ニキビ外用薬の塗り方の注意点
基本の考え方
コメド治療薬とは
ニキビは毛穴がつまり、炎症を起こす病気です。この毛穴のつまりを「コメド」といいます。コメド治療薬は皮膚科で処方する塗り薬で、毛穴のつまりを改善する作用があり、殺菌作用を併せ持つものもあります。
新しいニキビができない状態を3か月以上を目安に続けることで、ニキビのできにくい肌を目指せます。
ただし使い始めに皮むけや乾燥などの刺激症状が出ることがあります。多くは徐々に慣れますし、しっかり対策すれば最小限に抑えられます。
1か月を過ぎると、刺激は減ります
塗り始めがいちばんつらく、その後はやわらいでいきます。一般的に1か月程度で徐々に改善してきます。
ベピオ・ベピオローション・デュアックに含まれる過酸化ベンゾイルでは、接触性皮膚炎(かぶれ)が起こることがあります。強い赤み、かゆみ、じくじくしたひどい腫れが出たときは使用を中止し、医師・薬剤師にご相談ください。
ニキビ治療薬の一覧 — カテゴリー別に見る
ニキビの薬は、はたらきによって5つのカテゴリーに分かれます。土台になるのが「コメド治療薬」で、炎症が強いときに抗菌薬を足し、落ち着いたらまたコメド治療薬だけに戻していく、というのが基本の流れです。
コメド治療薬(毛穴のつまりに働く薬)
白ニキビ(コメド)をできにくくする薬です。今あるニキビを治すだけでなく、次のニキビを減らすために、症状が落ち着いたあとも続けます。ニキビ治療の土台になる薬です。
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アダパレン
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過酸化ベンゾイル(BPO)
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過酸化ベンゾイル+クリンダマイシン
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過酸化ベンゾイル+アダパレン
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| 分類 | レチノイド様 | 過酸化物 | 配合剤(過酸化物+抗菌薬) | 配合剤(過酸化物+レチノイド様) |
| 使い方 | 1日1回 夜 洗顔後に広い範囲へ | 1日1回 洗顔後に広い範囲へ | 1日1回 夜 洗顔後 | 1日1回 夜 洗顔後 |
| 特徴 |
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| 副作用 | 乾燥、皮むけ、ヒリヒリ感、赤み 妊娠中・妊娠の可能性がある方は使えません |
乾燥、皮むけ、ヒリヒリ感、赤み 衣類・寝具・毛髪の脱色に注意 |
乾燥、皮むけ、ヒリヒリ感、赤み 脱色作用あり |
刺激感が最も強い 乾燥、皮むけ、赤み 妊娠中は使えません |
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抗菌薬の塗り薬(赤ニキビに使う薬)
炎症を起こした赤ニキビの菌を抑えます。単独では毛穴のつまりに効かないため、必ずコメド治療薬と併用します。耐性菌を避けるため、炎症が落ち着いたら中止します。
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ダラシンTゲル・ローション
クリンダマイシン
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アクアチム
ナジフロキサシン
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ゼビアックス
オゼノキサシン
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|---|---|---|---|
| 分類 | リンコマイシン系 | キノロン系 | キノロン系 |
| 使い方 | 1日2回 炎症性ニキビに塗布 | 1日2回 炎症性ニキビに塗布 | 1日1回 炎症性ニキビに塗布 |
| 特徴 |
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| 副作用 | かゆみ、発赤、ひりひり感 | かゆみ、刺激感、ほてり | 乾燥、ヒリヒリ感、発赤 |
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抗菌薬の飲み薬(炎症性ニキビに使う薬)
赤ニキビ・黄ニキビには抗菌薬の内服が強く推奨されています。菌を減らすだけでなく炎症を抑える作用も持ちます。耐性菌を防ぐため、1.5〜2か月で効果と継続の要否を判断し、投与は3か月以内とすることが推奨されています。
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ビブラマイシン
ドキシサイクリン
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ミノマイシン
ミノサイクリン
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ルリッド
ロキシスロマイシン
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ファロム
ファロペネム
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|---|---|---|---|---|
| 分類 | テトラサイクリン系 | テトラサイクリン系 | マクロライド系 | ペネム系 |
| 特徴 |
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| 副作用 | 吐き気、下痢、腹痛 発疹、肝障害、重度の薬疹 |
めまい、吐き気・嘔吐、便秘 頭痛、肝障害・腎障害、薬疹 長期では色素沈着に注意 |
