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眼瞼炎

 

アレルギーや細菌・ウイルスの感染、アトピー性皮膚炎などにいよりまぶたの皮膚の部分に炎症が生じ、発赤やはれ、痛みなどの症状が出現します。原因に応じてステロイド外用や抗生物質による治療を行います。アレルギーが疑われる場合は適宜パッチテストを行います。まぶたの縁に炎症が生じる眼瞼縁炎の場合は眼科をご紹介することもあります。

眼瞼炎とは?

眼瞼皮膚炎

眼瞼(まぶた)は最も薄い皮膚(0.55mm)であるため、アレルゲンの侵入が容易でアレルギー性皮膚炎が原因であることが多く、眼瞼皮膚炎患者の90%が女性です。

 

前部眼瞼縁炎

黄色い浸出物がついたりまつげが抜けます。黄色ブドウ球菌の感染によるものが多く、抗生物質の点眼薬や軟膏により治療を行います。

 

後部眼瞼縁炎

  • 霰粒腫(マイボーム腺が詰まって肉芽腫性炎症を起こしている)
  • 麦粒腫(マイボーム腺やまつ毛の毛包にブドウ球菌が感染したもの)

感染が疑われる場合には抗菌薬の点眼、内服による治療を行います。

眼瞼皮膚炎の原因は?

アレルギー性接触皮膚炎は、遅延型過敏反応でありこれまでは問題なく使えていた物質でも症状が出現することがあり、アレルゲンとの接触の数日後に生じるため原因を特定するのは困難です。

アレルギー性皮膚炎

  • ステロイド外用薬
  • 点眼薬
  • 化粧品(香料、シャンプー、目元化粧品)
  • 点眼薬や軟膏の防腐剤
  • 金属(ニッケル、クロムなど)
  • マスカラやアイシャドーに含まれていることがあります(コバルト)
  • コンタクトレンズ洗浄液(コバルトが含まれる)
  • ビューラー
  • 爪についた金属によるアレルギー(爪やすりなど)
  • ネイル製品(アクリル酸、メタクリル酸ヒドロキシエチル(2 -HEMA)、メタクリル酸ヒドロキシプロピル(2-HPMA),アクリル酸2ーヒドロキシエチル、ジメタクリル酸トリエチレングリコール、メタクリル酸メチル(MMA)、アクリル酸ブチルなど)
  • シェラック(マスカラ、口紅、リップスティックなど)
  • 防腐剤
  • 植物(花粉)
  • 目がねフレーム、スイミングゴーグルなど

 

刺激性皮膚炎

  • 洗顔、化粧落としによる反応

 

アトピー性皮膚炎

眼瞼皮膚炎の14-39.5%がアトピー性皮膚炎に因るものでありアトピー性皮膚炎などの全身性疾患があるかを確認します。

 

感染症

ヘルペス、細菌など

眼瞼皮膚炎はどのように治療しますか?

原因に合わせて、治療を行います。

接触性皮膚炎

原因物質を特定するためにパッチテストなどを検討します。

特定された原因物質の除去を行います。

 

アトピー性皮膚炎

ステロイド眼軟膏や抗アレルギー薬の内服投与などを行います。

 

感染性

ヘルペスウイルスが疑われる場合は、抗ヘルペスウイルス薬の眼軟膏や及び内服薬。

その他細菌性などが疑われる場合は、抗生物質入り眼軟膏を使用します。

ステロイド軟膏を使用する際の注意点

  • 瞼の皮膚は薄いことから弱いステロイド外用薬でも効果が期待できます。
  • 眼圧が上がることがあるため最小限の仕様にとどめるように注意します。

なるべく目の中には入らないように、人さし指の先眼軟膏を乗せて親指で伸ばして少量を炎症のある部分にぬりょうにしましょう。

よく使われるステロイド軟膏

  • プレドニン眼軟膏
  • サンテゾーン0.05%眼軟膏

生活上の注意点は

肌に合う石鹸でやさしくこすりすぎないように洗浄し清潔を保ち、適度な保湿を心がけてください。脂漏性皮膚炎の関与が疑われる場合は、抗真菌成分を含んだ石鹸が有効な場合もあります。

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