メニュー

JAK阻害薬

JAK

JAK阻害薬種類の一覧・副作用・費用

 

JAK阻害薬(ヤヌスキナーゼ阻害薬)は、かゆみと炎症をおこすサイトカインの信号を細胞の内側で止める薬です。飲み薬と塗り薬があり、アトピー性皮膚炎では中等症以上が対象になります。効きめが早い一方で、感染症・帯状疱疹・血栓症などに注意が必要な薬でもあります。どんな種類があり、何を確かめてから始め、いくらかかるのかを整理しました。

豊洲駅 徒歩3分飲み薬3種類・塗り薬1種類採血とレントゲンは院内
ABOUT

JAK阻害薬とは

JAK阻害薬とは何ですか。読み方は

JAK阻害薬とは、免疫細胞の中にあるヤヌスキナーゼという酵素のはたらきを止める薬のことです。JAKとは、このヤヌスキナーゼ(Janus kinase)の略称です。JAK阻害剤とは何か、ヤヌスキナーゼ阻害剤とは何かと聞かれることもありますが、JAK阻害薬・JAK阻害剤・ヤヌスキナーゼ阻害薬・ヤヌスキナーゼ阻害剤・ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤・JAKキナーゼ阻害薬・JAK製剤は、いずれも同じものを指す呼び方です。

読み方は「ジャックそがいやく」です。ジャック阻害薬、ジャック阻害剤と書かれることもあります。JAKはヤヌスキナーゼの頭文字で、ローマ神話で前と後ろの二つの顔を持つ神ヤヌスにちなんだ名前です。

かゆみや炎症をおこす物質(サイトカイン)の信号を細胞の内側で止めるため、サイトカインを抑える薬、サイトカイン阻害薬、分子標的薬と呼ばれることもあります。アトピー性皮膚炎のほか、円形脱毛症や関節リウマチなど、いくつもの病気で使われています。

作用機序 — JAK-STAT経路をブロックします

炎症をおこすサイトカインは、細胞の表面にある受容体にくっついて「炎症をおこせ」という指令を出します。この指令を細胞の表面から核へ伝える通り道が、JAK-STAT経路です。JAKが活性化し、STATという運び手を動かして、遺伝子のスイッチを入れます。

JAK阻害薬はこの通り道の入口にあるJAKに結合して、指令が伝わらないようにします。指令そのものを外から捕まえるのではなく、受け取ったあとの伝達を内側から止める、というのが作用機序です。

JAKにはJAK1・JAK2・JAK3・TYK2の4種類があり、どれを止めるかで効きかたと副作用の出かたが変わります。たとえばJAK2は赤血球や血小板をつくる指令にも関わるため、JAK2を強く止める薬では血球の数に注意します。JAK2だけを狙うJAK2阻害薬は、骨髄線維症など血液の病気で使われる別の系統の薬です。

アトピー性皮膚炎では、バリア機能の低下・炎症・かゆみが悪循環をつくります。JAK阻害薬はこのうち炎症とかゆみの信号を内側から止めます。

飲み薬(内服)と塗り薬(外用)があります

JAK阻害薬には、体の内側から全身に効かせる経口JAK阻害薬(内服・飲み薬)と、塗ったところに効かせる外用JAK阻害薬(軟膏・塗り薬)があります。同じ「JAK阻害薬」という名前でも、対象になる方も、必要な検査も、費用も大きく違います。

経口JAK阻害剤は、塗り薬だけでは足りない中等症以上のアトピー性皮膚炎が対象です。アトピー性皮膚炎の飲み薬としては、いまのところこのJAK阻害薬が中心になります。飲む前に感染症のチェックが必要で、飲んでいる間も定期的な採血を続けます。

外用ヤヌスキナーゼ阻害薬(外用ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤)であるコレクチム軟膏は、塗った部分の炎症とかゆみに働く薬です。全身に広がる副作用は考えにくく、開始前の採血やレントゲンは必要ありません。顔にも使いやすい薬です。

