うおのめ・たこ(鶏眼・胼胝)
魚の目とタコの違い、原因と症状
タコと魚の目の違い — 決め手は「芯」があるかどうか
魚の目(うおのめ・ウオノメ)とタコ(たこ)は、どちらも皮膚の角質が硬く分厚くなったものです。同じ原因から生まれますが、硬くなり方が違います。中心に一点、硬い芯があるのが魚の目、芯がなく面で平たく厚くなるのがタコです。
いちばんわかりやすい見分け方は、痛みの出かたです。魚の目は真上から垂直に押すと、奥にトゲが刺さったような鋭い痛みが出ます。タコは押しても鈍い痛みか、まったく痛くないことも珍しくありません。
うおのめとは、医学的な病名(医療用語)では鶏眼(けいがん)と呼ばれるもののことです。うおのめ、ウオノメ、うおの目、魚の目は、すべて同じものを指す呼び名です。タコは胼胝(べんち・胼胝腫)といいます。「タコの目」「たこのめ」という言い方もよく使われますが、これは魚の目を指している場合が多く、正しくは魚の目(鶏眼)とタコ(胼胝)は別のものです。「タコの目と魚の目の違い」としてご質問をいただくことがありますが、その多くはこの呼び名の混同です。読み方は、鶏眼が「けいがん」、胼胝が「べんち」です。正式名称(別名)は鶏眼、漢字では魚の目と書き、意味しているものは同じです。
足の裏の硬いできものは、この2つのほかに、ウイルスが原因の足底のいぼ(尋常性疣贅・足底疣贅)と、摩擦でできるマメ(豆・水ぶくれ)が混じります。治療がそれぞれ違うので、まず何なのかを決めることが出発点になります。
まとめると、タコと魚の目の違いは中心に芯があるかどうか、タコとイボの違いは皮膚のシワが途切れるかどうかで見分けます。次の表が、足の裏の硬いできものを分けるときの基本になります。
| なにか | 中心の芯 | 痛みの出かた | 皮膚のシワ | 原因 |
|---|---|---|---|---|
| 魚の目(うおのめ・鶏眼) | あり(角質の芯) | 垂直に押すと鋭い痛み | 途切れずに続く | くり返す圧迫と摩擦 |
| タコ(たこ・胼胝) | なし | 鈍い痛み、痛くないことも | 途切れずに続く | くり返す圧迫と摩擦 |
| 足底のいぼ(尋常性疣贅) | なし(黒い点が見える) | つまむと痛い | 途切れる | ヒトパピローマウイルス |
| マメ(豆・水ぶくれ) | なし(中に液がたまる) | ヒリヒリと痛い | 途切れずに続く | 短時間の強い摩擦 |
「魚の目かタコかわからない」「タコか魚の目かわからない」「タコと魚の目の見分け方が知りたい」というご相談は多く、実際に見分けにくいことがあります。特に足底のいぼは魚の目と間違えられやすく、削り方も治療も違います。写真や画像を見比べても決めきれないことがあるため、判断に迷うときは診察で確認してください。
魚の目とは — 鶏眼の芯の構造と、なぜ痛いのか
魚の目(ウオノメ・鶏眼)は、くり返し圧迫を受けた場所の角質が、内側に向かってクサビのように食い込んでできます。この食い込んだ硬い角質のかたまりが「芯」で、角質栓や核とも呼ばれます。断面で見ると、表面は小さな円形で、皮膚の奥に向かって円錐形にとがった構造をしています。
痛みが出る仕組みはここにあります。芯の先端が皮膚の深いところにある神経を押すため、体重がかかったとき、つまり歩いたときや立ったときに強い痛みが出ます。表面をいくら削っても、芯が残っていれば痛みは戻ります。
芯の中心が白く見えたり、うすい茶色の点として見えたりします。魚の目という呼び名は、この中心の芯が魚の目玉のように見えることに由来しています。
たこ(胼胝)とは — 面で厚くなる、皮膚の守りの反応
タコは、圧迫や摩擦から皮膚を守るために角質が厚くなった状態です。輪郭はなだらかで、盛り上がりが平たく、境目がはっきりしないことが多いのが特徴です。黄色っぽく、表面がなめらかに見えます。
守るための反応なので、それ自体は病気ではありません。痛みがなく生活に困っていなければ、必ずしも治療の対象になりません。ただし厚くなりすぎると、そこがさらに強く当たるようになり、内部に魚の目ができることがあります(タコの中に魚の目ができている状態です)。
