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スタチン

STATIN

スタチン

スタチンは、LDLコレステロール(悪玉)を下げる飲み薬のグループです。ロスバスタチン、アトルバスタチン、ピタバスタチンなど複数の種類があり、下げたい幅に応じて使い分けます。いま飲んでいる薬の副作用が気になる方、飲み続けてよいか迷っている方に向けて、確かめ方と注意点を整理しました。

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スタチンについて

この記事の要点

このページの要点を先にまとめます。

スタチンは、肝臓でのコレステロールの合成を抑えてLDLコレステロールを下げる薬です。HMG-CoA還元酵素阻害薬(statin)とも呼ばれます。
下げる力の強さに幅があり、マイルドな「スタンダードスタチン」と、より強力な「ストロングスタチン」に分けられます。
主な副作用は筋肉の症状と肝機能の変化で、いずれも症状の確認と血液検査で早めに見つけられます。
筋肉痛・脱力・褐色尿がそろうときは、まれですが横紋筋融解症の可能性があります。すぐにご相談ください。
妊娠中・妊娠を希望される方は使えません。飲み合わせに注意が必要な薬もあります。
自己判断で中止すると、コレステロールは数週間で元の値に戻ります。やめたいときこそ、やめる前にご相談ください。

筋肉の症状が出たときは、自己判断でやめずにご相談ください

スタチンでもっとも注意したい副作用は、筋肉の障害です。まれに横紋筋融解症(おうもんきんゆうかいしょう)という重い状態に進むことがあり、次の症状がそろうときは早めの対応が必要です。

手足や肩、太ももなど、左右そろって出る筋肉の痛み・だるさ・こわばり
力が入らない、階段がのぼりにくい、腕が上がりにくいといった脱力
尿の色が濃くなる(褐色尿。紅茶やコーラのような色)
強いだるさ、発熱、吐き気をともなう
白目や皮膚が黄色くなる(黄疸。こちらは肝臓の症状です)

筋肉の症状が出たときの対応

軽い筋肉痛やだるさだけのときは、自己判断で中止せず、処方を受けている医療機関にご連絡ください。血液検査でCK(CPK)という筋肉の値を確かめれば、薬の影響かどうかを切り分けられます。運動のあとの筋肉痛や、かぜによる体の痛みと区別がつかないことも多いためです。

一方で、褐色尿をともなう強い筋肉痛や脱力があるときは、服用をいったん中止したうえで、その日のうちに受診してください。当院の診療時間外であれば、救急外来の受診もご検討ください。

中止すべきかどうか、別の薬に替えるか、量を減らすか、一日おきの服用にするかは、症状と血液検査をあわせて判断します。判断の材料をそろえるためにも、勝手にやめてしまう前にご連絡いただけると助かります。

スタチンとはどんな薬ですか

スタチンは、脂質異常症(高脂血症)の治療に使われる飲み薬のグループです。「スタチン系の薬」「スタチン系薬剤」とも呼ばれます。

スタチンの内服によって何が起きるのかを説明します。からだの中のコレステロールは、食事から取り込まれる分よりも、肝臓でつくられる分のほうが多いことが知られています。スタチンは、その合成の途中ではたらくHMG-CoA還元酵素という酵素をじゃますることで、肝臓でのコレステロールづくりを抑えます。その結果、肝臓は血液中からLDLコレステロールを多く取り込むようになり、血液中のLDLコレステロールが下がります。

英語ではstatin(複数形でstatins)と書き、正式にはHMG-CoA還元酵素阻害薬といいます。カルテや説明書でこの名前が出てきたら、同じ薬のことだと考えてください。「コレステロールを下げる薬」と説明されている場合、その多くはこのスタチンを指しています。

何のために飲む薬ですか(一次予防と二次予防)

スタチンはコレステロールの数値そのものを治す薬ではなく、動脈硬化が進んで起こる病気、つまり心筋梗塞・狭心症・脳梗塞などを起こりにくくすることを目的に使われます。数値は、その目的に近づいているかを見るための目印です。

「一次予防」と「二次予防」では、同じスタチンでも意味あいが変わります。

一次予防:まだ心筋梗塞や脳梗塞を起こしたことがない方が、これから起こさないために飲む場合です。年齢、性別、血圧、喫煙、糖尿病の有無などから見積もったリスクの高さに応じて、薬を始めるかどうか、どこまで下げるかを決めます。生活習慣の見直しが先になることもあります。
二次予防:すでに心筋梗塞や狭心症、脳梗塞などを起こしたことがある方が、再発を防ぐために飲む場合です。この場合は、より低い値を目標に、原則として長く続けることになります。
つまり「同じ数値でも、その人の背景によって、薬を飲む必要があるかどうかも、目指す値も変わります」。健診の基準値だけでは決められないのは、このためです。

