経口糖尿病薬
経口糖尿病薬について
この記事の要点
メトホルミン
メトホルミンは1961年に発売されたもっとも古くから使用されている血糖降下薬ですが、今でも広く使用されている第一選択薬(まず始めに使う薬)です。
メトホルミンは主に肝臓からのブドウ糖の産生を抑えることで血糖を低下させます。
メトホルミンが適した病態
BMI、年齢によらず多くの場合第一選択となります。 下記の注意を要する病態にないことを確認します。
メトホルミンの特徴
心筋梗塞や脳卒中などのリスクを下げる効果が報告されています
量が増えるほど血糖値を下げる効果が高くなります
下痢などの症状が出現するため、少量から開始して徐々に増量をします
26週から徐々に体重の減少が認められます
安価な薬剤
メトホルミンの副作用
下痢などの消化器症状/乳酸アシドーシス
イメグリミン(ツイミーグ)
イメグリミンはミトコンドリアへの作用を介して、血糖値に応じたインスリンの分泌を促す作用と、インスリン抵抗性を改善する作用により血糖値を改善する薬剤です。
イメグリミンの副作用
便秘、胃部不快感、下痢など
こんなときは早めに受診してください
次のような症状があるときは、様子を見ずにご相談ください。当院の診療時間外の場合は、救急外来の受診もご検討ください。
治療
経口糖尿病薬
メトホルミン、DPP-4阻害薬、SGLT2阻害薬などの経口糖尿病薬について、効き方の違い、体重や腎機能による選び方、注意したい副作用を整理しました。
糖尿病薬はどのように選びますか?
1型糖尿病などでインスリンが必要な方はインスリンを使用します。
肥満(体重を減らす必要性)の有無や、合併する病気(動脈硬化性心血管疾患、心不全、慢性腎臓病)、安全に使用できるか(副作用のリスク)などを個苦慮して総合的に選択を行います。
SGLT2阻害薬
SGLT2阻害薬は腎臓で排出されるブドウ糖の再吸収を抑えて、尿に糖を多く出すことで血糖値を低下させます。
SGLT2阻害薬が適したかた
腎機能が悪化した場合には血糖低下が得られにくいことがあります。 筋肉量、筋力が低下している高齢者には注意が必要です。
SGLT2阻害薬の種類
SGLT2阻害薬は6種類が販売されています。 脳卒中や心筋梗塞、慢性腎臓病の予防に対するエビデンスの有無や1型糖尿病への適応の有無などに違いがあります。
SGLT2阻害薬は種類や投与量によって、血糖低下や体重減少効果に差があることが分かっています。
SGLT2阻害薬の副作用
低血糖
脱水(のどが渇く、体のだるさ、めまい、尿量の減少)
尿路感染症・性器感染症
便秘
ケトアシドーシス(吐き気、嘔吐、食欲減退、腹痛、倦怠感など)
皮膚の症状
GLP-1受容体作動薬
GLP-1受容体作動薬はGLP-1が膵臓に働きかけてインスリンを分泌されることで血糖値が低下します。胃の排出を抑えたり食欲を抑えたりする作用もあります。
GLP-1受容体作動薬が適した病態
GLP-1受容体作動薬の種類
GLP-1受容体作動薬
GLP-1受容体作動薬の副作用
吐き気、嘔吐、下痢、便秘などの消化器症状/頭痛、めまい/胆のう炎、膵炎など/低血糖
DPP-4阻害薬
食事をしたときに、腸管から分泌されインスリン分泌を刺激するインクレチンというホルモンの分解を抑制することにより、インスリン分泌を促進したり、血糖値を上昇させるグルカゴンの分泌を抑制して血糖値を低下させます。
DPP-4阻害薬が適した病態
DPP-4阻害薬の種類
DPP-4阻害薬の副作用
便秘、胃部不快感、下痢など/発疹、かゆみなど/まれに低血糖/極まれに類天疱瘡などの皮膚疾患が現れる可能性があります
チアゾリン薬(ピオグリタゾン)
主に脂肪組織に働きかけて脂肪細胞から分泌されるインスリン抵抗性を引き起こす物質を減少させて、その名の通りインスリン抵抗性を改善することで血糖を下げる薬です。
チアゾリン薬(ピオグリタゾン)の副作用
浮腫/体重増加/まれに心不全
膀胱癌の発症や骨折リスクの上昇と関連するとの文献もあります。
α-グルコシダーゼ阻害薬
α‐グルコシダーゼ阻害薬は、α‐グルコシダーゼの働きを阻害することで糖質の分解を抑えて、消化・吸収を遅らせることで食後の血糖値の上昇をゆるやかにします。
α-グルコシダーゼ阻害薬が適した病態
α-グルコシダーゼ阻害薬の種類
α-グルコシダーゼ阻害薬の副作用
腹部膨満感/放屁/下痢/まれに腸閉塞
グリニド薬
グリニド薬は膵臓に働いてインスリン分泌のスピードを早めて、食後の血糖の上昇を抑えます。作用持続時間は2-3時間程度で、食後のインスリン分泌量を増加させる作用はSU薬に比べて弱くなっています。
グリニド薬が適した病態
グリニド薬の種類
グリニド薬の副作用
低血糖/便秘や腹部膨満/肝機能障害
SU薬
SU薬は膵臓に働きかけてインスリン分泌を高めます。血糖値によらずに効果を発揮するため。インスリンは持続的にうながされます。.作用時間は長く12時間から24時間作用するため特に空腹時の血糖値をさげるのに効果的です。
SU薬の種類
SU薬の副作用
低血糖
インスリンの分泌が過剰になると、低血糖(血糖値が低すぎる状態)が起こることがあります。
体重増加
過食や運動不足でエネルギーが過剰な状態となるとSU薬のインスリンを分泌作用で脂肪細胞に糖が取り込まれ体重が増加します。
二次無効
食事療法・運動療法がきちんとできていても次第にSU薬の効果が弱まってくることがあります。長期にわたって高血糖状態が継続すると、β細胞の働きが弱ってしまい、インスリンを分泌する働きが低下すると考えられています。
当院での経口糖尿病薬の診療
豊洲イーウェルクリニックでは、次のように診療しています。ご不安な点は診察時にお聞かせください。
費用の目安
健康保険3割負担の場合の目安です。診察の内容や検査の項目によって変わります。
記載は3割負担の場合の目安です。このほかに処方箋料(約180円)とお薬代がかかります。診療内容により変わります。
よくある質問
メトホルミンの副作用は何ですか?+
薬はいつまで飲みますか?+
低血糖が起きやすい薬はどれですか?+
SGLT2阻害薬で気をつけることは?+
注射薬との違いは何ですか?+
監修医師 石川 浩雅(豊洲イーウェルクリニック)
本ページの内容は、上記の医師が監修しています。
2006年 国立国際医療センター 初期研修、2008年 同センター 後期研修。2011年 東京医科歯科大学 医療経営政策学。第一生命保険株式会社、株式会社Linc'well/クリニックフォア、医療法人社団シンシアエージェンシーを経て、2025年11月 東京都江東区豊洲に「豊洲イーウェルクリニック」開院。内科・皮膚科・アレルギー科を中心に、小児から泌尿器科領域まで幅広く診療しています。渡航ワクチンの接種にも対応しています。日本渡航医学会、日本旅行医学会、日本内科学会、日本アレルギー学会、日本産業衛生学会 所属。
診療のご案内
内科・皮膚科・アレルギー科・泌尿器科を中心に、健康診断や予防接種、オンライン診療まで対応しています。
