スピロノラクトン
女性の大人にきびに効果的な『スピロノラクトン』
女性の大人のにきびの特徴は?
☑︎ 顎やフェイスラインにできるにきび
☑︎ 生理前に悪化するにきび
☑︎ ストレスで悪化するにきび
ニキビは9割の人が経験するありふれた皮膚疾患で主に思春期に発生しますが、思春期のにきびが大人になっても続いたり、大人になってからにきびを発症、再燃することもよくあります。20〜29歳の女性の50.9%、40〜49歳の女性の26.3%ににきびを認めたとの報告があります。
顎やフェイスラインに出来やすく、コメド(白にきび)が多いと言われていますが実際にはにきびが出来る場所や重症度は思春期にきびとかわりがないとも言われています。
おとなにきびの原因は?
おとなのにきびも通常のにきびと同じく、毛穴からの皮脂の分泌が増えて毛穴が詰まることが原因となります。
❶ 毛穴からの皮脂の分泌が増え、目に見えない毛穴のつまりが生じる(マイクロコメド)
❷ 皮脂が毛穴に詰まって非炎症性丘疹(白ニキビ)ができる
❸ アクネ菌などの細菌が白ニキビに感染し、痛みを伴う炎症性丘疹(赤ニキビ)となる
❹ 赤ニキビが悪化すると膿をもった膿疱性痤瘡となる
❺ そのまま放置すると瘢痕(ニキビ痕)になる
おとなにきびでは下のようなホルモンが関与してにきびができやすかったり、にきびが悪化する要因となります。
❶ アンドロゲン
アンドロゲンは皮脂の分泌を増やし、これがアクネ菌の栄養源となっているとされています。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の患者さんではアンドロゲンが高い状態にあり、多毛やにきびが代表的な症状の一つです。
❷ プロゲステロン
プロゲステロンは皮脂の分泌を増やします。生理前のにきびの原因の一つと言われています。
❸ エストロゲン
エストロゲンは皮脂を抑えたり、肌の水分量を保持する役割がありにきびと関連することがあります。
そのほかストレスや睡眠不足、生活の不規則、不適切なスキンケアなどの生活習慣が原因であることもあります。
おとなにきびに対する抗ホルモン治療
おとなにきびも通常のにきびと同じように毛穴のつまりを改善するコメド治療薬を中心に治療を行います。
抗ホルモン治療ではにきびの悪化要因であるアンドロゲンの影響をおさえるための治療法です。
ホルモン療法の対象例
☑︎ 女性
☑︎ 多毛をともなういにきび
☑︎ 他の治療法で効果が不十分なにきび
☑︎ 成人になってから始まった、悪化したにきび
☑︎ 顔の皮脂の分泌が多い
☑︎ 顎やフェイスラインに炎症性のにきび
スピロノラクトン
スピロノラクトンはアンドロゲンを抑えることで皮脂の分泌を抑えにきびを改善します。
低用量ピル
低用量ピルはアンドロゲンを抑えて皮脂の分泌を抑えます。
ホルモンの変動をおさえることもにきびの改善に繋がると考えられています。
スピロノラクトンの治療の流れ
STEP 1 初回診察と事前採血
❶ これまでの治療歴や現在のニキビの状態を確認し、スピロノラクトン適応を判断します。
❷ 必要に応じて治療開始前の採血を行います。
治療を開始(肝機能障害や脂質異常症を指摘されたことのある方は採血結果をした後に開始となるため1週間後に再度受診をしていただきます)
STEP 2 フォローアップ
❶ 2〜4週間後に再診となります。
❷ 不正出血などの副作用がないかを確認を行います。適宜採血により電解質異常などの副作用が起こっていないか確認を行います。
スピロノラクトンの副作用は?
スピロノラクトンでは月経不順や不正出血などの症状がよく見られるため、低容量ピルと併用して治療していただくことをお勧めします。
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副作用 |
発生率 |
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不正出血 |
32% |
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腹痛 |
5% |
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乳房のはり |
20% |
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下痢 |
4% |
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疲労感 |
11% |
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頭痛 |
20% |
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尿が多い |
31% |
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めまい |
19% |
稀に腎機能障害や高カリウム血症などの副作用が生じる場合があるため定期的に血液検査をお願いしています。
電解質異常(高カリウム血症・低ナトリウム血症・代謝性アシドーシスなど):不整脈・胸痛・全身倦怠感・脱力・吐き気など
急性腎不全:尿量減少・手足や顔のむくみ・頭痛など
スピロノラクトンによる治療を受けられないかた
☑︎ 妊娠中のかた、妊娠の疑いのあるかた
☑︎ 授乳中のかた
☑︎ 男性
☑︎ 心疾患、腎疾患のあるかた
☑︎ タクロリムス(商品名:プログラフ)・ミトタン(商品名:オペプリム)・エプレレノン(商品名:セララ)を投与されている方
☑︎ 高カリウム血症のかた
スピロノラクトンの費用
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スピロノラクトン 20mg |
費用 |
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30日分 |
4,400円 |
スピロノラクトンの処方は自由診療となります。
※薬剤の他に以下の通り初診料(再診料)や採血料金が必要となります。
当院で取り扱っているお薬の注意事項
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未承認医薬品等 |
スピロノラクトンは、にきび治療目的での処方は国内で承認されていません。 |
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入手経路等 |
国内の医薬品卸業者より国内承認薬を仕入れています |
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国内の承認医薬品等の有無 |
ビブラマイシン等が、にきび治療薬として国内で承認されています。 |
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諸外国の安全等の情報 および副作用 |
アメリカ食品医薬品局(FDA)において心不全、高血圧など治療薬として承認されています。 |
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医薬品副作用被害救済制度について |
万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。 |
