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急性胃炎

急性胃炎は、薬剤・アルコール・強い身体的ストレス(重症疾患・大手術など)・腐食性物質・感染などをきっかけに、短期間で胃粘膜に炎症やびらん(ただれ)が生じる状態です。外来では多くが軽症〜中等症で、原因の除去と胃酸抑制で改善します。

急性胃炎の症状は?

☑︎ 吐き気・嘔吐

☑︎ みぞおちの痛み

☑︎ 膨満感

☑︎ 食欲不振

☑︎ 重症化すると胃の粘膜に潰瘍が生じて吐血することもあります

急性胃炎の原因は?

胃の粘膜は粘液によって胃酸から保護されていますが、上記の原因によりそのバリア機能そのものがうまく働かず胃粘膜に炎症が生じ胃炎が起こると言われています。

ストレス

精神的ストレス、身体的なストレス

薬物

痛み止め(NSAIDs)、ステロイド、抗菌薬
血糖降下薬、抗がん剤

感染症

アニサキス、ヘリコバクターピロリ、細菌による食中毒

食事

アルコール摂取、刺激性食品(香辛料、カフェイン)
食物アレルゲン、高温の食事

全身性疾患

 

急性胃炎はどのように診断しますか?

❶ 問診

急性胃炎を引き起こす悪化要因の有無について確認をしていきます。

  • 過去の粘膜損傷の有無(例えば、胃炎、消化性潰瘍疾患、ポリープ切除による内視鏡的損傷、何らかの手術による損傷)。
  • 魚の生食歴
  • 有害な可能性のある薬剤や化学物質への暴露。これには、胃炎を引き起こす可能性のあるコルチコステロイドやその他の処方薬が含まれる。
  • アスピリンや非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の服用歴

❷ 診察

身体所見は多くの場合正常で、時折軽度の心窩部圧痛を認めるのみです。腹膜炎や虫垂炎などの他の疾患の可能性を考慮して診察を進めます。

❸ 血液検査、検便検査

必要に応じて適宜検査を行います。

  • 貧血の有無
  • 肝機能・膵機能検査
  • 血便検査

❹ 上部消化管内視鏡検査

症状が持続する場合には内視鏡検査を行います。胃の粘膜に潰瘍やびらん、発赤や浮腫、出血が認められます。出血が認められる場合は、内視鏡で止血処置をします。

当院では内視鏡検査が必要な場合は適切なタイミングでご紹介をさせていただきます。

急性胃炎はどのように治療しますか?

❶ 急性胃炎の原因となった要因を除去

  • 飲酒、激辛食品、タバコを中止します
  • 痛み止めなど中止可能な薬物は中止します。

❷ 内服治療

胃酸分泌を抑制する薬、胃粘膜を守る薬を使用します。

内視鏡検査により診断がついている場合に関しては、診断結果によって投与期間を決めます。

 

ヒスタミン(H2)
受容体拮抗薬

プロトンポンプ
阻害薬(PPI)

防御因子
増強薬

消化管運動
機能改善薬

特徴

酸分泌抑制

粘膜保護

消化管運動機能改善

薬剤例

 

タケプロン
パリエット
ネキシウム
タケキャブ

ムコスタ
セルベックス
スクラルファート

ガスモチン
ナウゼリン

❸内視鏡検査

腹痛や出血等症状が強い場合は、内視鏡検査を行います。内視鏡で胃の粘膜に出血がみられる場合は止血処置を行うことがあります。

❹ 点滴加療

水分や食事が摂取できない場合は点滴で栄養を補う場合があります。

急性胃炎はどのように予防しますか?

急性胃炎は原因がわかることが多いため、原因を回避することが予防につながります。ストレスや過労をできるだけ回避し、規則正しい生活や、刺激の強い食べ物、飲み物を避けるなどの心がけが大切です。

解熱鎮痛薬など、薬の中には胃を荒らしやすいものがあることや、生魚には寄生虫がいる場合もあることなどを知っておくことも役に立ちます。

 

❶規則正しい生活を心がける

❷ストレスや過労をできるだけ回避する

❸刺激の強い食べ物を過剰に摂取しない

❹過度なアルコール摂取をしない

❺非ステロイド性抗炎症剤は胃が荒れやすいものがあるため胃薬を併用する

❻生魚にはアニサキスがいる場合があるためよく観察ししっかり噛んで食べる

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