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魚アレルギーとアニサキスアレルギー

魚アレルギーは食物アレルギー患者の1.6%を占めますが、18歳以上で新たに発症した食物アレルギーの第4(9.8%)となっており成人の食物アレルギーの大きな原因となっています。

魚アレルギーの種類は?

 成人の魚に対する過敏症状は①魚アレルギー、②アニサキスアレルギー、③ヒスタミンによる食中毒に分類されます。

小児では魚アレルギーが多く、成人では小児期から継続する魚アレルギーに加えてアニサキスアレルギーの頻度が高くなります。

魚アレルギー

魚アレルギーの多くは魚の筋肉に含まれる「パルプアルブミン」が原因といわれています。アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患がある方に多く発症します。日本国内では「コラーゲン」に対するアレルギーも多く報告されています。パルプアルブミンやコラーゲンは多くの魚に含まれているため複数の種類の魚にアレルギーを認めることが多いです。ただし、魚の種類により含まれる量は異なるためすべての魚の除去が必要とは限りません。

パルプアルブミン

パルプアルブミンアレルギーはアトピーなどの皮膚疾患を持つ方に多く発症します。

熱に強いため加熱をしてもアレルギーの出やすさに変化はありません。

 水に溶けやすいため水にさらされてつくられるかまぼこではアレルギーが出ないこともあります。高圧下で高温処理することでアレルゲン性が低下するため、カツオの缶詰などは摂取可能なことが多いといわれています。

 カツオ節、サバ節などのだしは摂取可能なかたも多いといわれています。

パルプアルブミン含有量

魚種

(5mg/g以上)

キンメダイ、アカカマス、イサキ、マダイ、アカムツ、マアジ、トビウオ

(1-5 mg/g)

シログチ、ニジマス、マイワシ、サンマ、サバ、シロサケ

(1mg/g未満)

銀鮭、カツオ、メカジキ、キハダ、メバチ、ホッケ、マグロ

Food Chem 194 :345-353, 2016

 

コラーゲン

コラーゲンは多くの魚に含まれており、多くの魚に対してアレルギー反応を示したり、多くの逆なでアレルギー検査が陽性となります。

他の動物のコラーゲンではアレルギーはでないため、肉類や大豆・大豆製品をとることでたんぱく質を摂取します。

アニサキスアレルギー

 魚類やイカに多く寄生しているアニサキスを摂取することにより、蕁麻疹や腹痛や嘔吐、下痢などの消化管アレルギー、アナフィラキシーなどの症状を生じます。

摂取後6-7時間と他の食物アレルギーより時間が経ってから症状が出ることもあります。

アニサキスは加熱により死滅しますが、アニサキスアレルギーの場合は過熱をしても影響を受けないためアニスアレルギーを発症する可能性があります。

アニサキスの寄生率が低い魚や、完全養殖の魚は摂取可能な可能性があります。

アニサキス寄生率の高い魚

アニサキス寄生率の低い魚

スケソウダラ

マグロ

サクラマス

イシガキダイ

まだら

マコガレイ

ニシン

ブリ

マアジ

カンパチ

ヒラサバ

ウナギ

スルメイカ

 

カツオ

 

ゴマサバ

 

ハガツオ

 

ホッケ

 

ヒスタミンによる中毒

魚(特に赤身魚)に含まれるヒスタミンを食べることにより発症するアレルギー症状です。

生の赤身魚を常温で放置しヒスタミン量が増えた食品を摂取することにより皮膚のかゆみや蕁麻疹、消化器症状を生じます。

ヒスチジン含有量の多い魚

カツオ、キハダマグロ、クロカジキ、ブリ、
マサバ、サンマ、マイワシ、マアジ

 

魚アレルギーに対する検査は?

問診

まずは魚アレルギーの診断では詳細な問診を行います。どんな魚介類を食べて、いつ、どのような症状が出たかを詳しく聴取します。

血液検査

魚アレルギーやアニサキスアレルギーを疑った場合に特異的IgE抗体価を測定ます。

アジ、イワシ、カレイ、サケ、サバ、タラ、マグロの7種類の血液検査が可能です。

アニサキスアレルギーの診断にも血液検査が重要です。

 

 

皮膚プリックテスト

皮膚プリックテストを行います。皮膚にアレルゲン液を滴下し、細い針でほんの少し傷をつけ皮膚の中にアレルゲンをごく少量入れ、15分後に皮膚反応をみる検査です。じんましんのような皮疹が出現するかどうかを確認し、出現した場合はそのサイズを調べて評価します。 

 

食物経口負荷試験

アレルギーが確定している、もしくは疑われる食品を単回または複数回にわけて摂取し、症状が出るかを確認する検査です。

食物経口負荷試験が必要と考えられる場合は体制の整った病院を御紹介いたします。

魚アレルギーはどのように管理しますか?

医師と相談をしながら症状がでない『食べられる範囲内』で食べましょう

 複数の魚にアレルギー反応を示すかたが多いですが、すべての魚の除去が必要なわけではなく、検査で特異的IgEが高くても食べられる場合には摂取します。

STEP1 魚のダシ(カツオ節、にぼしなど)

かつお節などはたんぱく質が分解されアレルゲンが低下しています。

STEP2 マグロ缶詰め(水煮)

ツナ缶は加圧加熱処理をされ、パルプアルブミンが水煮解け出しているため低アレルゲンかされ食べられる場合があります。

プリックテストをしてから負荷試験を行うことも検討します。

STEP3 パルプアルブミンの少ない魚(マグロ、カジキ、カツオなど)

STEP4 検査結果を参考に、食べる頻度の高い魚など

他の食品でビタミンDを補いましょう

魚はビタミンDの供給源であり魚全体の除去が必要な場合は卵黄やきくらげ、干し椎茸などで補うようにしましょう。

 

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