このページでは、以降は飲み薬(経口JAK阻害薬)について解説します。塗り薬については専用のページをご覧ください。

経口JAK阻害薬(内服):オルミエント(バリシチニブ)、リンヴォック(ウパダシチニブ)、サイバインコ(アブロシチニブ)
外用JAK阻害薬(塗り薬・軟膏):コレクチム軟膏(デルゴシチニブ)

生物学的製剤(注射)や免疫抑制薬との違い

「JAK阻害薬と生物学的製剤は何が違うのか」は、治療を選ぶときに最もよく聞かれる質問です。デュピクセントなどの生物学的製剤は注射薬で、特定のサイトカインを1つか2つ狙い撃ちして体の外側でブロックします。JAK阻害薬は飲み薬で、複数のサイトカインの信号を細胞の内側でまとめて止めます。

狙う範囲が広いぶん、かゆみが早く和らぐ傾向が報告されている一方、感染症などへの注意も広くなります。どちらが優れているというものではなく、性格の違う2つのルートだとお考えください。

シクロスポリンなどの従来の免疫抑制剤は、免疫のはたらき全体を広く抑える薬でした。JAK阻害薬はサイトカインの伝達経路を狙って止める分子標的薬で、考え方が異なります。ただし免疫に関わる薬であることに変わりはなく、感染症への注意は必要です。

比べるところ JAK阻害薬(飲み薬) 生物学的製剤(注射)
使いかた 1日1回の内服。状態に応じて減量・中断・再開ができます 2週から4週ごとの注射。薬により間隔が違います
効きかた かゆみが比較的早く和らぐ報告があります 皮疹に対して安定した効果が続きやすいとされます
始める前の検査 血液検査と胸部レントゲン 血液検査(レントゲンは不要)
主に注意すること 感染症、帯状疱疹、血栓症、悪性腫瘍、血球や肝機能の変化 注射部位の反応、目の症状(結膜炎など)
検討されやすい場面 かゆみが強く眠れない、頭や首の湿疹が強い、注射を避けたい ぜんそくなど他のアレルギーの合併がある、注射でもよい、長く安定させたい

どちらを選ぶかは、症状の出かた、年齢、持病、妊娠の希望、通院のしやすさ、費用をふまえて診察のうえで決めます。当院では注射(生物学的製剤)の自己注射の指導も行っており、内服から注射へ、注射から内服へ切り替えることもできます。

JAK阻害薬の適応疾患 — アトピー性皮膚炎以外にも使われます

JAK阻害薬は皮膚科だけの薬ではありません。適応疾患は薬ごとに決められており、同じJAK阻害剤でも使える病気が違います。下の一覧は代表的なものです。

当院で扱っているのは、アトピー性皮膚炎に対するJAK阻害薬の内服と外用です。円形脱毛症についてはご相談ください。乾癬、関節リウマチ、潰瘍性大腸炎、骨髄線維症などの血液疾患については、当院では診断と初期の相談までを行い、治療は専門の医療機関へご紹介しています。

なお、アトピー性皮膚炎に使う経口JAK阻害薬には最適使用推進ガイドラインが定められており、処方する医師と医療機関について要件(医師要件・施設要件)が示されています。どこの医療機関でも処方できる薬ではないため、他院で処方を受けていた方が転院される場合は、お薬手帳や紹介状をお持ちください。

薬(一般名) 主な適応疾患 当院での扱い
オルミエント(バリシチニブ) アトピー性皮膚炎、円形脱毛症、関節リウマチ、SARS-CoV-2による肺炎 アトピー性皮膚炎で処方しています
リンヴォック(ウパダシチニブ) アトピー性皮膚炎、関節リウマチ、乾癬性関節炎、強直性脊椎炎、潰瘍性大腸炎、クローン病 アトピー性皮膚炎で処方しています
サイバインコ(アブロシチニブ) アトピー性皮膚炎 アトピー性皮膚炎で処方しています
コレクチム軟膏(デルゴシチニブ) アトピー性皮膚炎(外用) 処方しています
ゼルヤンツ、スマイラフ、ジセレカ など 関節リウマチ、潰瘍性大腸炎など 当院では扱っていません(専門医療機関へご紹介)
ジャカビ(ルキソリチニブ)など 骨髄線維症、真性多血症などの血液の病気 当院では扱っていません(専門医療機関へご紹介)