ペンだこや、正座でできるタコのように、手や指、足の甲、くるぶしなど、圧迫のかかる場所ならどこにでもできます。
魚の目の原因 — なぜできるのか(くり返しの圧迫と摩擦)
魚の目はなぜできるのか、なんでできるのか。できる理由(原理)はひとつで、同じ場所に圧迫と摩擦が長くくり返し加わることです。魚の目もタコも、特別な菌やウイルスが原因ではありません。ですから原因を取り除かないかぎり、削っても同じ場所にまたできます。
実際の診察では、次のような要因が重なっていることがほとんどです。
足の裏・足の指にできるタコ(たこ)と魚の目 — 手にもできます
もっとも多いのは、足の裏で体重がかかる場所です。足の指のつけ根(母趾球や小趾球のあたり)、足裏の中央、土踏まずの外側、かかとにできます。足の指では、足の親指、小指の外側、指の腹、指と指の間(軟性鶏眼といって、汗でふやけて白くやわらかくなります)にできます。
手にもできます。ペンだこ、楽器の弦だこ、道具を握る仕事でできる手のひらや手の甲のタコ、スポーツでできる手指のタコなどです。手のタコは、痛みがなければそのままで問題ないことがほとんどですが、痛みや割れがあるときはご相談ください。
子どもの足の裏が硬い、魚の目のようだ、という場合は、足底のいぼ(尋常性疣贅)であることが少なくありません。お子さんの場合は特に見分けが必要です。
魚の目の痛み — 痛いとき、痛くないとき
痛くないのに硬い、という場合はタコのことが多く、魚の目でもごく初期や芯が浅いうちは痛みが目立ちません。逆に、小さくても押すと飛び上がるほど痛いのが魚の目の典型です。
魚の目やタコそのものは、かゆみを起こしません。硬い部分がかゆい(痒い)、皮がむける、じくじくするというときは、足白癬(水虫)や湿疹、汗による蒸れが混じっている可能性があります。かゆみがある方は、あわせて確認します。
放置しても自然に治ることはほとんどありません。圧迫が続くかぎり芯は深くなり、歩くときに痛みが強くなります。痛みをかばって歩き方が変わると、別の場所に新しい魚の目やタコができるという悪循環になります。
すぐに受診していただきたいとき
次のような変化があるときは、削らずに、そのままの状態でご相談ください。感染や潰瘍が起きているサインのことがあります。
特に糖尿病や末梢動脈疾患(足の血流が悪い状態)のある方、足の感覚が鈍い方は、痛みを感じにくいため悪化に気づくのが遅れます。小さな傷から皮膚の深い感染や潰瘍に進むことがあるため、自己処置は避けて、早めにご相談ください。
足の裏の硬いできものは、この3つが特に間違えられやすい組み合わせです。皮膚のシワ(皮膚線)が途切れているかどうかが、大きな手がかりになります。
見分けの手がかりは「中心に芯があるか」と「皮膚のシワ(皮膚線)が途切れているか」の2つです。いぼではウイルスに感染した細胞が皮膚のシワを押しのけて増えるため、シワが途切れます。黒い点は、いぼの中の細い血管が詰まったものです。判断が難しい場合は、角質を少し削って断面を見たり、ダーモスコピーで拡大して確認します。
診察でどう見分けるか
見た目と痛みの出かたを確認します
まず、できている場所、大きさ、輪郭、皮膚のシワの流れを見ます。そのうえで、真上から垂直に押したときに痛いのか(魚の目)、左右からつまんだときに痛いのか(足底のいぼ)を確かめます。この押しかたの違いだけで、かなり絞り込むことができます。
表面の角質を薄く削って、断面を確認することもあります。芯が円錐形に出てくれば魚の目、点状の出血が見えれば足底のいぼ、というように、削った面が診断の手がかりになります。
靴の当たり方や足の形も一緒に確認します。どこに圧が集中しているかがわかると、再発を防ぐ手立てが具体的になります。
ダーモスコピー(拡大して見る検査)
見分けが難しいときは、ダーモスコピーという拡大鏡を使って観察します。皮膚に光を当てて拡大して見る検査で、痛みはなく、その場ですぐに終わります。
魚の目では、中心の芯が白い環(カラー)に囲まれ、その内側に淡い褐色の構造が見えます。足底のいぼでは、黒色や赤褐色の点が集まって見え、皮膚のシワが途切れます。この違いが、見た目だけでは決めきれないときの判断材料になります。
