花粉症
花粉症は、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎の中でもスギやヒノキなどの春の花粉が原因によるものが多く、主にくしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみ、充血などが生じます。
花粉症の症状は?
☑︎ くしゃみ
☑︎ 鼻水
☑︎ 鼻詰まり
アレルギー性鼻炎の3大症状は『くしゃみ』『鼻水』『鼻づまり』です。
花粉によって引き起こされるものを『季節性鼻アレルギー』、主にダニによって引き起こされ1年中症状がでるものを『通年性アレルギー性鼻炎』といいます。
花粉としてはスギ(2-4月)、ヒノキ(3-5月)、ブタクサ(8-9月)が代表的ですが、それ以外には雑草花粉(イネ科、キク科など)でも起こることがあります。ダニは6-8月の湿度、温度が高くなる時期に多く発生します。
花粉症はどのように診断しますか?
問診と診察から現在の症状がアレルギー性鼻炎によるものか診断を行います。
特定のアレルゲンに対する抗体(IgE抗体)を血液検査で調べることで診断を補助します。
アレルギー性鼻炎患者のアレルゲン抗体陽性率
イネ科アレルギー
北海道で6~9月に飛散しますが、本州以西ではほぼ1年を通して飛散します。
スギ花粉
年初から飛び始めて3月にピークを迎えて5月くらいまで飛散します。
ヒノキ花粉
スギよりも若干遅れて飛び始めて4月にピークを迎えて6月くらいまで飛散します。
ブタクサアレルギーは主に8から10月ころに症状がでる秋野かるんしょうです。ブタクサの花粉が原因で、くしゃみ・鼻水・鼻づまり、目のかゆみ、喉の違和感、咳(喘息様)などが主な症状です。
花粉症の治療
鼻アレルギー診療ガイドライン 2024年版第10版では重症度と症状に応じて治療薬を選択することを推奨しています。
くしゃみや鼻水に対しては抗ヒスタミン薬が用いられます。点鼻ステロイドも有効です。
鼻詰まり対しては抗ヒスタミンは効きにくいためロイコトリエン受容体拮抗薬や点鼻ステロイド薬を使用します。
《抗ヒスタミン薬》
抗ヒスタミン薬は全体的に症状を改善します。運転をする方や危険作業に従事する方は眠気などの副作用の少ない薬を選びます。効果が出るにはやや時間がかかりますが長く持続します。
症状が強く出る方はより効果のしっかりとした抗ヒスタミン薬や点鼻薬を併用することで症状をコントロールします。
必ずしも効果の強さと副作用の強さは比例せず、ひとによって効果も異なることから御自身に相性の良いお薬を見つけることが重要です。
症状が比較的落ち着いている方
▷ビラノアやデザレックスなど効果が標準で副作用が少ないタイプがおすすめです。
症状がしっかりと出る方
▷ルパフィンやアレロックなどしっかりとした効果が期待できるタイプがおすすめです。
飲み忘れが気になる方
▷1日1回タイプであるビラノア、デザレックス、
日常的に運転をされる方
▷添付文書に運転への制限記載がない抗ヒスタミン薬
《抗ヒスタミン薬の種類》
効果が不十分な方はタイプの違う種類に変更することで、より効果が出ることがあります。
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三環系 |
ピペラジリン骨格 |
ピペラジン骨格 |
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ルパフィン |
アレグラ |
ジルテック |
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デザレックス |
タリオン |
ザイザル |
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クラリチン |
エバステル |
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アレロック |
ビラノア |
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アレジオン |
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《ロイコトリエン拮抗薬》
ロイコトリエン拮抗薬は抗ヒスタミン薬と比べて鼻詰まりにたいして効果を発揮します。内服後1週間程度までに効果が出始め、連日内服することでより効果がでます。
❶ キプレス(モンテルカスト)
❷ オノン(プランルカスト)
《ステロイド点鼻薬》
鼻水やくしゃみ、鼻詰まりすべての症状に対して効果を発揮します。副作用が少ないことが特徴で眼の症状も改善します。
使用開始後1-2日で効果がでます。
お子さんにも使用可能でにおいなどの刺激が少ないアラミストを使うとよいでしょう。
《舌下免疫療法》
アレルギーの原因となっているアレルゲンを少量から投与することで体をアレルゲンに慣らしてアレルギー症状を和らげる効果があり根本的な体質改善が期待できる治療法です。
アレルゲン免疫療法にはスギ抗原(シダキュア)とダニ抗原(ミティキュア)に対する治療があります。
《生物学的製剤》
従来治療に反応しない重度の季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)が対象で、花粉によって産生されたIgEと結合し、IgEとマスト細胞の結合を邪魔することで、アレルギー反応を抑えます。
生活上の注意点は?