適応疾患・用法用量は添付文書と最適使用推進ガイドラインで定められており、改訂されることがあります。実際に使えるかどうかは診察のうえで判断します。乾癬に対する全身療法と、紫外線を当てる光線療法(紫外線療法)は当院では行っておらず、必要な場合は連携先へご紹介しています。

EXAMINATION

始める前の条件と検査

経口JAK阻害薬の対象になる方(3つの条件)

アトピー性皮膚炎で飲み薬のJAK阻害薬を始めるには、次の3つを満たしている必要があります。軽症の方には使えません。塗り薬とスキンケアを十分に行っても足りない、という段階で検討する薬です。

重症度は見た目の印象ではなく、決められたものさしで点数化して判断します。IGAは全体の重症度を0から4で表したもの、EASIは体の部位ごとに赤み・厚み・かき傷・苔癬化を点数にして合計したもの、BSAは体表面積に占める病変の割合です。

これまでの治療で効果が不十分なこと(ステロイド外用薬やタクロリムス軟膏などを適切に使っても落ち着かない)
年齢の条件を満たすこと(オルミエントは2歳以上、リンヴォックとサイバインコは12歳以上)
重症度の条件を満たすこと(IGAスコア3以上、かつEASIスコア16以上または頭頸部のEASIスコア一定以上、かつBSA10%以上)

始める前に必要な検査

免疫のはたらきに関わる薬なので、隠れている感染症がないかを先に確かめます。特にB型肝炎・C型肝炎と結核は、治療を始めてから活性化すると重い経過をたどることがあるため、開始前のスクリーニングが必須です。

血液検査では、肝炎ウイルスと結核の検査(IGRA、インターフェロンガンマ遊離試験)に加えて、白血球・ヘモグロビン・血小板といった血球の数と、肝機能・腎機能・脂質を確認します。胸部レントゲンでは結核などの肺の病変がないかを見ます。

当院では採血と胸部レントゲンをどちらも院内で行えます。胸部レントゲンは当日その場で結果をご説明できますが、血液検査は外部の検査会社に依頼するため当日には出ません。後日の受診またはオンライン診療でご説明します。

開始前の検査 飲み薬(経口JAK阻害薬) 塗り薬(外用JAK阻害薬)
血液検査 必要 不要
胸部レントゲン 必要 不要
開始後の定期採血 必要 不要

生ワクチン(麻疹、風疹、おたふくかぜ、水痘、帯状疱疹の生ワクチンなど)は内服中は接種できません。接種が必要な方は開始前にお申し出ください。帯状疱疹の不活化ワクチンは内服中でも接種できます。妊娠中および妊娠を希望される方には使用できないため、ご計画がある場合は必ず事前にお伝えください。

始めたあとの通院と検査

開始後も、効きめと副作用の両方を確かめるために定期的に通院と血液検査を続けます。間隔は薬と状態によって変わりますが、開始してしばらくはこまめに確認します。

血球の数、肝機能、腎機能、脂質の変化を追いながら、皮膚の状態に合わせて用量を調整します。飲み薬を始めても保湿と塗り薬は続け、落ち着いてきてから段階的に減らします。

検査を受けずに内服だけを続けることはできません。通院の負担も含めて、続けられそうかを開始前に一緒に確認します。

TREATMENT

飲み薬3種類の一覧と選び方

経口JAK阻害薬3種類の比較一覧

アトピー性皮膚炎で使える飲み薬のJAK阻害薬は、オルミエント(バリシチニブ)、リンヴォック(ウパダシチニブ)、サイバインコ(アブロシチニブ)の3種類です。いずれも1日1回の内服です。

