舌下免疫療法
シダキュア・ミティキュアによる根本治療
アレルギーの原因となっているアレルゲンを少量から投与することで体をアレルゲンに慣らしてアレルギー症状を和らげる効果があり根本的な体質改善が期待できる治療法です。
アレルゲン免疫療法にはスギ抗原(シダキュア)とダニ抗原(ミティキュア)に対する治療があります。
アレルゲン免疫療法対象となる方
❶ 5歳以上
❷ スギもしくはダニにアレルギーが陽性であるアレルギー性鼻炎の方
❸ ダニアレルギーをもち、アレルギー性鼻炎を合併する軽症から中等症のアトピー型喘息の成人
アレルゲン免疫療法の効果は?
《シダキュアの効果》
✓ スギ花粉によるアレルギー性鼻炎の症状改善
✓ スギ花粉によるアレルギー性鼻炎合併喘息の悪化予防
✓ アレルギー治療薬の減量
約70%程度のかたに効果があると報告されています。
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- 10-20%の方がアレルギー治療薬が不要なほどに非常によい効果を、20-30%がよい効果を認めています。
- 20-30%の方では効果が認められません。
《ミティキュアの効果》
✓ ダニによるアレルギー性鼻炎の症状改善
✓ ダニアレルゲン陽性の喘息の軽症か
✓ 新たなアレルゲン発症の予防
✓ ダニアレルゲン陽性の小児喘息に対する治療
治療効果は90%程度と言われています
当院での舌下免疫療法の流れは?
❶ 問診・診察と血液検査
自覚症状以外にも他のアレルギー疾患の合併など確認を行います。
舌下免疫療法を行うには血液検査でダニアレルギー、スギ花粉アレルギーと診断されていることが必要となるため血液によるIgE抗体検査を実施します。
※当院でアレルギー検査を受けていなくても1年以内の検査結果をお持ちいただければ治療を開始いただけます
❷ 初回投与
クリニックにて初回投与を行います。
初回服用時は重篤な副作用がないか院内にて30分間経過観察させていただきます。診療終了前1時間前までにお越しください。
❸ 2回目以降の投与
2回目以降は自宅で1日1回服用いただきます。
❹ 2回目の通院(1週間後)
1週間後に再度受診していただき副作用などのチェックを行います。
❺ 定期通院
処方のため1カ月毎の通院が必要です。
ご希望の方は、2回目以降であれば、オンライン診療による処方も可能で、お薬がお家に届きます(配送料無料)
《服用時の注意点》
① なめずに舌下で1分間薬剤を保持する。薬剤摂取後5分はうがい、飲食禁止。
② 副作用を防ぐため本剤を服用する前後2時間程度は、激しい運動、アルコール摂取、入浴などを避けましょう。
③ 治療は3-5年の継続が必要です。
よくある質問
舌下免疫療法による副作用はありますか?
口の中の腫れ、かゆみ、不快感、のどの刺激感や不快感、耳のかゆみなどがあります。通常1か月程度内服すると落ち着いてきます。
抗ヒスタミン薬内服で対処可能です。
100万人に1人と非常にまれにアナフィラキシーが生じる可能性があります。
舌下免疫療法は、子どもや高齢者でも行えますか?
舌下免疫療法が5歳以上で治療可能です。事前の血液検査や舌の裏にしばらく薬を置いてから飲み込むこと、治療前後2時間程度は激しい運動を避けるなど注意すべき点があるため小さいお子様の場合は、保護者の方とご相談させていただいて決定しております。
65歳以上の高齢者についても治療可能ですが、年齢が高くなるほど免疫療法が有効率が低下することがわかっています。
投与期間の目安は?終了のタイミングは?
アレルゲン免疫療法の推奨される治療期間は3~5年です。
治療開始から1~2年で一度効果を判断し、効果が確認できれば合計4-5年の治療をおすすめしています。
舌下免疫療法ではいつから効果がでてきますか?
体質を改善する治療のため、治療開始からすぐ効果を確認出来る治療ではありません。初回服用から数ヶ月後のスギ花粉飛散期に大きな改善がみられる場合や2~3年後に改善がみられる場合など、効果が出るまでの期間は様々です。
舌下免疫療法の治療開始時期は?
ダニアレルギーの舌下免疫療法は開始時期を問いません。ダニアレルギー症状が出やすい時期(梅雨時・秋口)の開始は避けた方がよいでしょう。
スギ花粉アレルギーの舌下免疫療法:花粉症の飛散時期を避けて開始します。(5月中旬以降~12月)
舌下免疫療法はいつまで効果が持続しますか?
4−5年間治療を継続することでその後7年間治療効果が持続したとの報告があります。
症状が再度出現した場合は再度舌下免疫療法を行うことで効果がすぐに現れると言われています。
シダキュアとミティキュアの併用は可能ですか?
シダキュアとミティキュアは併用することが可能です。
併用治療については、4週間の間隔を開けて開始しても安全性は単独治療と同様であると言われています。
体調が悪い時はどうすれば良いですか?
以下の場合は服用を中止してください
- 喘息発作時、気管支喘息の症状が激しいとき
- 急性感染症罹患時や体調が悪いとき
- 抜歯後等口腔内の術後又は口腔内に傷や炎症等があるとき