スタチンの種類と強さ(一覧)

スタチンの種類は、LDLコレステロールを下げる力がマイルドな「スタンダードスタチン」(マイルドスタチンと呼ばれることもあります)と、より強力な「ストロングスタチン」に分けられます。ストロングスタチンとは、少ない量でしっかり下げられるタイプのことです。国内で使われている主なものは次のとおりです。

強さを比較すると、LDLコレステロールの下がり幅は、スタンダードスタチンでおおむね15〜20%、ストロングスタチンでおおむね30〜40%が目安とされています。同じ薬でも用量によって幅があるため、種類だけでなく用量とあわせて考えます。
一般名(成分名)と商品名は同じ薬の別の呼び方です。お薬手帳に「ロスバスタチン錠2.5mg」と書かれていればクレストールと同じ成分の後発医薬品、「アトルバスタチン錠5mg」「アトルバスタチン錠10mg」と書かれていればリピトールと同じ成分の後発医薬品です。
どれを選ぶかは、いまの値と目標との差、ほかに飲んでいる薬、腎臓や肝臓の状態、副作用が出たことがあるかどうかで決めます。強い薬がいつでもよいというわけではありません。
分類 一般名(成分名) 主な商品名 国内で販売されている錠剤の規格
ストロング ロスバスタチン クレストール 2.5mg・5mg(後発医薬品には10mgもあります)
ストロング アトルバスタチン リピトール 5mg・10mg
ストロング ピタバスタチン リバロ 1mg・2mg・4mg
スタンダード シンバスタチン リポバス 5mg・10mg・20mg
スタンダード プラバスタチン メバロチン 5mg・10mg
スタンダード フルバスタチン ローコール 10mg・20mg・30mg

規格は厚生労働省の医薬品マスタ(2026年8月版)に収載されている錠剤をもとにしています。実際に飲む量は規格とは別に決まり、1回に2錠飲むこともあります。ロバスタチンという成分名を見かけることがありますが、国内では販売されていません。

スタチンの効果はいつから出ますか

飲みはじめて2週間ほどでLDLコレステロールは下がりはじめ、4〜6週間ほどで下がり幅がほぼ落ち着くとされています。そのため、効果の判定は飲みはじめてしばらくたってからの血液検査で行います。

効果が出ていても自覚できる変化はありません。血圧の薬や痛み止めと違い、飲んで体調がよくなる薬ではないため、「効いている実感がない」ことは薬が効いていないことを意味しません。

スタチンの副作用について

「スタチンは危ない」「飲み続けて大丈夫なのか」といった情報を目にして不安になり、受診される方がいらっしゃいます。スタチンは長く使われてきた薬で、多くの方は問題なく続けられます。一方で、副作用のために飲み続けることがむずかしくなる状態があり、これをスタチン不耐といいます。スタチン不耐とは、効果がないという意味ではなく、副作用のせいで必要な量を続けられない状態のことです。

起こりうるものとして知られているのは、次の3つです。

筋肉の症状(筋障害)

もっとも多い相談が、筋肉の痛み・だるさ・こわばりです。副作用がいつから出るかについては、飲みはじめてから数週間のうちに出ることが多いとされますが、長期服用中に出ることもあります。

特徴として、左右そろって出ること、太ももや肩など体幹に近い大きな筋肉に出やすいこと、運動のあとの筋肉痛と違って休んでも引かないことが挙げられます。「足がつる」「こむら返りが増えた」という形で気づかれることもあります。

こうした症状があるときは、CK(CPK)という血液検査の値を確かめます。CKが上がっていなければ薬以外の原因を考え、上がっていれば量や種類の見直しを検討します。症状の多くは、薬を中止または変更すると数週間で軽くなっていきます。

まれに横紋筋融解症という重い状態に進むことがあります。頻度はきわめて低いものの、褐色尿をともなう強い筋肉痛や脱力があるときは急いで対応が必要です。上の「筋肉の症状が出たときは」の項目をご確認ください。

肝機能障害(肝障害)

スタチンによる肝機能障害は、飲みはじめて数か月のあいだに、AST・ALT・γ-GTといった肝臓の値が軽く上がるという形で見つかります。多くは症状がなく一過性で、飲み続けていても自然に落ち着いていきます。