止めるJAKの種類、使える年齢、報告されている副作用の傾向が少しずつ違います。3剤の使い分けは、年齢、症状の出かた、持病、併用薬、費用をふまえて決めます。

名称(一般名) 阻害する分子 対象年齢 用量 特徴と注意点
オルミエント(バリシチニブ) JAK1・JAK2 2歳以上 2mg または 4mg 3剤のなかで唯一2歳以上のお子さんに使えます。腎機能に応じた用量の目安がはっきりしています。JAK2も止めるため血球の数に注意します
リンヴォック(ウパダシチニブ) JAK1 12歳以上 15mg または 30mg かゆみが内服2日目という早い時点で和らいだ報告があります。ニキビの報告が他剤よりやや多くみられます
サイバインコ(アブロシチニブ) JAK1 12歳以上 100mg または 200mg かゆみが4日目に和らいだ報告があります。吐き気が出ることがあり、多くは2週間ほどで落ち着きます

効果の出かたには個人差があります。ここに書いた日数は臨床試験で報告された目安で、すべての方に同じように当てはまるものではありません。ジェネリック医薬品(後発医薬品)は、いずれの薬にも現時点では発売されていません。

 

JAK阻害薬の副作用 — 必ず知っておいていただきたいこと

経口JAK阻害薬には、重い感染症、悪性腫瘍、血栓症、心血管系の事象について、添付文書の冒頭に警告が置かれています。効きめが早い薬である一方、リスクを理解したうえで、決められた検査を続けながら使う薬です。

もっとも多いのは感染症です。免疫のはたらきが下がるため、かぜや肺炎にかかりやすくなり、帯状疱疹や口唇ヘルペスが出やすくなります。また、熱やだるさといった「感染症のサイン」自体が出にくくなることがあり、気づくのが遅れることがあります。

悪性腫瘍については、関節リウマチの患者さんを対象にした海外の大規模試験で、比較対象の薬より悪性腫瘍と心血管系の事象が多かったという報告があります。この結果をふまえ、喫煙歴のある方、心血管系の危険因子をお持ちの方、悪性腫瘍の既往がある方では、より慎重に検討します。

副作用 内容と気づきかた
感染症 かぜ、肺炎、尿路感染など。発熱、寒け、咳、たん、のどの痛み、腹痛、下痢、排尿時の痛み、頻尿、口内炎や歯ぐきの痛みなど
帯状疱疹・単純ヘルペス 体の片側に帯状に出る痛みと水ぶくれ、口のまわりのはれと水ぶくれ。JAK阻害薬で比較的よくみられます
静脈血栓症・肺塞栓症 ふくらはぎの色の変化、痛み、はれ。急な息苦しさ、胸の苦しさ。ただちに受診が必要です
悪性腫瘍(非黒色腫皮膚がんを含む) これまでなかったほくろ、赤いイボや治らない湿疹のようなものができた、大きくなってきた
血球減少・肝機能や腎機能の変化 自覚症状が出ないことが多く、定期的な血液検査で見つけます
脂質の上昇 コレステロールや中性脂肪が上がることがあります。血液検査で確認します
吐き気・嘔吐 開始から1週間から2週間ごろに出やすい副作用です。多くは胃薬や吐き気止めで対応できます
ニキビ(ざ瘡) 顔や背中にニキビが出ることがあります。多くは塗り薬で対応できます
間質性肺炎 肺で酸素を取り込む部分に炎症が起きる状態です。空咳、息切れ、発熱が続くとき
消化管穿孔 胃や腸に穴があく状態です。強い腹痛が続くとき
横紋筋融解症・ミオパチー 筋肉の痛み、力が入らない、尿の色が濃くなる
心筋梗塞・脳卒中 胸の痛み、片側の手足の力が入らない、ろれつが回らない

