FAGA(女性型脱毛症)
対象となる方
男性の方、妊娠中・授乳中の方、これから妊娠を希望される方は内服できません。下の「未承認医薬品等・副作用について」を必ずご確認ください。
女性の薄毛(FAGA)
男性の薄毛とは進み方が違います
FAGAは女性型脱毛症(female androgenetic alopecia)の略で、男性のAGAとは髪の減り方が違います。生え際は保たれたまま、頭頂部から分け目にかけて全体的に薄くなっていくのが特徴です。
| 男性(AGA) | 女性(FAGA) | |
|---|---|---|
| 減り始める場所 | 生え際のM字部分、頭頂部 | 頭頂部から分け目にかけて |
| 生え際 | 後退していく | 保たれることが多い |
| 減り方 | その部分がはっきり薄くなる | 全体的に少しずつ薄くなる |
| 進み方 | 放っておくと進行する | ゆっくり進むことが多い |
| 完全に無毛になるか | 頭頂部でみられる | まれ |
生え際が後退している、円形にはっきり抜けているという場合は、FAGA以外の脱毛症を考えます。
分け目が広がる、つむじの地肌が透ける
最初に気づくきっかけとして多いのが、鏡で見たときの分け目の広がりです。髪をかき上げたときに地肌が見える範囲が増えた、後ろから撮った写真でつむじが目立つようになった、というご相談がよくあります。
抜け毛の本数そのものより、1本1本が細く短くなっていくのがFAGAの本質です。同じ本数が生えていても、髪が細くなるとボリュームが落ちて地肌が透けて見えます。
ゆっくり進むため、ご本人が気づいたときには数年たっていることも多くあります。気づいた時点で一度確かめておく意味があります。
30代以降に増えますが、若い方にも起こります
加齢とともに増えますが、20代・30代の方にも起こります。月経不順や体毛が濃い、ニキビが続くといった症状をともなう場合は、ホルモンの状態も含めて確認します。
遺伝的な体質が関係するといわれており、ご家族に薄毛の方がいるかどうかも参考にします。
効果の判定は6か月です
髪には生え変わりの周期があるため、治療の効果は短期間では判断できません。早い方で3か月ごろから抜け毛の減りを感じますが、髪の太さやボリュームの回復がはっきりするのは6か月ごろからです。6か月を目安に判定するとお考えください。
開始から1〜2か月のあいだ、一時的に抜け毛が増えることがあります。初期脱毛と呼ばれるもので、休んでいた毛包が新しい毛を押し出すために起こります。効かないから抜けているわけではありません。多くは自然に落ち着きます。
判定のために、開始前と3か月ごとに同じ角度から写真を撮っておくことをおすすめしています。毎日鏡を見ていると変化に気づきにくいためです。
塗り薬で足りないときの選択肢です
日本皮膚科学会のガイドラインでは、女性の薄毛にはミノキシジルの塗り薬が中心とされています。女性用の1%製剤は薬局で購入でき、まずここから試していただくのが基本です。
当院でご提案する内服は、塗り薬を続けても十分でなかった方、塗るのが続けられない方、そして原因を確かめたうえで踏み込みたい方が対象です。はじめから内服をおすすめしているわけではありません。
内服はどちらも国内で脱毛症の治療として承認されていない使い方になります。効果と副作用の両方をご説明したうえで、ご希望を確認してから始めます。
2つのお薬の比較
「男性ホルモンのはたらきを抑える薬」と「発毛を促す薬」があります。目的が違うため、併用すると互いを補い合います。
スピロノラクトン
ミノキシジル内服
効果の出方には個人差があります。判定は6か月を目安に行います。副作用の早期発見のため、定期的な血液検査をお願いしています。
まず原因を確かめます
女性の抜け毛は何科を受診すればよいですか
皮膚科です。ただし女性の抜け毛は、頭皮そのものの問題と、体の側の問題が混ざります。甲状腺の病気は内科、鉄の不足は内科、頭皮の状態は皮膚科と、本来なら別々の窓口になりがちです。
当院は内科・皮膚科・アレルギー科を標榜しており、そのどちらも同じ日に確かめられます。採血も頸部エコーもダーモスコピーも院内で行えるので、原因を切り分けるために何か所も回っていただく必要がありません。
「抜け毛が気になる」とだけお伝えいただければ、必要な検査はこちらで組み立てます。
女性の抜け毛は、原因が一つとは限りません
女性の薄毛でFAGAと決めてしまう前に、ほかの原因が隠れていないかを確かめます。とくに甲状腺の病気と鉄の不足は、治療すれば髪が戻る可能性があるため、見落とせません。
| 考えられる原因 | 気づく手がかり | 確かめ方 |
|---|---|---|
| 休止期脱毛 | 出産・急な減量・高熱・手術・強いストレスの2〜3か月後から | 経過をうかがいます |
| 鉄の不足 | 疲れやすい、めまい、月経の量が多い | 採血(フェリチン) |
| 甲状腺の病気 | だるさ、むくみ、体重の変化、動悸、首の腫れ | 採血と頸部エコー |
| 円形脱毛症 | 境目のはっきりした円形の脱毛 | 診察 |
| 牽引性脱毛 | ポニーテールやエクステを続けている、生え際が後退 | 診察 |
| 頭皮の炎症 | 頭皮のかゆみ、赤み、フケ | 診察 |
| 膠原病 | 関節の痛み、発疹、日光に当たると悪化する | 採血 |
| お薬の影響 | 新しく飲み始めた薬がある | お薬手帳を確認します |