なぜ肝臓の値が動くのかというと、スタチンが主に肝臓ではたらき、肝臓で分解される薬だからです。肝臓に負担がかかっていることを示すというより、薬が作用している場所の反応と考えられています。

値の上がり方が大きいときや、だるさ・食欲不振・白目や皮膚が黄色くなる(黄疸)といった症状をともなうときは、中止や変更を検討します。症状がない段階で見つけるために、定期的な血液検査を行います。

血糖への影響(糖尿病の発症リスク)

スタチンを飲んでいる方では、新たに糖尿病と診断される方がわずかに増えることが報告されています。もともと血糖が境界域にあった方が、診断の基準を超えるという形で現れることが多いと考えられています。

「スタチンを飲むと糖尿病になる」という言い方は正確ではありませんが、隠すべき話でもありません。心筋梗塞や脳梗塞を減らすという目的から見ると、その利益のほうが大きいと考えられており、現在も標準的な治療として使われています。

気になる方には、定期の血液検査で血糖やHbA1cもあわせて確認します。血糖が上がってきた場合も、スタチンをやめるのではなく、食事・運動や糖尿病側の治療で対応するのが基本です。

飲み合わせに注意が必要なもの

スタチンは、いっしょに飲む薬によって血液中の濃度が上がり、筋肉の副作用が出やすくなることがあります。次のものを使うとき、また新しく処方されるときは、スタチンを飲んでいることを必ずお伝えください。市販薬やサプリメントも同じです。

フィブラート系の薬(ベザフィブラート、フェノフィブラートなど。中性脂肪を下げる薬です):併用すると筋肉の副作用が出やすくなるため、必要な場合は慎重に組み合わせます。
マクロライド系の抗菌薬(クラリスロマイシン、エリスロマイシンなど):かぜや副鼻腔炎で処方されることがあります。
アゾール系の抗真菌薬(イトラコナゾール、ミコナゾールなど):水虫や爪白癬の飲み薬に含まれます。
シクロスポリンなどの免疫を抑える薬:組み合わせによっては併用できないスタチンがあります。
一部のHIV治療薬・C型肝炎治療薬
ワルファリン(血液をさらさらにする薬):一部のスタチンで効きめが強まることがあります。
グレープフルーツ(果肉・ジュースとも)

グレープフルーツは、薬の種類によって影響が違います

グレープフルーツは、腸や肝臓で薬を分解する酵素(CYP3A4)のはたらきをじゃまします。この酵素で分解されるスタチンでは、血液中の濃度が上がり、筋肉の副作用が出やすくなることがあります。

影響が大きいとされるのは、シンバスタチン(リポバス)とアトルバスタチン(リピトール)です。これらを飲んでいる方は、グレープフルーツやそのジュースを控えてください。ジュースを飲んでから時間をあければよい、という考え方は当てはまりません。

一方、ロスバスタチン(クレストール)、ピタバスタチン(リバロ)、プラバスタチン(メバロチン)は、この酵素での分解をあまり受けないため、影響は小さいとされています。ご自身がどれを飲んでいるかで対応が変わりますので、お薬手帳を確認するか、診察時にお尋ねください。

妊娠中・妊娠を希望される方は使えません

スタチンは、妊娠している方、妊娠している可能性のある方には使えません(禁忌)。コレステロールは胎児の発育に必要な材料であり、その合成を抑える薬だからです。授乳中も避けます。

妊娠を希望される方は、妊娠する前の段階でご相談ください。多くの場合は計画的に中止し、妊娠・授乳の期間は生活習慣による管理に切り替えます。中止しても、その期間の心筋梗塞や脳梗塞のリスクが急に高まるわけではありません。

妊娠に気づいたときにスタチンを飲んでいた場合は、自己判断で悩まず、すぐに医療機関にご連絡ください。

自己判断でやめないでください

スタチンをやめると、LDLコレステロールはおおむね数週間で服用前の値に戻ります。「数値が下がったから、もう飲まなくてよい」と考えて中止すると、下がった状態を保つことができません。下がったのは薬の効果が続いているからであって、体質が変わったわけではないためです。

とくに、心筋梗塞や脳梗塞を起こしたことがある方が自己判断で中止すると、再発のリスクが高まると考えられています。飲み忘れが続いたとき、副作用が心配になったとき、費用が負担に感じるときは、やめてしまう前にご相談ください。量を減らす、種類を変える、一日おきにする、ほかの薬と組み合わせるなど、続けるための方法があります。