頻度の高いものから、まれだが重いものまで並べています。すべての方に起こるわけではありません。重い感染症にかかっている方、活動性の結核がある方、重い肝機能障害のある方、血球が減っている方、妊娠中の方には使用できません(禁忌)。持病や飲んでいるお薬、これまでの病気については、開始前に必ずお知らせください。

 

こんなときはすぐにご連絡ください

内服中に次のような症状が出たときは、次の予約を待たずにご連絡ください。飲むのをいったん止めていただくことがあります。

特に、急な息苦しさや胸の苦しさ、ふくらはぎの強い痛みとはれは、血栓症の可能性があります。診療時間外であっても救急外来の受診をご検討ください。

急な息苦しさ、胸の苦しさ、ふくらはぎの痛み・はれ・色の変化
38度以上の発熱、強い寒け、激しい咳、胸の痛み
体の片側にピリピリした痛みが出て、遅れて水ぶくれが出てきた
強い腹痛が続く、黒い便が出た
空咳と息切れが続く
皮膚や白目が黄色くなった、尿が濃くなった
手足の力が入らない、ろれつが回らない

いつまで続けますか。やめたらどうなりますか

あらかじめ何か月で終わりと決まっている薬ではありません。皮膚の状態が安定してきたら、減量できるか、間隔をあけられるか、いったん休めるかを診察で相談しながら決めていきます。

飲み薬なので、注射と比べて中断や再開の調整がしやすいのが利点です。一方で、急にやめると症状がぶり返すことがあります。効かなくなったわけではなく、抑えていた炎症が戻ってきたということが多いため、自己判断でやめずにご相談ください。

続けるあいだは定期的な血液検査が欠かせません。通院が難しくなりそうなときも、飲むのを黙って止めるのではなく、まずお知らせください。減らしかたを一緒に考えます。

COST

費用の目安

すべて健康保険3割負担の場合の目安です。JAK阻害薬による治療は保険診療で行います(自由診療ではありません)。薬剤費は薬価にもとづく計算値で、薬価改定により変わります。

目安初診(診察料)約870円(3割負担の方)目安再診(診察料)約230円(3割負担の方)目安処方箋料約180円(3割負担の方)検査胸部レントゲン(1枚)約630円(3割負担の方)検査開始前の血液検査(肝炎ウイルス・結核を含む)約4,000〜5,000円(3割負担の方・項目により変わります)

飲み薬オルミエント錠2mg(28日分)約20,750円(3割負担の方・薬剤費)

薬価1錠2,472.50円。1日1回で28日分の薬剤費です。

飲み薬オルミエント錠4mg(28日分)約40,490円(3割負担の方・薬剤費)

薬価1錠4,820.00円。1日1回で28日分の薬剤費です。

飲み薬リンヴォック錠15mg(28日分)約36,370円(3割負担の方・薬剤費)

薬価1錠4,325.80円。1日1回で28日分の薬剤費です。

飲み薬リンヴォック錠30mg(28日分)約55,690円(3割負担の方・薬剤費)

薬価1錠6,628.00円。1日1回で28日分の薬剤費です。

飲み薬サイバインコ錠100mg(28日分)約35,700円(3割負担の方・薬剤費)

薬価1錠4,245.60円。1日1回で28日分の薬剤費です。

飲み薬サイバインコ錠200mg(28日分)約53,590円(3割負担の方・薬剤費)

薬価1錠6,384.50円。1日1回で28日分の薬剤費です。

塗り薬コレクチム軟膏0.25%(5g・1本)約200円(3割負担の方・薬剤費)

