肺炎
肺炎について
この記事の要点
肺炎とは?
肺炎は、細菌・ウイルス・真菌などの病原体が肺に感染し、肺に炎症が起こる病気です。
肺炎の症状 — 咳・たん・発熱
肺炎では、発熱・悪寒、咳、たん、息切れが主な症状です。かぜと違って、症状が数日で軽くならず、むしろ強くなっていくのが特徴です。
ご高齢の方では、こうした呼吸器の症状がはっきり出ないことがあります。食欲が落ちた、元気がない、ぼんやりしている、といった変化だけのこともあり、「熱が出ていないから肺炎ではない」とは言えません。熱がなくても肺炎のことがあります。
寝汗・筋肉痛・心拍数が上がる — 肺炎でみられる全身の症状
「かぜにしては汗のかき方がおかしい」「体じゅうが痛い」というご相談は少なくありません。これらは肺炎を疑う手がかりになります。
汗・寝汗。熱が上がったり下がったりするのにともなって汗が出るのが特徴です。寝間着を替えるほどの寝汗が続くときは、肺炎を含めて調べます。
筋肉痛・体の痛み。体じゅうの筋肉が痛む、首が痛い、背中が痛い、足のつけ根まで痛む、といった訴えになります。炎症にともなう全身の反応で、打ち身のような局所の痛みとは違います。
脈が速い・息が速い。じっとしていても脈が速い(心拍数が増える)、階段でいつもより息が切れる、というときは体が酸素を取り込もうとしている状態です。診察では心拍数と呼吸の回数を数え、必要に応じて血液中の酸素を測ります。
だるさ。「起き上がるのもつらいほどだるい」というだるさが続くのも特徴です。
いっぽう、鼻水やのどの痛みが目立つときは肺炎らしくありません。かぜの症状は上の方(鼻・のど)から、肺炎は下の方(肺)から起こるためです。
| 肺炎らしい | 肺炎らしくない | |
|---|---|---|
| 熱 | 高熱が数日続く。上下する | 微熱ですむことが多い |
| 汗 | 寝間着を替えるほどの寝汗 | 目立たない |
| 体の痛み | 全身の筋肉痛。首・背中・足まで | ほとんどない |
| たん | 1日を通して出る | 朝だけなど、出ても少ない |
| 呼吸 | 息が速い・苦しい。脈も速い | いつもどおり |
| 鼻・のど | あまり目立たない | 鼻水・のどの痛みが中心 |
あてはまる数が多いほど肺炎を疑いますが、これだけで決まるものではありません。胸部レントゲンで確かめます。
肺炎の原因は?
市中肺炎(家庭・職場などで発症)の原因は多様です。
約30〜45%でウイルスが検出されたことが報告されています。
こんなときは早めに受診してください
次のような症状があるときは、様子を見ずにご相談ください。当院の診療時間外の場合は、救急外来の受診もご検討ください。
検査
問診 — 何を聞かれますか
症状がいつからどう変わってきたか、持病、お仕事や生活、最近の渡航や、身近に同じ症状の方がいないかをうかがいます。
とくに寝汗・筋肉痛・1日を通して出るたん・息が速い・高熱は肺炎を示唆し、のどの痛みや鼻水は肺炎らしくない所見です。
診察 — 何を診ますか
体温に加えて脈拍と呼吸の回数を数えます。どちらも増えているときは肺炎を疑います。
のどや鼻を診てかぜの所見がないかを確かめ、胸の音を聴いて肺炎を疑う音がないかを確認します。必要に応じて血液中の酸素も測ります。
胸部レントゲン検査 — 院内で当日撮影できます
肺炎の影や胸水がないかを確認します。肺炎で異常がなくても胸部CTで肺炎がみられるケースも8%程度あるといわれており、問診や診察から肺炎が疑われる場合は肺炎として治療を行います。
血液検査 — 炎症の強さと重症度をみます
炎症の強さ(白血球・CRP)に加えて、腎臓と肝臓の働き、脱水の程度をみて重症度を評価します。肺炎では脱水や肝機能の数値の変化をともなうことがあり、外来で治療できるか、入院をお願いしたほうがよいかの判断材料になります。
心不全など、肺炎とまぎらわしい病気や合併症がないかもあわせて確認します。
当院で行う検査
肺炎かどうか、入院が必要かどうかを、その日のうちに判断するための検査です。
| 検査 | 何を見るか | いつ行うか | 窓口負担の目安(3割) |
|---|---|---|---|
| 胸部X線 | 肺炎の影があるか、どのくらい広がっているか | 受診時 | 約630円 |
| 血液検査(白血球・CRP) | 炎症の強さ。細菌性かウイルス性かの手がかり | 受診時 | 約1,300円〜
(項目数により変わります)
|
| 迅速抗原検査 | インフルエンザ・新型コロナなど、きっかけになった感染の確認 | 必要に応じて | 約680円 |
横にスクロールできます。金額は3割負担の方の目安で、採血を伴う検査は調べる項目数によって変わります。
呼吸が苦しい、酸素の値が低い、水分がとれないときは入院できる病院へご紹介します。
診察料の目安
上の検査費用に加えて、診察料がかかります。3割負担の方の目安です。
初診:約870円/再診:約230円/処方箋料:約180円
このほか、慢性の病気で計画的に管理する場合は特定疾患療養管理料や生活習慣病管理料が加わることがあります。薬代は別に薬局でお支払いいただきます。