効果が十分でないときは

スタチンには、量を2倍にしても下がり幅の上乗せがわずかにとどまるという性質があり、「6%ルール」と呼ばれています。肝臓での合成を抑えると、そのぶん腸からの吸収が増えるためと考えられています。そのため、量を増やし続けるのではなく、別のしくみではたらく薬を足すという考え方をとります。

よく用いられるのが、腸からのコレステロールの吸収を抑えるエゼチミブ(ゼチーア)です。しくみが違うため、組み合わせると下がり幅が大きくなります。1錠にまとめた合剤として、ロスーゼット(ロスバスタチン+エゼチミブ)、アトーゼット(アトルバスタチン+エゼチミブ)、リバゼブ(ピタバスタチン+エゼチミブ)があります。

中性脂肪が高い場合はフィブラート系やEPA製剤、家族性高コレステロール血症などでさらに強い治療が必要な場合はPCSK9阻害薬という注射薬が使われることがあります。これらは適応が限られるため、必要と判断した場合は専門の医療機関へご紹介します。

こんなときは早めに受診してください

次のような症状があるときは、次の受診を待たずにご相談ください。当院の診療時間外の場合は、救急外来の受診もご検討ください。

左右そろった筋肉の痛み・こわばりが、休んでも続く
力が入らない、階段がのぼりにくい
尿の色が濃くなった(褐色尿)
強いだるさが続く、食欲が落ちた
白目や皮膚が黄色くなった(黄疸)
新しく薬を処方されたあとに、上のような症状が出た
EXAMINATION

血液検査で確かめること

何を測るのか

スタチンを飲んでいる方の血液検査では、効果を見る項目と、副作用を見る項目の両方を確認します。

効果を見る項目:LDLコレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪(TG)
筋肉の副作用を見る項目:CK(CPK)
肝臓の副作用を見る項目:AST、ALT、γ-GT
背景の確認:血糖、HbA1c、腎機能など(必要に応じて)
症状があるときは、その症状に合わせて項目を追加します。

どのくらいの間隔で検査しますか

飲みはじめたあと、効果と副作用の両方を確かめるために一度採血を行い、その後は状態が落ち着いていれば間隔をあけていきます。実際の時期と項目は、飲んでいる薬、量、ほかの持病によって変わりますので、診察時にご説明します。

症状が出たときは、予定の検査を待たずに採血します。とくに筋肉の症状があるときは、CKを測ることで薬の影響かどうかを切り分けられます。

結果は当日には出ません

血液検査は外部の検査会社で行うため、結果は当日には出ません。後日の受診、またはオンライン診療でご説明します。

健診でコレステロールを指摘された方へ

健診でLDLコレステロールや中性脂肪の高値を指摘された段階では、すぐに薬が必要とはかぎりません。まず、どのくらいのリスクがあるのかを確かめ、食事や運動でどこまで変えられるかを見てから判断します。

脂質異常症そのものの説明や、健診で指摘されたときの進め方は、次のページにまとめています。

TREATMENT

治療と当院の役割

当院での進め方

豊洲イーウェルクリニックでは、次のように診療しています。ご不安な点は診察時にお聞かせください。

まず、一次予防か二次予防か、ほかの危険因子(血圧、喫煙、糖尿病、家族歴など)があるかを確認し、薬を始めるかどうかを一緒に決めます。
薬を始めたあとは、血液検査で効果と副作用の両方を確認します。
筋肉や肝臓の症状が疑われるときは、採血で確かめたうえで、量の調整・種類の変更・服用間隔の見直しを検討します。
ほかに飲んでいる薬との飲み合わせを確認します。お薬手帳をお持ちください。
効果が十分でないときは、量を増やすだけでなく、しくみの違う薬を足す方法を検討します。
目標とする値は、健診の基準値ではなく、その方のリスクに応じて決めます。診察時に個別にご説明します。

すでに他院でスタチンを処方されている方へ

すでに他の医療機関でスタチンを処方されていて、通院先を変えたい方、通いやすさのために近くで続けたい方もご相談いただけます。お薬手帳と、直近の血液検査の結果をお持ちください。

現在の治療内容によっては、専門の医療機関での継続をおすすめすることがあります。とくに、心筋梗塞や狭心症の治療を受けたあとの方、家族性高コレステロール血症と診断されている方は、循環器や専門外来との併診が望ましい場合があります。