薬価1g135.80円。小児にも使える濃度です。

2026年8月時点の診療報酬点数および薬価にもとづく目安です。薬剤費のほかに診察料・検査料・処方箋料と、調剤薬局でのお薬代がかかります。2割負担・1割負担の方は、3割負担の金額のおよそ3分の2・3分の1が目安です。飲み薬は1か月の自己負担が大きくなるため、支払った額が自己負担限度額を超えた月は高額療養費制度の対象になります。限度額は年齢と所得によって決まっており、あらかじめ限度額適用認定証(またはマイナ保険証での限度額情報の提供に同意)を用意しておくと、窓口でのお支払いを限度額までに抑えられます。加入されている健康保険組合に付加給付がある場合や、お住まいの自治体の医療費助成が使える場合もありますので、ご加入の保険者にご確認ください。制度の対象になるかどうかは所得区分と月の医療費によって変わるため、すべての方が対象になるわけではありません。

FAQ

よくある質問

JAK阻害薬の読み方を教えてください。
「ジャックそがいやく」と読みます。JAKはヤヌスキナーゼ(Janus kinase)の略で、ヤヌスキナーゼ阻害薬、ヤヌスキナーゼ阻害剤、JAK阻害剤とも表記されます。「ジャック阻害薬」「ジャック阻害剤」と書かれることもありますが、いずれも同じ薬のことです。
JAK阻害薬と生物学的製剤はどう違いますか。
生物学的製剤(デュピクセントなど)は注射薬で、特定のサイトカインを狙い撃ちして細胞の外側でブロックします。JAK阻害薬は飲み薬で、複数のサイトカインの信号を細胞の内側でまとめて止めます。JAK阻害薬はかゆみが早く和らぐ報告があり、飲み薬なので減量や中断の調整がしやすい一方、開始前の胸部レントゲンと定期的な血液検査が必要です。生物学的製剤は開始前のレントゲンが不要で、注射の間隔は2週から4週ごとです。どちらが優れているというものではなく、症状・年齢・持病・生活に合わせて選びます。
飲み薬と塗り薬のどちらを選べばよいですか。
湿疹が体の広い範囲に出ている、かゆみで眠れない、塗り薬を続けても落ち着かない、という段階であれば飲み薬を検討します。範囲が限られている、顔や首だけが赤い、という場合は塗り薬のコレクチム軟膏で十分なことが多いです。飲み薬を始めた場合も塗り薬はやめず、両方を組み合わせて使います。
効果はどれくらいで出ますか。
個人差がありますが、かゆみは数日から数週間で和らぐ方が多く、臨床試験ではリンヴォックで2日目、サイバインコで4日目の改善が報告されています。皮疹そのものの改善にはもう少し時間がかかります。数週間たっても変化がない場合は、用量の調整や他の治療への切り替えを相談します。
副作用は大丈夫でしょうか。
経口JAK阻害薬には、重い感染症・悪性腫瘍・血栓症・心血管系の事象についての警告があります。そのため開始前に肝炎ウイルスと結核のスクリーニングを行い、開始後も定期的な血液検査を続けます。もっとも多いのは感染症で、帯状疱疹や口唇ヘルペスが出やすくなります。喫煙歴のある方、心血管系の危険因子をお持ちの方、悪性腫瘍の既往がある方では、より慎重に検討します。心配な点は開始前に遠慮なくお聞きください。
なぜ血液検査と胸部レントゲンが必要なのですか。
免疫のはたらきに関わる薬なので、隠れているB型肝炎・C型肝炎や結核が治療中に活性化しないかを先に確かめる必要があるためです。あわせて白血球・ヘモグロビン・血小板の数、肝機能・腎機能も確認します。開始後も血球や肝機能の変化は自覚症状が出にくいため、定期的な採血で確認していきます。当院では採血も胸部レントゲンも院内で行えます。
やめたらどうなりますか。
急に中止すると、抑えていた炎症が戻って症状がぶり返すことがあります。薬が効かなくなったわけではありません。飲み薬なので減量・中断・再開の調整はしやすいのですが、自己判断でやめず、減らしかたを診察で相談してください。定期的な血液検査を続けられないときも、まずご相談ください。
薬価はいつ変わりますか。ジェネリックはありますか。
薬価は原則として年に1回の薬価改定で見直されます。改定があると自己負担額も変わるため、当ページの金額はあくまで2026年8月時点の目安とお考えください。アトピー性皮膚炎に使うJAK阻害薬のジェネリック医薬品(後発医薬品)は、現時点では発売されていません。
花粉症やぜんそくにも使えますか。
使えません。JAK阻害薬は薬ごとに適応疾患が決められており、花粉症(アレルギー性鼻炎)やぜんそくは対象に入っていません。ぜんそくや重症の花粉症には、それぞれに適応のある別の薬(生物学的製剤など)があります。
子どもでも飲めますか。
年齢の条件があります。オルミエント(バリシチニブ)は2歳以上、リンヴォック(ウパダシチニブ)とサイバインコ(アブロシチニブ)は12歳以上が対象です。塗り薬のコレクチム軟膏は0.25%が小児にも使えます。年齢に加えて重症度の条件も満たす必要があるため、診察のうえで判断します。
ワクチンは接種できますか。
不活化ワクチン(インフルエンザ、新型コロナ、帯状疱疹の不活化ワクチンなど)は内服中でも接種できます。生ワクチン(麻疹、風疹、おたふくかぜ、水痘、帯状疱疹の生ワクチン)は内服中は接種できません。必要な方は開始前にご相談ください。JAK阻害薬では帯状疱疹が出やすくなるため、開始前の帯状疱疹ワクチンをおすすめすることがあります。
妊娠を考えています。飲めますか。
妊娠中の方、妊娠を希望される方には使用できません。避妊が必要な期間は薬によって異なります。ご計画がある場合は開始前に必ずお伝えください。授乳中の方も使用できません。
関節リウマチや潰瘍性大腸炎でもJAK阻害薬を使うと聞きました。当院で処方できますか。
JAK阻害薬は関節リウマチ、乾癬性関節炎、潰瘍性大腸炎、クローン病、円形脱毛症などでも使われますが、当院で処方しているのはアトピー性皮膚炎に対するものです。円形脱毛症についてはご相談ください。乾癬、関節リウマチ、炎症性腸疾患、血液の病気については、専門の医療機関へご紹介しています。紫外線を当てる光線療法(紫外線療法)も当院では行っておりません。