発疹、肝障害 腹痛・下痢・嘔吐 |
発疹、肝障害・腎障害 吐き気・嘔吐・下痢 ほてり |
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漢方薬
漢方薬はニキビ治療で補助的な役割をもち、日本皮膚科学会のガイドラインでは推奨度C1(他の治療が無効であれば推奨する)です。既存の薬だけでは足りない方、できる限りの治療を行いたい方に使います。
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十味敗毒湯
ツムラ6番
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荊芥連翹湯
ツムラ50番
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清上防風湯
ツムラ58番
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桂枝茯苓丸加薏苡仁
ツムラ125番
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|---|---|---|---|---|
| 読み方 | じゅうみはいどくとう | けいがいれんぎょうとう | せいじょうぼうふうとう | けいしぶくりょうがんかよくいにん |
| 内容 | キキョウ、サイコ、センキュウ、ブクリョウ、ボクソク、ドクカツ、ボウフウ、カンゾウ、ケイガイ、ショウキョウ | オウゴン、オウバク、オウレン、キキョウ、キジツ、ケイガイ、サイコ、サンシン、ジオウ、シャクヤク、センキュウ、トウキ、ハッカ、ビャクシ、ボウフウ、レンギョウ、カンゾウ | オウゴン、キキョウ、サンシン、センキュウ、ハマボウフウ、ビャクシ、レンギョウ、オウレン、カンゾウ、キジツ、ケイガイ、ハッカ | ヨクイニン、ケイヒ、シャクヤク、トウニン、ブクリョウ、ボタンピ |
| 特徴 |
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| 対象となるニキビ | 赤ニキビの初期 | 赤ニキビは軽度で、慢性期のしこりを伴うニキビ | 黄ニキビ・赤ニキビが主体 | 月経周期に伴い悪化するニキビ |
| 共通する副作用:発疹、赤み、かゆみ、食欲不振、胃部不快感、悪心、腹痛、下痢など | ||||
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ビタミン剤
ビタミン剤のニキビへの効果は明確にはなっていませんが、体質改善やニキビ予防、ニキビ治療の補助という位置づけで処方することがあります。
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シナール配合錠
ビタミンC・B5
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ハイチオール
L-システイン
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ノイロビタン配合錠
ビタミンB群
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ユベラ錠
ビタミンE誘導体
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|---|---|---|---|---|
| 内容 | アスコルビン酸(ビタミンC) パントテン酸(ビタミンB5) |
L-システイン | オクトチアミン(B1) リボフラビン(B2) ピリドキシン(B6) シアノコバラミン(B12) |
トコフェロール酢酸エステル(ビタミンE誘導体) |
| 特徴 |
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| 副作用 | 胃の不快感・悪心・嘔吐・下痢 | 悪心・下痢 | 便秘・嘔気・下痢・めまい | 便秘・胃部不快感・下痢・発疹 |
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刺激を抑える塗り方
3つのポイント
塗り方の基本はこの3つです。
スキンテストをしながら、少しずつ広げます
いきなり顔全体に通常量を塗るのではなく、段階を踏みます。
かゆみや赤みが強く出る場合は受診してください。
よくある副作用
いずれも薬が効いていることの裏返しです。1か月を過ぎると感じる頻度は減っていきます。
刺激がつらいときの3つの方法
塗り拡げ法 — 面積を少しずつ増やす
刺激が気になるとき、いきなり顔全体ではなく1か所から始めて広げていく方法です。
ショートコンタクト法 — 短時間だけ置いて洗い流す
1/4FTU(指先から第一関節までの1/4程度)でも刺激やかさつきが出るときの方法です。
毎日続けて置く時間を伸ばしていくと、少しずつニキビは改善し、通常の使い方に戻せることもあります。
ローテーション法 — 塗る場所を日替わりにする
顔全体を毎日塗るのがつらいとき、部位を日替わりにして負担を分ける方法です。
朝と夜、それぞれ何をするか
洗顔・保湿・ニキビ薬・メイクの位置づけをまとめました。ニキビ薬は1日1回、夜に塗ります。
費用の目安
保険診療です。3割負担の方の目安を示します。
2026年8月時点の診療報酬にもとづく目安です(初診料・再診料・処方箋料)。別に薬局での薬剤費がかかります。
よくある質問
FTUとは何ですか+
副作用とかぶれはどう見分けますか+
3つの方法はどれを選べばよいですか+
洗い流してしまって効きますか+
保湿剤は先ですか、あとですか+
どのくらい続ければよいですか+
刺激がまったく治まりません+
ニキビの塗り薬でいちばん多い失敗は、「刺激がつらくて自己判断でやめてしまう」ことです。ここでご紹介した3つの方法を使えば、多くの方は続けられます。それでも難しいときは薬を変えることもできますので、次の診察でお伝えください。