複数が重なっていることもあります。FAGAの治療を始める前に、まずこれらを確認します。
採血・頸部エコー・ダーモスコピーで見分けます
抜け毛の診療でいちばん大事なのは、FAGAなのか、ほかの原因なのかを見分けることです。当院は内科と皮膚科の両方を診ているため、頭皮そのものと、体の側の原因を同じ日に確かめられます。
ダーモスコピーは、頭皮を拡大して毛穴と毛の状態を直接見る検査です。毛の太さがそろっているか、1つの毛穴から何本生えているか、毛穴が残っているかを確認します。FAGAでは太い毛と細い毛が混じるのが特徴で、円形脱毛症や瘢痕性の脱毛症とはここで見分けがつきます。
採血では甲状腺・貧血・フェリチン・肝機能などを確認します。首の腫れが気になる方は頸部エコーもその場で行います。エコーはその場で結果をご説明できますが、採血の結果は当日には出ませんので後日あらためてご説明します。
これらの検査は、症状があって原因を調べる目的であれば健康保険の対象です。
こんなときは、別の脱毛症を考えます
次のような出方をしているときは、FAGAとは別の対応が必要です。診察でご相談ください。
治療の進め方
原因を確かめてから始めます。効果の判定には半年ほどかかります。
開始から1〜2か月のあいだ、一時的に抜け毛が増えることがあります(初期脱毛)。多くは自然に落ち着きます。
料金
自由診療のため公的医療保険は適用されません。原因を調べる採血は、症状があれば保険診療で行えます。
税込スピロノラクトン[接種回数] 50mg・30日分4,400円税込ミノキシジル[接種回数] 2.5mg・50日分4,980円
税込FAGAセットスピロノラクトン50mg 100錠+ミノキシジル2.5mg 100錠(約3か月半分)22,200円
2剤をまとめてお渡しするセットです。単剤で買いそろえた場合の24,627円から10%割引になります。どちらも同じ日に飲み終わるので、100日ごとに再診と採血をしていただく流れになります。
税込自費診療の初診料1,100円税込自費診療の再診料550円税込自費の採血3,300円
自由診療のため公的医療保険は適用されません。はじめての方には、まず単剤で1か月ほど飲んでいただき、副作用がないことを確認してからセットへ移ることをおすすめしています。スピロノラクトンでは不正出血、ミノキシジル内服では多毛や動悸が出ることがあり、続けられるかどうかは飲んでみないと分からないためです。原因を調べる目的の採血・頸部エコー・ダーモスコピーは、症状があれば健康保険の対象です(3割負担の方で採血 約1,500〜3,000円、頸部エコー 約1,050円が目安)。自費の採血は、症状がなくご希望で調べる場合の料金です。
未承認医薬品等・副作用について
スピロノラクトンは、脱毛症の治療を目的とした処方が国内で承認されていません(適応外使用)。入手経路:国内の医薬品卸業者から国内承認薬を仕入れています。国内の承認医薬品等の有無:女性の脱毛症に対して国内で承認されている内服薬はありません。諸外国における安全性等に係る情報:アメリカ食品医薬品局(FDA)では心不全、高血圧などの治療薬として承認されています。
ミノキシジルは、頭皮に塗る一般用医薬品として国内で承認されていますが、内服薬としては承認されていません(未承認医薬品等)。入手経路:国内未承認の医薬品は、厚生局の正式な手続きを経て、当院医師の判断のもと輸入したものです。国内の承認医薬品等の有無:脱毛症の治療薬として国内で承認されている同一成分の内服薬はありません。外用薬(1%・5%)は一般用医薬品として承認されています。諸外国における安全性等に係る情報:FDAでは、内服薬は高血圧症の治療薬として承認されています。外用薬(2%・5%)は脱毛症の治療薬として承認されています。
医薬品副作用被害救済制度:承認された効能・効果と異なる目的で使用するため、重篤な副作用が生じた場合も国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。
スピロノラクトンの主な副作用:不正出血、尿が多い、乳房のはり、頭痛、めまい、疲労感。まれに高カリウム血症や腎機能障害が生じることがあるため、定期的な血液検査をお願いしています。
ミノキシジル内服の主な副作用:頭髪以外の多毛(顔・腕・背中)、動悸、息切れ、むくみ、血圧の低下。開始前と開始後に血圧を確認します。もともと血圧が低い方、心臓の病気がある方は慎重に判断します。
受けられない方:男性の方/妊娠中・妊娠の疑いのある方/授乳中の方/これから妊娠を希望される方/重い心疾患・腎疾患のある方/高カリウム血症の方/タクロリムス(プログラフ)・ミトタン(オペプリム)・エプレレノン(セララ)を投与されている方。
妊娠に関する注意:スピロノラクトンは胎児への影響が報告されているため、内服中は確実な避妊が必要です。妊娠を希望される時期には中止していただきます。
女性の薄毛は何科を受診すればよいですか。+
効果が出るまでどれくらいかかりますか。+
産後の抜け毛もFAGAですか。+
塗り薬(ミノキシジル外用)は使いませんか。+
市販の育毛剤と何が違いますか。+
薬をやめるとどうなりますか。+
妊娠を考えています。+
血液検査は毎回必要ですか。+
オンライン診療でもできますか。+
あわせてご相談いただくことの多いメニューです。
女性の薄毛は、甲状腺や鉄の不足が隠れていることがあります。採血と頸部エコーで確かめたうえで、必要な治療をご提案します。豊洲駅から徒歩3分、土日も診療しています。
