イボ(尋常性疣贅)
イボについて
急いでいる方へ — よくある4つの疑問
イボについて、とくに多くいただくご質問に先に結論をまとめます。
尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)とは — ウイルス性イボのことです
尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)は、ヒトパピローマウイルス(HPV)が皮膚の小さな傷から入り込み、皮膚の細胞の中で増えることでできます。
表面はざらざらと硬く盛り上がり、灰色や肌色をしています。痛みはないことが多いのですが、足の裏など体重がかかる場所では押されて痛むことがあります。
手指、指のまわり、足の裏、ひざなど、外からの刺激を受けやすい場所にできやすいのが特徴です。お子さんに多くみられますが、大人にもできます。
尋常性疣贅は自然に治るのか、なぜ広がるのか
イボをいじる、削る、爪でかく、ひげ剃りで傷つけるといった刺激によって、ウイルスが周りの皮膚に運ばれます。これを自家接種といいます。
とくに、爪でかいたあとに別の場所をさわると、離れた場所に新しいイボができることがあります。気になっても触らないことが、いちばんの広げない対策です。
アトピー性皮膚炎などで皮膚のバリアが弱っていると、感染しやすく広がりやすくなります。
部位で病名が変わるわけではありません
「足の裏にできたイボ」も、病名としては尋常性疣贅です。できた場所によって呼び名を変えることはありません。
ただし、足の裏のイボは体重で押されて平たく広がり、深くなりやすいため、治療に時間がかかる傾向があります。
見分け方と検査
魚の目・たこと見分けます
見分けが治療を分けます。イボに魚の目の治療を続けると、削るたびに広がることがあります。
足の裏のイボは、魚の目やたこと間違われやすく、市販の魚の目薬で対処されていることがよくあります。
| イボ(尋常性疣贅) | 魚の目(鶏眼) | |
|---|---|---|
| 原因 | ウイルスの感染 | くり返す圧迫と摩擦 |
| 削ったとき | 黒い点(点状の出血)が見える | 中心に半透明の芯がある |
| 押したとき | つまむと痛いことがある | まっすぐ押すと痛い |
| 数 | 増えることがある | 増えない |
| うつるか | うつる | うつらない |
当院で行う検査
多くは見た目と削ったときの所見で診断できます。判断に迷う場合に次を行います。
治療とセルフケア
尋常性疣贅の治療 — 液体窒素による凍結療法が基本です
マイナス196度の液体窒素を綿棒やスプレーで当て、イボの組織を凍らせて壊します。壊れた組織がはがれ落ちるとともに、ウイルスに対する体の反応も引き出されます。
1〜2週ごとにくり返します。1回では終わりません。手のイボで数回から十数回、足の裏のイボではそれ以上かかることもあります。
当てているあいだと直後に、しみるような痛みがあります。数日間、水ぶくれや黒い血まめのようになることがありますが、これは想定される経過です。破らずにそのままにしてください。
イボに組み合わせる治療 — サリチル酸(スピール膏・サリチル酸ワセリン)など
どれを選ぶかは、場所、数、大きさ、年齢によって変わります。診察のうえで判断します。
液体窒素だけで治りにくいときは、次を組み合わせます。
| 治療 | 内容 |
|---|---|
| サリチル酸の外用(絆創膏・軟膏) | 厚く硬くなった角質をやわらかくします。足の裏のイボで、液体窒素の効きをよくする目的で併用します |
| ヨクイニンの内服 | ハトムギ由来の漢方薬です。数が多いお子さんなどに用います。効果が出るまで数か月かかります |
| 局所の削り(削除) | 厚い角質を削ってから液体窒素を当てます。処置として行うもので、ご自身で削るのとは異なります |
スピール膏の貼り方と経過 — 市販のサリチル酸絆創膏を使うとき
自己判断で使う前に、そのできものがイボかどうかの確認をおすすめします。
スピール膏はサリチル酸を含む絆創膏で、厚く硬くなった角質をふやかしてやわらかくする薬です。ウイルスを殺す薬ではありません。硬い角質を減らして、液体窒素の効きをよくしたり、削りやすくしたりするために使います。
貼り方の基本は、イボの大きさに合わせて切り、患部だけに当てることです。まわりの正常な皮膚に当たると、そこも白くふやけて痛みやただれの原因になります。はみ出す場合は、まわりをワセリンで保護してください。