通院の負担を減らしたい方へ

状態が落ち着いている方については、オンライン診療で経過を確認し、処方を継続できる場合があります。血液検査が必要なタイミングでは来院いただき、それ以外の月はオンラインで、という組み合わせも可能です。適応の可否は診察のうえで判断します。

生活習慣の見直しもあわせて

薬を飲んでいても、食事・運動・禁煙の効果がなくなるわけではありません。むしろ、生活習慣が整えば、少ない量の薬で目標に届くことがあります。

LDLコレステロールに影響しやすいのは、動物性の脂肪(脂身の多い肉、バター、生クリーム)と、加工食品に含まれるトランス脂肪酸です。中性脂肪には、アルコールと糖質(甘い飲みもの、菓子、果物のとりすぎ)が影響します。どちらが高いかで見直す場所が変わります。

COST

費用の目安

健康保険3割負担の場合の目安です。診療報酬点数と薬価から算出しています。診察の内容や検査の項目、お薬の種類によって変わります。

血液検査の費用には、月に1回だけ算定される判断料(生化学的検査の判断料)が含まれています。そのため、同じ月に2回目の採血を行う場合は判断料がかからず、費用は下がります。お薬代は1日1錠を30日分として計算した目安です。たとえばロスバスタチン錠2.5mg(後発医薬品)で約90円、クレストール錠5mg(先発医薬品)で約180円、リバロ錠2mgで約270円、エゼチミブとの合剤(ロスーゼット配合錠LDなど)で約450円です。このほかに処方箋料(約180円)と、調剤薬局でのお薬の受け取りにかかる費用が別に必要です。脂質異常症を主な病名として継続的に管理する場合には、月に1回、管理料が加わることがあります。実際の負担額は診察時にご確認ください。