豊洲イーウェルクリニック

飲み薬・塗り薬のどちらが合うか、一度ご相談ください

塗り薬で足りないと感じている段階でも、注射と飲み薬で迷っている段階でも構いません。開始前の採血と胸部レントゲンまで院内で対応できます。江東区豊洲、有楽町線豊洲駅から徒歩3分。土日も診療しています。WEB・LINEから24時間ご予約いただけます。

豊洲駅から徒歩3分/土日も診療しています
REFERENCES
参考文献
  1. 日本皮膚科学会「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン」
  2. PMDA 医療用医薬品 添付文書等情報検索 (薬剤名で検索できます)
  3. 厚生労働省 高額療養費制度を利用される皆さまへ

本ページは一般的な情報提供を目的としています。実際の適応・用法用量・注意事項は添付文書と最適使用推進ガイドラインに従い、診察のうえで判断します。効果の出かたには個人差があります。薬剤費は2026年8月時点の薬価にもとづく計算上の目安で、薬価改定により変わります。

監修医師 石川 浩雅(豊洲イーウェルクリニック

本ページの内容は、上記の医師が監修しています。

監修記事一覧

2006年 国立国際医療センター 初期研修、2008年 同センター 後期研修。2011年 東京医科歯科大学 医療経営政策学。第一生命保険株式会社、株式会社Linc'well/クリニックフォア、医療法人社団シンシアエージェンシーを経て、2025年11月 東京都江東区豊洲に「豊洲イーウェルクリニック」開院。内科・皮膚科・アレルギー科を中心に、小児から泌尿器科領域まで幅広く診療しています。渡航ワクチンの接種にも対応しています。日本渡航医学会、日本旅行医学会、日本内科学会、日本アレルギー学会、日本産業衛生学会 所属。

HOME

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME

ご質問にお答えします