2〜3日ごとに貼り替え、白くふやけた部分をやさしく取り除きます。無理に削ると出血し、そこからウイルスが広がることがあります。血が出るほど削らないでください。
| 目安 | |
|---|---|
| 貼り替え | 2〜3日ごと |
| 取り除くタイミング | 白くふやけたら、やさしく。血が出るまで削らない |
| 効果の判定 | 2〜4週間使って変化がなければ、ほかの治療に切り替えます |
| 当院での使い方 | 液体窒素の前処置として、通院の合間に使っていただくことがあります |
当院では、市販のスピール膏のほかにサリチル酸ワセリンを処方することがあります。塗る量と範囲を調整できるため、指のイボや、絆創膏が貼りにくい場所に向いています。
市販薬だけで治りますか。液体窒素との使い分け
サリチル酸の外用だけで治ることもありますが、時間がかかり、途中で広がることがあります。とくに足の裏のイボは深く、市販薬だけでは届かないことが多いです。
当院では液体窒素による凍結療法を治療の中心とし、硬い角質があるときにサリチル酸を組み合わせます。この順番のほうが、結果的に通院回数が少なくて済むことが多いです。
なお、魚の目やたこと自己判断してスピール膏を貼り続けているうちにイボが広がる、というのはよくある経過です。数が増えてきた、まわりに小さいものができた、という場合は一度ご相談ください。
ミルメシア — 足の裏の、押すと痛いイボ
足の裏や手のひらにできる、内側に深く入り込むタイプのイボをミルメシアと呼びます。表面はあまり盛り上がらず、押すと痛いのが特徴で、魚の目と間違われやすいものです。
深いぶん治療に時間がかかります。液体窒素を当てることと、角質を削る処置を組み合わせて進めます。歩くたびに痛む場合は、除圧のためのパッドを併用することがあります。
治療期間と再発について
治るまでの期間は、場所と大きさ、数によって大きく変わります。手のイボで数回から十数回、足の裏では数か月以上かかることもあります。1回で終わる治療ではありません。
見た目が平らになっても、皮膚の中にウイルスが残っていることがあります。治療をやめた数か月後に同じ場所や近くに出てくることがあり、これは再発というより、残っていたものが目に見えるようになった状態です。
通院が途切れると、その間に大きくなったり数が増えたりします。間隔をあけすぎないことが、結果的に治療期間を短くします。
| 場所 | 通院の目安 | 治療期間の目安 |
|---|---|---|
| 手・指 | 1〜2週ごと | 数回〜十数回 |
| 足の裏 | 1〜2週ごと | 数か月以上かかることがある |
| 数が多い場合 | 1〜2週ごと | ヨクイニンの内服を併用することがある |
やってはいけないこと
次のことは、イボを広げたり治りを遅らせたりします。
治療が長引くとき
イボの治療は、数か月にわたることが珍しくありません。途中でやめると、残ったウイルスからまた大きくなります。
「よくなってきた」と感じたところでやめてしまい、しばらくして再び受診される方が多いところです。見た目が平らになっても、しばらくは通院を続けてください。
通院の間隔が空きすぎると、そのあいだに広がることがあります。1〜2週ごとをめやすにお越しください。
費用の目安
保険診療です。3割負担の方の目安を示します。
2026年8月時点の診療報酬にもとづく目安です。初診料、再診料、処方箋料、いぼ等冷凍凝固法は3箇所以下・4箇所以上、ダーモスコピー。再診で凍結療法のみを行った場合、窓口でのお支払いはおおむね860円です(再診料と凍結療法の合計を3割負担で計算)。通院がくり返しになるため、総額は回数によって変わります。おくすり代は調剤薬局でのお支払いとなり、別途かかります。
よくある質問
イボは何回で治りますか+
液体窒素は痛いですか+
治療のあと水ぶくれや黒いかさぶたができました+
市販薬(イボコロリなど)で治りますか+
うつりますか。家族にうつしませんか+
足の裏のイボと魚の目はどう違いますか+
子どもでも治療できますか+
放っておいたら治りますか+
HPVワクチンを打てばイボは治りますか+
何科を受診すればよいですか+
イボは削っても取れず、いじるほど広がります。液体窒素による治療は時間がかかりますが、続ければ治ります。魚の目と思って市販薬を使い続けている方も少なくありません。まず何であるかを確かめるところから始めましょう。豊洲駅から徒歩3分、土日も診療しています。