2026年8月時点の診療報酬にもとづく目安です。実際の金額は行った検査と加算によって変わります。
治療
肺炎の治療 — 外来でできること
肺炎の治療の中心は抗菌薬です。始める前に、重症度と原因になっている菌を推定します。呼吸の状態が悪い、水分がとれない、持病が重いといった場合は入院をご提案します。
インフルエンザが陽性で発症から48時間以内であれば、抗インフルエンザ薬(タミフルなど)を5日間あわせて使います。
外来で使う抗菌薬 — サワシリン・オーグメンチン・ラスビックなど
どの菌を狙うかで薬を選びます。細菌性肺炎(肺炎球菌など)と、マイコプラズマ肺炎や肺炎クラミジアなどの非定型肺炎では効く薬が違います。
マイコプラズマ肺炎にはサワシリンやオーグメンチンといったペニシリン系は効きません。ビブラマイシンやジスロマックを使います。どちらか絞りきれないときにラスビックを選ぶことがあります。
通常は5〜7日間です。原因の菌や合併症によっては、より長く続けることがあります。薬の選択は診察のうえで判断します。
マイコプラズマ肺炎にサワシリンやオーグメンチンは効きますか
効きません。サワシリン(アモキシシリン)やオーグメンチンはペニシリン系の薬で、マイコプラズマにはもともと効きにくいためです。マイコプラズマは細胞壁を持たず、ペニシリン系はその細胞壁を壊すことで効く薬だからです。
マイコプラズマ肺炎が疑わしいときは、ビブラマイシン(ドキシサイクリン)やジスロマック(アジスロマイシン)を使います。若い方で、乾いた咳がしつこく続き、たんが少ないときに疑います。
実際には、細菌性かマイコプラズマかを最初から見分けられないことがあります。サワシリンやオーグメンチンで2〜3日たっても熱が下がらないときは、マイコプラズマなどの非定型肺炎を考えて薬を切り替えます。効かないまま飲み続けないでください。
肺炎を防ぐ — ワクチンと毎日の予防
肺炎球菌ワクチンは、肺炎の原因としていちばん多い肺炎球菌による重い肺炎を防ぐことを目的にしています。65歳以上の方、心臓や肺の持病がある方、糖尿病の方などが対象です。当院で接種できます。
インフルエンザワクチンも肺炎の予防になります。インフルエンザのあとに細菌性の肺炎を起こすことがあるためです。
あわせて、マスク・手洗い・うがい・咳エチケットを続けてください。歯みがきなどお口を清潔に保つことも、誤嚥による肺炎を防ぐうえで大切です。
肺炎は何日で治る? 仕事や学校はいつから
外来で治療できる肺炎では、抗菌薬を飲みはじめて2〜3日で熱が下がってくることが目安です。ここで良くならないときは、薬が合っていないか、別の原因を考えて見直します。
抗菌薬は5〜7日間が基本です。熱が下がっても、決められた日数は飲みきってください。
咳とたんは、熱が下がったあとも2〜3週間残ります。だるさが抜けるまでは1か月ほどかかることもあります。「治ったはずなのにすっきりしない」と感じるのはこのためで、少しずつ良くなっていれば心配はいりません。
仕事や学校に戻る目安は、熱が下がって24時間以上たち、食事がとれて、日常の動作で息切れがしないことです。肺炎はインフルエンザのように出席停止日数が決まっている病気ではないため、職場や学校の規定と、体の回復ぐあいの両方で判断します。
デスクワークと、体を使う仕事や人と接する仕事とでは戻れる時期が変わります。診断書や職場に提出する書類が必要な場合はご相談ください。
豊洲・江東区で肺炎の検査を受けるには
豊洲イーウェルクリニックでは、次のように診療しています。ご不安な点は診察時にお聞かせください。
費用の目安
健康保険3割負担の場合の目安です。診察の内容や検査の項目によって変わります。
記載は3割負担の場合の目安です。このほかに処方箋料(約180円)とお薬代がかかります。診療内容により変わります。
よくある質問
何日くらいで治りますか?+
肺の機能は回復しますか?+
何に気をつければいいですか?+
肺炎は人にうつりますか?+
どうして息苦しくなるの?+
仕事・学校はいつから再開できますか?+
本ページは一般的な情報提供を目的としています。診断と治療方針は診察のうえで判断します。症状が強いときや長引くときは、記載にかかわらず受診してください。
監修医師 石川 浩雅(豊洲イーウェルクリニック)
本ページの内容は、上記の医師が監修しています。
2006年 国立国際医療センター 初期研修、2008年 同センター 後期研修。2011年 東京医科歯科大学 医療経営政策学。第一生命保険株式会社、株式会社Linc'well/クリニックフォア、医療法人社団シンシアエージェンシーを経て、2025年11月 東京都江東区豊洲に「豊洲イーウェルクリニック」開院。内科・皮膚科・アレルギー科を中心に、小児から泌尿器科領域まで幅広く診療しています。渡航ワクチンの接種にも対応しています。日本渡航医学会、日本旅行医学会、日本内科学会、日本アレルギー学会、日本産業衛生学会 所属。
診療のご案内
内科・皮膚科・アレルギー科・泌尿器科を中心に、健康診断や予防接種、オンライン診療まで対応しています。