診察は保険診療で行います(自由診療ではありません)。当院は内科・皮膚科・アレルギー科を標ぼうしており、皮膚科でも内科でもご予約いただけます。糖尿病などの持病がある方は、足の状態と持病をあわせて確認できます。
治療と再発予防
痛みを取る — 硬くなった角質と芯を削る処置
痛みの原因は、深く食い込んだ芯が神経を押していることです。そこで、医療用の器具で硬くなった角質を削り、芯を取り除きます(魚の目の除去)。周囲の正常な皮膚を傷つけないよう、削る深さを確かめながら進めます。処置のあとは、歩いたときの痛みが軽くなることが多いです。
保険診療では鶏眼・胼胝処置という処置にあたります。同じ部位については月2回までと決められています。芯が深いときや範囲が広いときは、1回で終わらず、間隔をあけて複数回に分けることがあります。
削る処置は、原因そのものを取り除くものではありません。圧迫が続けば再びできるため、あとに述べる再発予防と合わせて考えます。
皮膚をやわらかくする外用薬
硬い角質をやわらかくして取れやすくする塗り薬・貼り薬を、必要に応じて使います。どれを使うか、貼ってよい範囲はどこまでかは、皮膚の状態を見て判断します。
| 成分 | どのような薬か |
|---|---|
| サリチル酸の貼付薬(スピール膏など) | 硬くなった部分にだけ貼り、角質をふやかしてやわらかくします。数日後にはがして、やわらかくなった角質を取り除きます |
| サリチル酸ワセリン軟膏 | 硬い部分に塗って角質をやわらかくします。塗る範囲を絞って使います |
| 尿素クリーム | 角質の水分を保ち、硬さをやわらげます。かかとの乾燥やひび割れを伴うときにも使います |
サリチル酸には角質を溶かす作用があるため、はみ出して正常な皮膚につくと、赤くなったりただれたりすることがあります(かぶれ・びらん)。特に糖尿病や血流障害のある方では、この傷が潰瘍に進むことがあるため、貼付薬を自己判断で使わないでください。
やってはいけない自己処置
カッター、ハサミ、カミソリ、爪切りで自分で切る、削るという方法は避けてください。出血や細菌感染を起こしやすく、深く切ってしまうと傷あとが残ります。かばって歩くうちに、別の場所に新しい魚の目やタコができることもあります。
市販の角質軟化薬(サリチル酸の貼り薬・塗り薬)は、貼る位置と大きさを誤ると、まわりの正常な皮膚がただれます。また、足底のいぼを魚の目だと思い込んで自分で削ると、削った器具や手指を介してウイルスが周囲に散り、いぼが増えたり広がったりすることがあります。市販薬を試して良くならないときは、そもそも診断が違っている可能性があります。
削ったあとに、赤み、腫れ、膿、痛みの増強が出たときは、続けずに受診してください。
糖尿病がある方の足のトラブルについて
糖尿病で神経の障害が進むと、足の感覚が鈍くなります。痛みを感じにくいため、削りすぎても、靴ずれができても気づかないことがあります。さらに血流が悪くなっていると傷が治りにくく、小さな傷から感染が広がって、潰瘍や壊疽(えそ)に進むことがあります。これが糖尿病足病変と呼ばれる状態です。
タコや魚の目そのものが、その下に潰瘍を隠していることもあります。硬い角質の下で圧がかかり続け、内部で組織が傷んでいる場合です。ですから糖尿病のある方の足のタコ・魚の目は、自分で削らず、医療機関で状態を確認しながら処置することをおすすめします。
当院は内科と皮膚科を併設しており、血糖のコントロールと足の皮膚の状態を同じ場所で確認できます。足のしびれ、冷え、色の変化がある方は、診察の際にお伝えください。
再発を防ぐ — 靴・インソール・足の形を見直す
削って痛みが取れても、圧迫と摩擦が同じ場所にかかり続ければ、数週間から数か月でまた硬くなります。再発をくり返している方ほど、原因側を見直す価値があります。
靴の見直しがいちばん効果的です。指が中で動かせる幅と長さがあるか、かかとがしっかり固定されるか、高いヒールを毎日履いていないかを確認します。同じ靴を毎日履かず、数足を履き替えるだけでも当たる場所が変わります。歩いたあとの足の裏の赤みは、どこに圧が集中しているかを教えてくれます。
