすぐに出る即時型のアレルギーとは仕組みが違い、遅れて出るタイプで、翌日から数日後に赤みや腫れ、皮むけとして出ます。この成分は果皮に多いため、皮に触れないようにカットしたものであれば食べられる方もいます。同じウルシ科のカシューナッツ、ピスタチオでも症状が出ることがあります。マンゴーはこのほかに、ヨモギ花粉やラテックスとの交差反応で口のかゆみが出ることもあります。
赤ちゃんの離乳食で、みかんやいちごを食べさせても大丈夫ですか。+
口の周りだけが赤くなる場合は、酸による刺激であることが多く、アレルギーとは限りません。食べる前に口の周りにワセリンを塗り、食べたあとにやさしく拭き取るだけで出なくなることがあります。一方で、じんましんが全身に広がる、嘔吐する、ぐったりするといった症状は受診が必要です。とくにバナナとキウイは、乳幼児では花粉と関係のない即時型アレルギーとして全身症状につながることがあります。心配だからと開始を遅らせることがかえって不利になる食品もありますので、自己判断ではなくご相談ください。
花粉症の治療をすれば、果物も食べられるようになりますか。+
舌下免疫療法はスギ花粉症とダニのアレルギー性鼻炎に対する治療で、果物・野菜アレルギーそのものを治す治療ではありません。花粉の治療で果物の症状が軽くなったという報告はありますが、必ずそうなるとは限らず、それを目的に行う治療ではありません。果物に対する経口免疫療法や食物経口負荷試験は当院では行っておらず、必要と判断した場合は体制の整った医療機関へご紹介します。
豊洲イーウェルクリニック
その果物が食べられるかを確かめたい方へ

血液検査に項目のない食べ物でも、実物の果物・野菜を使ったプリック・プリックテストで調べられます。花粉症の背景まで含めて、食べられる範囲を一緒に整理します。豊洲駅から徒歩3分、土日も診療しています。

豊洲駅から徒歩3分/土日も診療しています
REFERENCES
参考文献
  1. 日本アレルギー学会(食物アレルギー診療ガイドライン)
  2. 消費者庁(即時型食物アレルギー全国モニタリング調査・アレルギー表示)
  3. 環境再生保全機構(花粉-食物アレルギー症候群の解説)

本ページは一般的な情報提供を目的としています。食べられる範囲は、症状・年齢・検査結果をふまえて診察のうえで判断します。記載は2026年8月時点の情報です。強い症状が出たときは、記載にかかわらず救急要請をしてください。

監修医師 石川 浩雅(豊洲イーウェルクリニック)

本ページの内容は、上記の医師が監修しています。

監修記事一覧

2006年 国立国際医療センター 初期研修、2008年 同センター 後期研修。2011年 東京医科歯科大学 医療経営政策学。第一生命保険株式会社、株式会社Linc'well/クリニックフォア、医療法人社団シンシアエージェンシーを経て、2025年11月 東京都江東区豊洲に「豊洲イーウェルクリニック」開院。内科・皮膚科・アレルギー科を中心に、小児から泌尿器科領域まで幅広く診療しています。渡航ワクチンの接種にも対応しています。日本渡航医学会、日本旅行医学会、日本内科学会、日本アレルギー学会、日本産業衛生学会 所属。

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