感染後咳嗽
感染後咳嗽の症状は?
- 乾いた空咳(からぜき)が主体
- 夜間〜明け方に悪化する咳
- 会話・運動・冷気で出やすい咳
風邪を引いた後に25%の方が2週間以上長引くと言われており、新型コロナウイルス感染症、インフルエンザのあとに咳が長引きやすいことが知られています。通常は3〜8週間で自然軽快し、成人の約11〜25%でみられます
感染後咳嗽は風邪様症状(鼻水、くしゃみ、鼻づまり、発熱、のどの痛みなど)が出たあとに乾いた咳が出ます。日中も見られますが夜間~朝にかけてひどくなるのが特徴です。
ウイルス感染で傷んだ気道上皮が回復するまでの間、咳反射が過敏になるのが原因と考えられています。
感染後咳嗽はどのように診断をしますか?
感染後咳嗽は典型的な風邪症状のあとに咳が長引くことと、咳が長引く他の疾患ではないことを確認することで診断します。
❶問診
風邪様症状(鼻水、くしゃみ、鼻づまり、発熱、のどの痛みなど)のあとに咳が長引くことが特徴です。喫煙やアレルギーの有無、咳が出るきっかけや時間帯、周りでの感染症の流行なども参考にします。
❷診察
のどの診察:扁桃腺の腫れや副鼻腔からの後鼻漏を確認します
呼吸音の診察:喘息や肺炎に伴う呼吸音の異常がないかを確認します
❸検査
胸部レントゲンで肺炎や結核、腫瘍などがないことを確認します。
喘息やアトピー性咳嗽が疑われる場合は血液検査、呼吸機能検査、呼気一酸化窒素濃度(FeNO)を行います。
|
検査項目 |
異常となる咳の原因疾患 |
|---|---|
|
末梢血好酸球 |
咳喘息,アトピー咳嗽,喉頭アレルギー |
|
血清IgE |
咳喘息,アトピー咳嗽,喉頭アレルギー |
|
呼吸機能検査 |
咳喘息 |
|
NO |
咳喘息 |
|
胸部レントゲン検査 |
肺炎、肺癌、結核など |
|
副鼻腔CT検査 |
副鼻腔疾患による咳嗽 |
感染後咳嗽はどのように治療しますか?
感染後が位相は自然に改善する症状ですが、睡眠障害や胸の痛みから生活の質が低下することがないように薬物治療を行います。
❶ 中枢性非麻薬性鎮咳薬
フスコデ配合錠、カフコデ配合錠などの麻薬性鎮咳薬は依存性があるため短期間に限定して使用します。
❷ 麦門冬湯
❸ 抗ヒスタミン薬
❹ 吸入薬
- レルベア
- フルティフォーム
- シムビコート など
よくある質問
感染後咳嗽って何ですか?
かぜやインフルエンザなどの“上気道感染”のあとに続く咳で、胸部レントゲンで明らかな異常がなく、通常3~8週間でおさまる咳を指します。多くは自然に軽快します。
抗生物質は必要ですか?
ほとんど不要です。百日咳や細菌性副鼻腔炎が疑われる場合に使用します。
どんな検査をしますか?
必要に応じて胸部レントゲンを行います。咳が長引く/繰り返す時は、スパイロメトリー(呼吸機能)やFeNOなどで咳喘息・好酸球性炎症の有無を確認します。
どんな薬が効きますか?
全体として強い効果を示す薬は少なく、証拠は限定的です。多くの人は時間とともに自然軽快します。
- 吸入ステロイド(ICS)は、好酸球性の関与が疑われる場合に2~4週間の試験投与を検討します。
- せき止めは症状を緩和する目的で短期使用します。持続する場合は原因検索を優先します。
生活上の対策はありますか?
水分摂取、加湿、声の使い過ぎを避ける、禁煙が基本です。1歳以上ではハチミツが咳の緩和に役立つことがあります(1歳未満は不可)。
新型コロナの後に咳が長引くのも同じ扱い?
多くは感染後咳嗽の一種ですが、気道の過敏性や好酸球性炎症が関与している例もあります。個別に評価して治療を調整します。
百日咳との見分け方は?
発作的な連続咳・笛のような吸気音(whoop)・咳の後に嘔吐があれば百日咳を疑います。百日咳が疑われる場合はLAMP検査や抗菌薬を検討します。
いつまで仕事や学校を休むべき?
感染性が高い期間(急性期)を過ぎても咳だけが残る場合は、感染力は低いことが多く、体調に合わせて日常生活へ復帰して構いません。強い咳が続く間はマスク・咳エチケットを心がけてください。