鼻のケア
- 鼻の洗浄
鼻に入り込んだ花粉やホコリなどは、洗い流すのが効果的です。ただし、水道水は塩素などを含んでいて鼻の粘膜を傷つけてしまうので、体液に近い組成の市販の生理食塩水を利用してください。 - 鼻の粘膜の保護
繰り返して鼻をかむと鼻が荒れますので、荒れてしまったら白色ワセリンなどを塗ってください。保湿ティッシュペーパーで鼻をかむことも有用です。 - 室内の加湿
鼻腔に炎症があると粘膜機能が低下するので、室内を加湿して水分を補ってください。空気が乾燥しているときはマスクが有用です。 - マスク
マスクは、花粉の飛散の多いときには吸い込む花粉をおよそ3分の1から6分の1に減らし、鼻の症状を少なくさせる効果が期待されています。
目のケア
- 目の洗浄
花粉やホコリなどの異物は、洗い流すのが効果的です。ただし、目は表面が涙で守られており、水道水で目を洗うことで細胞が傷つくことがあり、また涙も洗い流してしまうので、市販の人工涙液を利用してください。
- 目の疲労の回避
よくある質問
妊娠中ですが安心して使える薬はありますか?
妊娠中はホルモンによる血管の拡張などにより鼻炎が悪くなる方がいらっしゃいます。妊娠 初期(妊娠12週まで)は胎児のさまざまな器官が作られる時期ですので薬物治療はなるべく控えるようにします。妊娠初期でどうしても薬物治療が必要な場合は内服薬ではなく点鼻薬や点眼薬などから始めます。
妊娠5ヶ月以降においても点鼻薬や点眼薬を中心に使用しますが、効果が不十分な場合には胎児にも比較的安全で眠気などの副作用が少ないクラリチン、ジルテック、ザイザルなどを使用します。
お子さんに安心して使える薬はありますか?
スギ花粉症だけでも5~9歳で約3割、10~19歳で約半分が症状に悩まされていると言われています。小さなお子さんは大人と違い、自分の症状を上手く伝えることができません。そのため、普通の風邪と思って見過ごされるケースも少なくないため、周囲の保護者が注意深く気を付けることが大切です。
小さい子どもにも使用できる抗アレルギー薬があります。シロップやドライシロップ、チュアブルなど剤型が充実しているので、負担なく服用治療ができます。症状が出る前から飲む「初期治療」が大切です。
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商品名 |
一般名 |
適応年齢 |
剤型 |
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レボセチリジン |
ザイザル |
6ヶ月以上 |
シロップ/ドライシロップ |
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セチリジン |
ジルテック |
6ヶ月以上 |
ドライシロップ |
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フェキソフェナジン |
アレグラ |
6ヶ月以上 |
ドライシロップ |
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オロパタジン |
アレロック |
2歳以上 |
顆粒 |
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ロラタジン |
クラリチン |
3歳以上 |
ドライシロップ |
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エピナスチン |
アレジオン |
3歳以上 |
ドライシロップ |
症状が出る前に治療を始める『初期治療』は有効ですか?
花粉が飛び始める(飛散開始日)前から、予防的にお薬(抗アレルギー剤:アレルギー反応を起こしにくくするお薬)を内服(点鼻、点眼)することによって、花粉シーズン中のアレルギー症状を軽減するすることができます。この様に前もって治療を行うことを初期治療と呼びます。
少なくとも花粉飛散開始予想日の1週間前までには内服を開始するとよいでしょう。
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