FAQ

よくある質問

スタチンはどれくらいで効果が出ますか+
飲みはじめて2週間ほどでLDLコレステロールは下がりはじめ、4〜6週間ほどで下がり幅がほぼ落ち着くとされています。効果の判定は、飲みはじめてしばらくたってからの血液検査で行います。効いていても自覚できる変化はないため、実感がないことは効いていないことを意味しません。
筋肉痛が出ました。どんな痛みだと薬の副作用を疑いますか+
左右そろって出ること、太ももや肩など体幹に近い大きな筋肉に出やすいこと、休んでも引かないことが特徴とされています。「足がつる」「こむら返りが増えた」という形で気づかれることもあります。運動のあとの筋肉痛やかぜによる体の痛みと区別がつかないことも多いため、CK(CPK)という血液検査で切り分けます。自己判断で中止せず、まずはご連絡ください。ただし、尿の色が濃くなる(褐色尿)ほど強い症状のときは、いったん中止したうえでその日のうちに受診してください。
副作用はいつごろ出ますか。いつまで続きますか+
筋肉の症状は飲みはじめてから数週間のうちに出ることが多いとされますが、長期に服用している方に出ることもあります。肝臓の値の変化は、飲みはじめて数か月のあいだに見られることが多く、多くは一過性です。筋肉の症状は、薬を中止または変更すると数週間で軽くなっていくことが一般的です。
スタチンを長期服用しても大丈夫ですか。危険性はありませんか+
スタチンは長く使われてきた薬で、多くの方は長期に続けられます。長く飲むことで新たに問題が増えるというより、飲んでいるあいだは定期的に血液検査で確認していくという考え方です。副作用のために続けられない状態は「スタチン不耐」と呼ばれ、一定の割合で起こります。その場合は、量を減らす、種類を変える、一日おきにする、しくみの違う薬に替えるといった方法を検討します。
数値が下がりました。もうやめてよいですか+
やめると、LDLコレステロールはおおむね数週間で服用前の値に戻ります。下がったのは薬の効果が続いているためで、体質が変わったわけではありません。とくに心筋梗塞や脳梗塞を起こしたことがある方は、自己判断での中止は避けてください。やめたい理由が副作用や費用であれば、続けるための方法がありますので、やめる前にご相談ください。
スタチンで糖尿病になりやすくなるというのは本当ですか+
スタチンを飲んでいる方で、新たに糖尿病と診断される方がわずかに増えることが報告されています。もともと血糖が境界域にあった方が診断の基準を超える形で現れることが多いと考えられています。心筋梗塞や脳梗塞を減らすという目的から見ると利益のほうが大きいと考えられており、現在も標準的な治療として使われています。気になる場合は、定期の血液検査で血糖やHbA1cもあわせて確認します。
グレープフルーツは食べてはいけませんか+
飲んでいる薬によって変わります。シンバスタチン(リポバス)とアトルバスタチン(リピトール)は影響が大きいとされ、グレープフルーツやそのジュースは控えてください。ロスバスタチン(クレストール)、ピタバスタチン(リバロ)、プラバスタチン(メバロチン)は影響が小さいとされています。ご自身がどれを飲んでいるか、お薬手帳をご確認いただくか診察時にお尋ねください。
妊娠を考えています。飲み続けてよいですか+
スタチンは妊娠中・妊娠の可能性がある方には使えません。授乳中も避けます。妊娠を希望される場合は、妊娠する前の段階でご相談ください。多くの場合は計画的に中止し、その期間は生活習慣による管理に切り替えます。妊娠に気づいたときに飲んでいた場合は、自己判断で悩まず、すぐに医療機関にご連絡ください。
ストロングスタチンとスタンダードスタチンは何が違いますか+
LDLコレステロールを下げる力の強さが違います。スタンダードスタチン(プラバスタチン、シンバスタチン、フルバスタチン)はマイルドで、ストロングスタチン(ロスバスタチン、アトルバスタチン、ピタバスタチン)はより強力です。目標までどれだけ下げる必要があるかによって選びます。強い薬がいつでもよいというわけではなく、ほかに飲んでいる薬や腎臓・肝臓の状態もあわせて決めます。
ジェネリック(後発医薬品)に変えても効果は同じですか+
有効成分と量は同じです。「ロスバスタチン錠2.5mg」はクレストール錠2.5mgと同じ成分の後発医薬品です。費用は下がることが多く、たとえば1か月分で3割負担のとき、後発医薬品でおよそ90円、先発医薬品では180円以上になることがあります。変更を希望される場合は、診察時または薬局でお申し出ください。
目標のLDLコレステロール値まで下がりません+
量を2倍にしても下がり幅の上乗せはわずかにとどまるため(6%ルール)、量を増やし続けるのではなく、しくみの違う薬を足す方法を検討します。腸からの吸収を抑えるエゼチミブ(ゼチーア)や、それをスタチンと1錠にまとめた合剤(ロスーゼット、アトーゼット、リバゼブ)がよく用いられます。さらに強い治療が必要な場合は、専門の医療機関で注射薬などを検討することがあります。
他院でスタチンを処方されています。こちらで続けられますか+
ご相談いただけます。お薬手帳と直近の血液検査の結果をお持ちください。心筋梗塞や狭心症の治療を受けたあとの方、家族性高コレステロール血症と診断されている方などは、専門の医療機関との併診をおすすめすることがあります。診察のうえで判断します。
豊洲イーウェルクリニック
いま飲んでいるスタチンが気になっている方へ

筋肉の痛みや肝臓の値が気になって、やめようか迷っている方が少なくありません。薬の影響かどうかは、症状の出かたと血液検査で切り分けられます。やめてしまう前に、一度ご相談ください。豊洲駅から徒歩3分、土日も診療しています。オンライン診療にも対応しています。

豊洲駅から徒歩3分/土日も診療しています
REFERENCES
参考文献
  1. 日本動脈硬化学会「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版」
  2. 日本動脈硬化学会「一般の方向け情報」
  3. 厚生労働省「重篤副作用疾患別対応マニュアル」
  4. くすりの適正使用協議会「くすりのしおり」

本ページは一般的な情報提供を目的としています。診断と治療方針は診察のうえで判断します。記載している薬の種類や規格は厚生労働省の診療報酬・医薬品マスタ(2026年8月版)にもとづいており、実際に処方される薬や量は一人ひとり異なります。症状が強いときや長引くときは、記載にかかわらず受診してください。

監修医師 石川 浩雅(豊洲イーウェルクリニック)

本ページの内容は、上記の医師が監修しています。

監修記事一覧

2006年 国立国際医療センター 初期研修、2008年 同センター 後期研修。2011年 東京医科歯科大学 医療経営政策学。第一生命保険株式会社、株式会社Linc'well/クリニックフォア、医療法人社団シンシアエージェンシーを経て、2025年11月 東京都江東区豊洲に「豊洲イーウェルクリニック」開院。内科・皮膚科・アレルギー科を中心に、小児から泌尿器科領域まで幅広く診療しています。渡航ワクチンの接種にも対応しています。日本渡航医学会、日本旅行医学会、日本内科学会、日本アレルギー学会、日本産業衛生学会 所属。

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