あわせて、入浴後に保湿をして角質を硬くしすぎないこと、爪を切りすぎないこと、5本指の靴下やパッドで指の間の摩擦を減らすことも役に立ちます。
足底のいぼだった場合は、治療がまったく違います
診察の結果、足底のいぼ(尋常性疣贅)だとわかった場合は、削る処置や角質をやわらかくする薬ではなく、ウイルスに感染した細胞を取り除く治療に切り替えます。魚の目と同じつもりで削り続けても良くならず、かえって広がることがあります。
いぼの治療の内容と経過については、専用のページにまとめています。
費用の目安
健康保険3割負担の場合の目安です。うおのめ・たこの診察と処置は保険診療で行います(自由診療ではありません)。
目安初診(診察)約870円(3割負担の方)目安再診(診察)約230円(3割負担の方)処置鶏眼・胼胝処置(角質と芯を削る処置)約510円(3割負担の方・1回)検査ダーモスコピー(拡大して見分ける検査)約220円(3割負担の方)お薬外用薬(サリチル酸ワセリン軟膏20g・尿素クリーム100gなど)約30〜100円(3割負担の方・薬剤費)お薬サリチル酸貼付薬(スピール膏M)約20円(3割負担の方・1枚あたり)目安処方箋料約180円(3割負担の方)
初診で削る処置を受けた場合の窓口負担は、初診料と鶏眼・胼胝処置を合わせた金額の3割負担で、約1,380円が目安です。鶏眼・胼胝処置は、同じ部位について月2回までと決められています。外用薬を処方する場合は、これに処方箋料(約180円)と調剤薬局でのお支払いが加わります。ここに挙げた金額は2026年8月時点の診療報酬点数・薬価にもとづく計算上の目安で、実際の負担額は診察の内容、加算、ご加入の保険や公費負担の状況によって変わります。
よくある質問
魚の目とタコの違いを一言で教えてください。+
「タコの目」というのは魚の目のことですか?+
魚の目の医学的な病名(医療用語)は何ですか?+
自分でカッターやハサミで削ってもいいですか?+
市販のスピール膏(サリチル酸の貼り薬)を使ってもいいですか?+
魚の目は放置するとどうなりますか。自然に治りますか?+
魚の目やタコは人にうつりますか。菌やウイルスが原因ですか?+
ステロイドの塗り薬は効きますか?+
硬いところがかゆいのですが、魚の目ですか?+
痛くないのに硬いのですが、放っておいてよいですか?+
膿が出る、赤く腫れて痛いのですが。+
何科を受診すればよいですか?+
手にも魚の目やタコはできますか?+
子どもの足の裏が硬いのですが、魚の目でしょうか?+
いぼ治療の液体窒素で魚の目は治りますか?+
何度も再発します。どうすればよいですか?+
インソール(足底板)は作ってもらえますか?+
芯を削って痛みを取るところから、靴や足の形の見直しまでご案内します。足底のいぼとの見分けも診察で確認できます。江東区豊洲、有楽町線豊洲駅から徒歩3分。土日も診療しています。WEB・LINEから24時間ご予約いただけます。
足のトラブルは原因が重なることがあります。あわせてご覧ください。
本ページは一般的な情報提供を目的としています。診断と治療方針は診察のうえで判断し、経過には個人差があります。処置や薬には、かぶれ、出血、感染などのリスクがあり、内容は診察時にご説明します。掲載している費用は2026年8月時点の診療報酬点数・薬価にもとづく目安です。写真はイメージです。
監修医師 石川 浩雅(豊洲イーウェルクリニック)
本ページの内容は、上記の医師が監修しています。
2006年 国立国際医療センター 初期研修、2008年 同センター 後期研修。2011年 東京医科歯科大学 医療経営政策学。第一生命保険株式会社、株式会社Linc'well/クリニックフォア、医療法人社団シンシアエージェンシーを経て、2025年11月 東京都江東区豊洲に「豊洲イーウェルクリニック」開院。内科・皮膚科・アレルギー科を中心に、小児から泌尿器科領域まで幅広く診療しています。渡航ワクチンの接種にも対応しています。日本渡航医学会、日本旅行医学会、日本内科学会、日本アレルギー学会、日本産業衛生学会 所属。
